この記事の結論
東大阪の町工場が、Webで新しい取引先に見つけてもらうために最初に整えるのは、「何を、どこまで加工できるか」を、図面を持った発注担当者が判断できる言葉で書くことです。東大阪市の調査では、市内の製造業の6割以上が発注者の図面に基づく加工を行い、強みに加工精度・技術力や多品種少量生産を挙げる一方、弱みに販路開拓などの営業力を挙げた会社が37.0%ありました。技術の強みを、Webで比べられる形に置き換えることが、東大阪の会社にとっての集客の出発点だと私たちは考えています。整理の段階から、市と東大阪商工会議所の無料の相談先を使えます。
東大阪の町工場は、技術ではなく「伝え方」で取りこぼしている
東大阪市は、製造業の事業所数が5,564で全国5位(政令指定都市を除くと全国1位)、事業所の密度は1平方キロメートルあたり107.6で全国1位の、ものづくりのまちです(令和3年経済センサス活動調査。東大阪市:モノづくりのまち、2026年10月1日確認)。
東大阪市は、市内の製造業を対象にした「東大阪市製造業に関する実態・ニーズ調査」を公開しています。東大阪商工会議所に委託して令和6年6月から8月に行われ、538社が回答しました(東大阪市:東大阪市製造業に関する実態・ニーズ調査、令和7年3月の報告書、2026年10月1日確認)。この調査を読むと、Webで新しい取引先を探すときに大事になる数字が並んでいます。
| 調査の項目 | 回答の上位 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 事業の形(複数回答) | 発注者の図面に基づき加工・生産 64.3%、発注者の仕様に基づき自社で設計して加工・生産 39.6%、自社ブランドで企業へ販売 30.9% | 自社の仕事は、図面を受けて加工する仕事か、設計から入る仕事か、自社の製品を売る仕事か |
| 自社の強み(3つまで) | 加工精度・技術力 46.7%、多品種・少量生産 43.3%、品質管理 43.1%、短納期 41.3% | その強みを、初めて見る発注担当者が確かめられる情報で書けているか |
| 自社の弱み(3つまで) | 人材育成・確保 42.9%、販路開拓などの営業力 37.0%、価格競争力 26.2% | 営業の人手が足りない分を、Webに何を任せたいか |
| 新しい企業とのつながり | 求める 71.9% | どんな相手と、どんな仕事でつながりたいか |
| 今の課題(複数回答) | 売上・利益の減少 51.9%、人材不足 46.5%、新規の顧客開拓 37.5% | 新しい取引先と、採用したい人の、どちらを先に増やしたいか |
強みの上位は、どれも技術や現場の力です。一方で、販路開拓などの営業力を強みに挙げた会社は5.6%にとどまり、弱みには37.0%が挙げています。技術を持っているのに、それが新しい相手に届いていない会社が少なくない、というのが、この調査から私たちが読み取ったことです。
図面を持った発注担当者は、「できるかどうか」を先に探している
市内の製造業の6割以上が、発注者の図面に基づく加工を仕事にしています。こうした仕事を新しく頼もうとする発注担当者は、手元に図面があり、「この材料で、この大きさで、この数を、いつまでに作れるところ」を探しています。
その担当者がホームページを見て知りたいのは、会社の歴史や社長のあいさつより先に、自社の図面を送ってよい相手かどうかだと私たちは考えています。調査で上位に並んだ強みを、Webでは次のような情報に置き換えて書きます。
| 調査で多かった強み | ホームページで、比べられる形に置き換えること |
|---|---|
| 加工精度・技術力 | 得意な加工の種類、扱える材料、対応できる大きさの範囲、検査に使っている測定機器 |
| 多品種・少量生産 | 1個からの試作に応じるか、よく受けるロットの範囲、繰り返しの注文への対応 |
| 品質管理 | 検査の流れ、取得している認証、検査の記録を納品時に出せるか |
| 短納期 | 急ぎの相談の受け方と、内容によって納期が変わることの説明 |
あわせて、次のことも書いておくと、合わない問い合わせが減り、合う相手からの相談が増えやすくなります。
- できないこと。 扱わない材料や、対応できない大きさ、量産の上限など。正直に書くほど、発注担当者は安心して図面を送れます
- 設備の一覧。 機械の名前だけでなく、その設備で何ができるかを一言添えます
