この記事の結論
人手の少ない豊中の会社が、Web集客やシステム、AIの活用を外に頼むときは、「作った後、誰が、毎週どれくらいの時間で回すか」を先に決め、そのうえで市の専門家派遣を使って頼む中身を絞ると、依頼先との話が具体的になります。豊中市の集計では、市内の事業所の約3分の2は、常用雇用者が4人以下です。作ったものを動かし続けるのは、社長や数人の社員だと私たちは考えています。豊中市と豊中商工会議所は、ITとAIの専門家(ITコンシェルジュ、AIコンシェルジュ)を無料で派遣していて、市のIT化促進補助金とAI促進補助金は、この派遣を受けて提案された内容が対象です。補助金を使うつもりなら、依頼先と契約する前に派遣を申し込む順番を守ることが、豊中の会社の出発点です。
豊中の会社は、「作った後に回す人」が少ない前提で頼む
「ホームページを作り直したい」「予約や受注の管理をシステムにしたい」「AIを仕事に使いたい」と依頼先に話すと、多くの場合、何を作るかの話から始まります。けれど、少ない人数で仕事を回している会社なら、その前に確かめておきたいことがあります。作ったものを、作った後に誰が動かし続けるかです。
豊中市や豊中商工会議所が公表している情報を確かめると、豊中には次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 豊中の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 市内の事業所の30.3%は常用雇用者がおらず、36.2%は常用雇用者が1人から4人。合わせて約3分の2が4人以下(2021年6月1日時点) | 豊中市「豊中の事業所 令和3年経済センサス活動調査結果報告」 | 作った後の更新や返信、設定の変更を、誰が、毎週どれくらいの時間でするか |
| 豊中市と豊中商工会議所が、ITとAIの専門家を、市内の中小企業に無料で派遣している。それぞれ1事業者あたり年3回まで | 豊中市「ITコンシェルジュ派遣事業について」「AIコンシェルジュ派遣事業について」 | 依頼先に会う前に、自社の課題を専門家と一緒に整理するか |
| 市のIT化促進補助金とAI促進補助金は、コンシェルジュの派遣を受け、提案された内容が対象。申し込む前に派遣を受ける必要がある | 豊中市「令和8年度IT化促進補助金について」「令和8年度AI促進補助金について」 | 補助金を使うつもりか。使うなら、依頼先との契約より前に派遣を申し込んだか |
| 創業前から創業5年未満の事業者は、とよなか起業・チャレンジセンターで、無料の個別相談を何度でも受けられる | とよなか起業・チャレンジセンター | 創業して間もないなら、事業の計画と一緒に、Webやシステムの優先順位を相談するか |
豊中では、雇う人が4人以下の事業所が約3分の2
豊中市が令和3年経済センサス活動調査をもとに独自に集計した結果によると、2021年6月1日時点で、市内の事業所は1万3,180か所、そこで働く人は13万490人でした。常用雇用者の人数ごとに事業所を分けると、「1人から4人」が4,765か所(36.2%)で最も多く、「0人」が3,992か所(30.3%)、「5人から9人」が1,860か所(14.1%)と続きます(豊中市:豊中の事業所 令和3年経済センサス活動調査結果、2026年10月2日確認)。常用雇用者とは、期間を定めずに、または1か月以上の期間を定めて雇われている人のことで、「0人」は、事業主や家族、役員だけで営んでいる事業所です。
働く人の数で見ると、30人以上の事業所で働く人が全体の47.5%を占めていて、大きな事業所もあります。それでも、事業所の数で見れば、豊中の会社や店の多くは、ごく少ない人数で営まれています。業種で見ると、事業所の数は卸売業・小売業が最も多く、医療・福祉、不動産業・物品賃貸業と続きます。
統計は、それぞれの会社がホームページやシステムをどう使っているかまでは示しません。それでも、少ない人数の会社では、ホームページの更新も、問い合わせへの返信も、予約やAIの設定も、社長かごく数人が本業の合間にすることになると私たちは考えています。依頼先に頼むときに、作るものの話だけをすると、作った後の作業が誰の手にも乗らないまま、止まってしまうことがあります。
| 頼むもの | 作った後に、毎週起きること | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| ホームページ | お知らせや実績の更新、問い合わせへの返信 | 更新は誰がするか。問い合わせには、いつまでに、誰が返すか |
| 予約や受注の仕組み | 予定や在庫の設定の変更、入った情報の確認 | 設定を変えられる人が2人以上いるか。休みの日の扱い |
| AIの活用 | AIが作った文章や集計の確認、使い方の見直し | 最後に確かめる人は誰か。AIに入れてはいけない情報は何か |
| SNSや広告 | 投稿の作成、結果の確認 | 自分で続けるか、外に頼むか |
