この記事の結論
大阪で業務システムの開発を頼むときは、開発会社を探す前に「何に困っているか」「今の業務がどう流れているか」「データを誰が持つか」の3つを書き出しておくと、提案や見積もりを同じ物差しで比べられます。比べるときは、会社の大きさより、要件定義をどう進めるか、契約の形、見積もりの範囲、ソースコードとアカウントの名義、保守と引き継ぎ、AIの組み込み方、セキュリティの決め方を確かめます。依頼先を決める前の整理には、大阪産業創造館のDX推進相談窓口や大阪府よろず支援拠点、中小機構のIT経営サポートセンターを無料で使えます。国のデジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたITツールの導入が対象で、交付が決まる前に契約や発注をすると対象になりません。bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。全国からオンラインでもご相談いただけます。
頼む前に、書き出しておく3つのこと
大阪には、システム開発を頼める会社がたくさんあります。候補を集めるのは難しくありませんが、何を頼みたいのかが社内で決まっていないと、どの提案が合っているのかを比べられません。開発会社に連絡する前に、次の3つを短い言葉で書いておきます。
| 書き出すこと | 書き方の例 | 決まっていないと起きること |
|---|---|---|
| 何に困っているか | 「受注の内容を、Excelと紙の両方に書き写している」「誰が対応中か分からない」 | 作りたい画面の話から始まり、できあがってから何が楽になったのかを確かめられない |
| 今の業務がどう流れているか | 誰が、何を受け取り、何をして、誰に渡しているか。手書きの図や箇条書きで構わない | 現場だけが知っている例外の手順が抜け、使い始めてから手作業が残る |
| データを誰が持つか | 顧客や受注のデータを、どの部署が入力し、誰が見て、どこに保管するか | 権限の決め方があいまいなまま作り、後から直すことになる |
この3つは、どんな機能を作るかより先に決めておくものです。発注する側が要件定義の前に用意することは、要件定義とは。システム開発を頼む前に、発注する側が準備することに詳しく書いています。今のExcelでの管理を続けるかどうかで迷っている段階なら、Excelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインから読んでみてください。
作るか、既製のサービスを使うか
業務システムを外注する前に、そもそも自社専用に作る必要があるのかを確かめます。他社と同じやり方で足りる業務なら、SaaSと呼ばれる既製のクラウドサービスのほうが早く使い始められることがあります。一方で、自社のやり方に強みがある業務を既製のサービスに合わせると、合わせるための手作業が増えることもあります。
判断のしかたは、SaaSか、オーダーメイドかにまとめています。SaaSを使い、足りない部分だけを作ってつなぐ方法もあるので、全部を作るか全部を買うかの二択で考えなくて大丈夫です。
依頼先を比べる、7つの基準
開発会社を比べるとき、実績の数や会社の大きさは分かりやすい材料ですが、それだけでは作った後に困るかどうかが分かりません。次の7つは、作り始めてから使い続けるまでに関わる点です。打ち合わせで、それぞれ質問して確かめます。
| 基準 | 打ち合わせで聞くこと | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 1. 要件定義をどう進めるか | 今の業務の流れを、どこまで聞いてもらえますか。画面の試作は、いつ見せてもらえますか | 要件定義とは |
| 2. 契約の形 | 要件定義と開発は、別々の契約にできますか。それぞれ準委任と請負のどちらですか | エンジニアを雇うか、外部に任せるか |
| 3. 見積もりの範囲 | 見積もりには、どの作業が含まれていて、何が含まれていませんか | 業務システムの見積もりの読み方 |
| 4. ソースコードとアカウントの名義 | ソースコード、サーバー、ドメイン、使うクラウドサービスの契約は、誰の名義になりますか | 業務システムを引き継ぐ手順 |
| 5. 保守と引き継ぎ | 作った後の修正や問い合わせは、どこまでが保守ですか。契約が終わったら何を受け取れますか | システムの保守契約で確かめること |
| 6. AIの組み込み方 | AIに渡すデータは何で、そのAIサービスは誰の名義で契約しますか。出力は誰が確かめますか | 生成AIを社内で使うときのルールの作り方 |
| 7. セキュリティの決め方 | 権限、バックアップ、事故が起きたときの連絡を、契約や資料にどう書いてもらえますか | ChatGPTの情報漏洩は、どこから起きるのか |
1と2は、何を作るかが決まる前の進め方