- 図面を送る方法。 問い合わせのフォームから図面のファイルを送れるか、送れない場合はどこへ送ればよいかを書きます
問い合わせのフォームで取りこぼさないための確認は問い合わせが来るホームページ・LPは、何が違うのか。作る前に決めておく5つのことにまとめています。
東大阪の名前は、検索でもAIでも「探す条件」になる
東大阪市は、市内の製造業の製品や加工技術を探せる「東大阪市技術交流プラザ」を運営しています。加工依頼や部品調達、試作の相手を探す企業と、市内のものづくり企業をつなぐためのサイトで、加工の種類や業種、キーワードから探せます。市内の企業は、自社の情報を登録して、画像や動画も使って紹介できます(東大阪市:市内製造業検索サイト、2026年10月1日確認)。
「東大阪」という地名には、ものづくりのまちとしての知名度があります。調査でも、東大阪で操業する良い点として「製造業が集積しており、加工依頼できる工場が多い」を58.6%、「モノづくりのまちとしてのブランド力」を28.4%の会社が挙げています。発注担当者が「東大阪 板金」「東大阪 試作 切削」のように、地名と加工の名前を組み合わせて探すのは自然なことです、と私たちは考えています。ChatGPTやGoogleのAIに「東大阪で、ステンレスの小ロットの加工を頼める会社は」と聞く場合も同じです。
そのとき候補に入るかどうかは、Web上の情報で決まります。
- 自社のホームページ、技術交流プラザ、Googleビジネスプロフィールで、住所、加工の種類、対応できる範囲が食い違っていないか
- 「東大阪市の〇〇町にある、〇〇加工の会社」と、どこで何をしている会社かが一文で分かるか
- 加工の名前を、発注担当者が使う一般的な言葉で書いているか(社内でしか通じない呼び方だけになっていないか)
どこで何をしている会社かを、AIが取り違えない形で書く手順は会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
システムやAIの前に、見積もりと加工の記録を確かめる
調査では、生産性の向上に効果が高い取り組みとして、「デジタルツールの活用」を24.7%の会社が挙げ、規模の大きい会社ほどこの割合が多い傾向がありました。人手の限られた町工場でシステムやAIを使うときに、最初に効きやすいのは、問い合わせと見積もりのまわりだと私たちは考えています。新しい取引先が増えるほど、図面を読んで見積もりを返す仕事が増えるからです。
依頼先に「システムを入れたい」「AIで見積もりを早くしたい」と伝える前に、次のことを書き出しておくと、何から手をつけるかが決めやすくなります。
| 書き出すこと | 例 |
|---|---|
| 見積もりの元になっている記録 | 過去の図面、見積書、加工にかかった時間、材料の仕入れ値 |
| その記録の置き場所 | 紙のファイル、担当者ごとのExcel、共有のフォルダ、ベテランの頭の中 |
| 見積もりを返すまでの流れ | 図面の受け取りから、誰が何を確かめて、返信するまで |
記録が人の頭の中にしかない場合、AIに任せる前に、まず記録を残す仕組みが要ります。Excelでの管理を見直す目安はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサイン、AIに任せる業務の選び方はAIで業務効率化するなら、どの業務から始めるかにまとめています。
東大阪で、依頼先を決める前に使える相談先
東大阪には、市や商工会議所が設けた、無料で使える相談先がそろっています。市は、製造業向けの相談窓口を1つのページにまとめています(東大阪市:東大阪市の製造業相談窓口、2026年10月1日確認)。今の段階に合わせて選びます。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月1日) |
|---|---|---|
| ITやデジタルで、何から変えればよいか分からない | 東大阪商工会議所:ITなんでも相談窓口 | 東大阪市内の事業所を対象に、IT専門家を無料で派遣する。ペーパーレス化、生産性向上、業務効率化、セキュリティ強化、データ活用、集客力アップなどを相談できる。市の「DX/IT導入推進事業」として、商工会議所が実施している(東大阪市:DX/IT導入推進事業) |