作るものは、回せる大きさから決める
少ない人数の会社が外に頼むときは、「何ができるか」より「自分たちが続けられるか」から決めると、作った後に止まりにくくなります。次の4つを、依頼先に会う前に書き出しておくと、話が早くなります。
- 作った後の作業を、「毎週、誰が、何分」の形で書く。書けない作業は、外に頼むか、作らない
- 担当が休んだとき、代わりにできる人がいるか。いなければ、手順を残してもらう
- 最初から全部を作らず、いちばん困っている作業から小さく始める
- 作った後の更新や見直しも外に頼むなら、その範囲と頻度を、最初の見積もりの段階で聞く
社内にWebの担当者がいない場合の頼み方はWeb担当がいない会社のための、外部Web責任者という選択肢、AIをどの作業から使うかの決め方はAIで業務効率化するなら、どの業務から始めるか。選び方の4つの基準にまとめています。
依頼先に会う前に、市と商工会議所の専門家に来てもらう
豊中市と豊中商工会議所は、市内の会社が抱えるITやAIの課題に対して、専門家を派遣する事業を連携して行っています。ITの専門家が「ITコンシェルジュ」、AIの専門家が「AIコンシェルジュ」です。対象になる課題として、市は、集客、営業、事務の効率、広報、会計を挙げています(豊中市:ITコンシェルジュ派遣事業について、豊中市:AIコンシェルジュ派遣事業について、2026年10月2日確認)。
2026年10月2日に公式ページで確かめた内容は、次のとおりです。
- 対象は、豊中市内に本店か主な事業所がある中小企業者などで、豊中市の市税を納めていること
- 相談は無料で、ITとAIのそれぞれについて、1事業者あたり最大3回まで使える
- 専門家が事業所に来るほか、内容によっては、商工会議所の窓口やオンラインでの相談もできる
- 申し込みは豊中商工会議所で受け付けていて、予算に達すると受付が終わる
申し込みの流れは、商工会議所の申込ページにまとまっています。申し込むと、商工会議所から電話で相談の内容を聞かれ、派遣するかどうかと日程が決まります(豊中商工会議所:IT・AIコンシェルジュ派遣事業 ご相談申込)。
専門家に来てもらう前に、次の3つを書いておくと、1回の相談で話が進みます。
- いちばん時間がかかっている作業と、それにかかっている時間
- その作業をしている人と、作った後に仕組みを動かせる人
- 使っている道具(表計算、紙の台帳、予約の仕組みなど)と、それでは困っていること
補助金を使うなら、依頼先との契約より先に派遣を受ける
豊中市のIT化促進補助金とAI促進補助金は、どちらも、コンシェルジュの派遣を受け、コンシェルジュから提案された内容に使う費用が対象です。市は、補助金を申し込む前に派遣を受ける必要があると明記しています(豊中市:令和8年度IT化促進補助金について、豊中市:令和8年度AI促進補助金について、2026年10月2日確認)。
公式ページで確かめた、依頼の内容に関わる点は次のとおりです。
| 補助金 | 対象になるものの例(公式ページから) | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| IT化促進補助金 | 業務のためのクラウドサービスやソフトウェアの導入、セキュリティ対策やスマホ対応などの高機能化を伴うホームページの制作・改修、ITの資格の取得 | 広告宣伝やそれに近いものは対象外。パソコン、複合機、スマートフォンも対象外。コンシェルジュの提案より高い性能で、費用も高いものは対象外 |
| AI促進補助金 | 生成AIの道具の利用料と導入の支援、AIを使ったデータ分析の道具、自社のデータに合わせたAIの開発の委託、AIで請求書などを読み取る会計ソフト | 広告宣伝やそれに近いものは対象外。コンシェルジュの提案より高い性能で、費用も高いものは対象外 |
募集要領では、対象になる経費は、交付の決定の日より後に発注したものに限られています。また、ホームページのサーバーの維持費のように、作った後に毎月かかる費用は対象になりません(豊中市:令和8年度IT化促進補助金 募集要領、豊中市:令和8年度AI促進補助金 募集要領)。作った後の費用は、自社で払い続けることになります。
つまり、先に依頼先と中身を決めて発注してしまうと、補助の対象にならなかったり、提案と中身がずれたりすることがあると私たちは考えています。使うつもりなら、次の順番で進めます。
- 豊中商工会議所に、ITかAIのコンシェルジュの派遣を申し込む
- コンシェルジュと一緒に課題を整理し、提案を受ける
- 提案の範囲で、依頼先から見積もりを取る
- 市の募集要領を確かめて補助金を申し込み、交付の決定を受けてから発注する
補助の割合や上限、受付の期間は年度ごとに決まり、予算に達すると早く締め切られます。募集要領には、ここに書いていない細かな条件もあります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。国の「デジタル化・AI導入補助金」も、条件が合えば使えます(公式サイト)。