要件定義は、作るシステムに何ができればよいかを決める工程です。この段階では、まだ作るものが決まっていません。IPA(情報処理推進機構)の情報システム・モデル取引・契約書では、システム化の方向性から要件定義までを準委任、決まった設計にもとづく内部設計からテストまでを請負とするなど、段階ごとに契約の形を分けた例が示されています。工程ごとに契約を分ける多段階契約と、要件がはっきりした段階で見積もり直す再見積りの考え方もとられています(IPA:「情報システム・モデル取引・契約書」から読み解く(PDF)、2026年10月3日確認)。
請負は、決まったものを完成させることに対価を払う形で、準委任は、専門家として注意を払いながら業務を進めること自体に対価を払う形です。モデル契約書の第二版は2020年12月22日に公開され、受託で開発する場合と、パッケージやSaaSを使う場合の2つの型があります(IPA:情報システム・モデル取引・契約書(第二版)、2026年10月3日確認)。依頼先がどの型を前提にしているかを聞くと、進め方の考え方が見えてきます。
3は、金額より先に範囲をそろえる
同じ「業務システムの開発」でも、含まれる作業は会社ごとに違います。金額を並べる前に、何が含まれているかをそろえます。何で費用が変わるかは、このあとの節に書いています。
4と5は、依頼先を変えるときに効いてくる
ソースコードや、サーバー、ドメイン、クラウドサービスの契約が開発会社の名義のままだと、依頼先を変えるときや、相手と連絡が取れなくなったときに手が出せなくなります。保守の範囲と、契約が終わったときに受け取れるもの(ソースコード、構成の資料、手順書など)は、作り始める前に決めておきます。
6と7は、データの扱いを先に決める
業務システムにAIを組み込むときは、どのデータをAIのサービスに渡すのかを先に決めます。IPAの中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第4.0版)では、生成AIを使うときの注意として、利用規約やプライバシーポリシーを先に確かめること、外に漏れると問題になるデータを入力しないこと、生成された成果物は必ず人が確かめること、出力をそのまま使わず補助の道具として使うことを挙げています。同じガイドラインは、業務の一部を外部に委託する場合、委託先でも少なくとも自社と同じ水準の対策が行われるよう、契約書に情報セキュリティに関する委託先の責任や実施すべき対策を書いて合意する必要があるとしています(IPA:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン、2026年10月3日確認)。システム開発を外に頼み、顧客や受注のデータを預ける場合も、同じ考え方で、セキュリティについて委託先が何をするかを契約や資料に書いてもらいます。
費用は、何で変わるか
ここでは金額は書きません。業務システムの開発は、含まれる作業が依頼ごとに大きく違うので、金額だけを並べても比べられないからです。見積もりを受け取ったら、次の点がそれぞれ含まれているかを確かめます。
- 使う人の数と、権限の分け方。 社内の一部署だけで使うか、取引先や現場の人も使うか
- 画面と帳票の数。 入力と一覧だけか、集計や出力する書類まで作るか
- ほかのサービスとのつなぎ込み。 会計ソフトやLINE、既存のシステムとデータをやりとりするか
- データの移行。 今のExcelや古いシステムのデータを、新しいシステムに移すか
- AIの組み込み。 文章の下書きや分類などをAIに任せる部分があるか
- 作った後の範囲。 保守、問い合わせへの対応、使い方の説明、引き継ぎの資料をどこまで含むか
範囲をそろえて見積もりを比べる手順は、業務システムの見積もりの読み方にまとめています。
開発会社との最初の打ち合わせでは、作りたい画面の話をする前に、困っていること、今の業務の流れ、データを誰が持つかの3つと、7つの基準のうち自社が重く見るものを伝えてみてください。同じ資料を何社かに渡すと、提案と見積もりの違いが、そのまま会社の違いとして見えてきます。
大阪の会社が使える、公的な相談先
依頼先を決める前に、何を作ればよいのかを第三者と整理したい場合は、公的な相談先を使えます。どれも、特定の開発会社の仕事を売る立場ではありません。
| 相談先 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 大阪産業創造館のDX推進相談窓口 | 創業者や中小企業者(個人事業主を含む)が、デジタル化の進め方を専門家に無料で相談できる。相談の例に、販売管理システムや予約管理システムの導入、クラウドサービスによる社内システムの効率化が挙がっている。面談は完全予約制で1回60分程度、メールでの相談は原則2営業日以内に回答がある | 大阪産業創造館:DX推進相談窓口(2026年10月3日確認) |
| 大阪府よろず支援拠点 | 中小企業・小規模事業者が、何度でも無料で相談できる。相談の分野に、ホームページ・SNS・ITツールが含まれる。場所は大阪産業創造館の2階 | 大阪府よろず支援拠点:はじめてご利用される方へ(2026年10月3日確認) |
| 中小機構のIT経営サポートセンター | 中小企業・小規模事業者のIT活用や情報セキュリティ対策の相談に、オンラインで応じる。特定のITツールやベンダーに偏らない中立的な立場で助言するとしていて、相談は無料、1回60分で、何度でも使える | 中小機構:IT経営サポートセンター(2026年10月3日確認) |