| 新しい取引先を探したい、技術の相談もしたい | 東大阪市産業創造勤労者支援機構:モノづくりワンストップ相談窓口 | 技術系と販路系のコーディネーターが、販路開拓、企業支援、技術相談、ものづくりのマッチングに応じる。窓口はクリエイション・コア東大阪の北館にあり、電話やメール、オンラインでも相談できる |
| 集客や取引先開拓を、経営の面から整理したい | 東大阪市:専門家による経営相談 | 市内の事業者が対象で、無料。中小企業診断士が、集客、取引先開拓、生産性向上、補助金活用などの相談に応じる。予約制で、市役所での相談のほか、出張や電話、オンラインにも対応 |
| 製品の改良や、品質のトラブルを相談したい | 東大阪市立産業技術支援センター | 相談員が、製品の試験、分析、改良、開発、トラブルやクレームへの対応などの技術相談に応じる。検査や測定の機器を、低い料金で使える |
クリエイション・コア東大阪は、中小企業基盤整備機構、大阪府、大阪産業局、東大阪市、東大阪市産業創造勤労者支援機構、東大阪商工会議所が運営に関わる、中小のものづくり企業を支える拠点です(中小企業基盤整備機構:クリエイション・コア東大阪とは、2026年10月1日確認)。大阪府全体の窓口である大阪産業創造館のDX推進相談窓口や、大阪府DX推進パートナーズも使えます。府の窓口は大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめています。
補助金や助成金は、市・府・国のそれぞれに制度があり、対象や募集の時期は年度ごとに変わります。使えそうな制度があれば、申請や依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
相談先に行く前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「仕事の中心は、図面を受けて行う小ロットの切削加工」「強みは、1個からの試作と短い納期」「見積もりの元になる記録は、担当者ごとのExcelにある」のように、この記事の3つの整理を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先への説明にも使えます。
依頼先には、加工の範囲と、見つけてほしい相手を最初に伝える
依頼先を選ぶときは、地域よりも、自社の仕事の中身をどこまで聞いてくれるかを重視します。ものづくりの会社が、相手と地域と現場のデータを整理してから頼む考え方は、滋賀の中小企業が、Web集客やシステム、AIを外に頼む前にでも書いています。
東大阪の町工場なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- 自社の仕事の形(図面を受けて加工する、設計から入る、自社の製品を売る)と、得意な加工・材料・ロット
- 新しく見つけてほしい相手(業種、地域、どんな図面を持っている担当者か)
- 見積もりや受注の記録が、今どこにあるか
この3つを聞いて、ホームページに書く中身や、技術交流プラザやGoogleビジネスプロフィールとの揃え方、システムで最初に扱う業務まで提案が変わる相手かどうかが、東大阪の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、システム開発、AIの活用までを一社で対応しているので、新しい取引先に見つけてもらうためのホームページと、問い合わせや見積もりを受ける仕組みを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
東大阪市技術交流プラザに載っていれば、自社のホームページはなくてもよいですか?
ITなんでも相談窓口は、どんな会社が使えますか?
小さな町工場でも、AIを使う意味はありますか?
技術を、比べられる言葉にすることから始める
東大阪の町工場がWebで新しい取引先に見つけてもらうには、新しい技術を足すより先に、今ある技術を、図面を持った発注担当者が比べられる言葉にすることが近道です。加工の範囲と設備、できないこと、図面の送り方を書き、技術交流プラザやGoogleビジネスプロフィールと揃え、そのうえで見積もりの記録をシステムやAIで扱える形にしていきます。
迷ったときは、東大阪商工会議所のITなんでも相談窓口や、モノづくりワンストップ相談窓口、市の経営相談を頼れます。まずは、自社が得意な加工と、よく受けるロットの範囲を1行で書き出すところから始めてみてください。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。