豊中で、依頼先を決める前に使える相談先
コンシェルジュの派遣のほかにも、豊中には依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。大阪府全体の窓口は大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方に、関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月2日) |
|---|---|---|
| ホームページやSNSの使い方を、まず専門家に聞きたい | 豊中商工会議所:専門家サービス | 相談は無料で、完全予約制(前の営業日までに予約)。IT専門家によるWEB活用相談とSNS活用相談が、それぞれ月に1回ある。ほかに、中小企業診断士による創業や経営の相談、商標などの知財の相談、弁護士によるビジネス法務の相談もある |
| これから創業する、または創業して間もない | とよなか起業・チャレンジセンター | 豊中市と豊中商工会議所が連携して運営する。対象は創業をめざす人と創業5年未満の人で、約60分の個別相談を、会員登録の有無にかかわらず無料で何度でも受けられる。阪急宝塚線の庄内駅の近く |
| 創業の支援を、証明書につなげたい | 豊中市:とよなか創業ナビ・特定創業支援等事業 | 市、チャレンジセンター、商工会議所、日本政策金融公庫が連携して創業を支援している。「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」の4つのテーマの支援を1か月以上かけて受けて修了すると、市が証明書を出す |
| 販路や経営の課題を、府の窓口と一緒に相談したい | 豊中市:大阪府よろず支援拠点との共同無料経営相談 | 豊中商工会議所が、大阪府よろず支援拠点と連携して開く無料の相談会。販路の拡大や経営の改善などを個別に相談できる |
| 一人で仕事をしていて、同じ立場の人とつながりたい | 豊中市:とよなかフリーランスMEETコミュニティ | 雇う人のいない自営業主や一人社長、これからフリーランスをめざす人が対象で、登録は無料。交流の場などの案内を受けられる |
専門家や依頼先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「ホームページの更新と問い合わせの返信は社長が担当し、使える時間は週に1時間」「いちばん時間がかかっているのは、紙の台帳から請求書を作る作業」「市の補助金を使いたいので、契約の前にコンシェルジュの派遣を申し込む」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先への説明にも使えます。
依頼先には、回す人と時間と、使う制度を最初に伝える
依頼先を選ぶときに確かめたい点は、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、豊中の会社でも同じです。そのうえで豊中の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- 作った後に動かすのは誰か。その人が使える時間は、毎週どれくらいか
- いちばん困っている作業は何か。最初はそこだけに絞れるか
- 市の補助金を使うつもりか。使うなら、コンシェルジュの提案の内容と、申し込みの順番
この3つを聞いて、作るものの大きさや、作った後の手順の残し方、補助金の順番に合わせた進め方まで提案が変わる相手かどうかが、少ない人数で回す会社の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、システム開発、AIの活用までを一社で対応しているので、少ない人数で回せる大きさに絞った進め方を、Webとシステムを分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
ITコンシェルジュとAIコンシェルジュは、どちらに申し込めばいいですか?
すでに依頼先が決まっていても、市の補助金は使えますか?
豊中の会社は、豊中の依頼先を選んだほうがいいですか?
回す人と時間が決まれば、頼む中身が決まる
豊中の会社がWeb集客やシステム、AIを外に頼むときは、作った後に回す人が少ないこと、市と商工会議所の専門家に無料で来てもらえること、市の補助金は派遣の後に申し込む順番であることの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、ITやAIのコンシェルジュの派遣や、豊中商工会議所の専門家サービスを頼れます。
まずは、作った後の作業を「毎週、誰が、何分」の形で書き出すところから始めてみてください。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。