公式ページには、開発会社を紹介するという案内は見当たりません。困りごとの整理や、受け取った提案の読み方を相談する場として使い、整理した内容をもって自社で依頼先を比べるのがよいと私たちは考えています。AIの導入に絞った相談先は大阪・兵庫の中小企業が、AI導入で使える公的な相談先に、大阪府の外も含めた一覧は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口にまとめています。
補助金は、登録されたITツールかどうかを先に確かめる
国の「デジタル化・AI導入補助金2026」は、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールを導入する費用が対象です(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 よくあるご質問(PDF、最終更新日2026年6月3日)、2026年10月3日確認)。通常枠の公募要領では、交付決定の前にITツールを契約や発注した場合は補助の対象にならないとされています。また、予約の仕組みについての注意点として、顧客側の画面を新しく作る費用はスクラッチ開発に当たるため対象外と書かれています(デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領 通常枠(PDF)、2026年10月3日確認)。
自社専用に一から作るシステムを考えている場合は、その開発が補助の対象になるとは限りません。使いたいサービスが登録されているかは公式サイトのITツール検索で確かめ、申込みを考えるなら、契約の前に依頼先と順番を確かめてください。通常枠以外の枠や、市町村が独自に設けている制度は、対象や時期が年度ごとに変わるので、必ず公式の案内で最新の内容を確かめてください。
詳しい記事の一覧
ここまでの項目を、場面ごとに詳しく書いた記事です。
| 場面 | 記事 |
|---|---|
| 作るかどうかを決めたい | SaaSか、オーダーメイドか |
| 頼む前の準備をしたい | 要件定義とは。発注する側が準備すること |
| 見積もりを比べたい | 業務システムの見積もりの読み方 |
| 保守の契約を見直したい | システムの保守契約で確かめること |
| 作った会社と連絡が取れない | 業務システムを引き継ぐ手順 |
| 社内で雇うか外に頼むか迷う | エンジニアを雇うか、外部に任せるか |
| ホームページもあわせて頼みたい | 大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方 |
bundlyzeが合う会社と、合わない会社
最後に、私たちbundlyzeについても、上の7つの基準に沿って正直に書いておきます。比べる候補の1つとして読んでください。
bundlyzeは少人数のチームで、開発は技術責任者の津嘉山が中心になって、要件の整理から設計、開発、保守まで関わります。そのため、大人数を一度に必要とする開発には向いていません。
合うと考えている会社
- 困っている業務を1つ決めて、小さく作って確かめながら広げたい会社
- 既製のサービスで足りる部分は使い、足りない部分だけを作ることも含めて相談したい会社
- ソースコードやアカウントを自社の名義で持ち、作った後も引き継げる形で残したい会社
合わないと考えている会社
- 大人数の開発チームを、一度にそろえる必要がある会社
- 業務の流れを説明する時間を取らずに、作るところだけを任せたい会社
- 作った後の保守や引き継ぎの範囲を決めないまま、開発を始めたい会社
この記事を書いている技術責任者の津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアです。予約管理の仕組みや、自社サイトの公開と点検の仕組みも、自分たちで作って運用しています。7つの基準で比べて、私たちが合わないと感じたら、ほかの会社を選んでいただくのが正しい判断です。
よくある質問
大阪の開発会社に頼んだほうがいいですか?
何を作るかが決まっていなくても、開発会社に相談できますか?
業務システムの開発に、デジタル化・AI導入補助金は使えますか?
契約は準委任と請負のどちらがいいですか?
大阪産業創造館やよろず支援拠点で、開発会社を紹介してもらえますか?
大阪でのシステム開発は、3つの書き出しから
大阪で業務システムの依頼先を選ぶときは、困っていること、今の業務の流れ、データを誰が持つかを先に書き出し、要件定義の進め方、契約の形、見積もりの範囲、名義、保守と引き継ぎ、AIの組み込み方、セキュリティまで含めて比べます。迷ったら、大阪産業創造館やよろず支援拠点、IT経営サポートセンターで、頼む前の整理から始められます。
まずは、今いちばん困っている業務を1つ、誰が何を誰に渡しているかの順で書き出してみてください。
ご相談
業務システムについて、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。
