この記事の結論
大阪・兵庫の中小企業がAIの導入で最初に使える公的な相談先は、府県ごとのよろず支援拠点と生産性向上支援センターです。2026年度から、各拠点にAIの相談に応じる「AIアドバイザー」が置かれています。大阪府内に本社がある会社は大阪産業局のOBDXの「デジタル・AI活用相談」、神戸市内の会社は神戸市中小企業DXお助け隊も使えます。進める順番は、相談で課題を整理する、1つの業務で小さく試す、補助金の条件を確かめてから契約する、依頼先を選ぶ、の4つです。補助金は、交付が決まる前に契約や発注をすると対象から外れるため、順番が大事です。
AIの相談先は、「どこの会社か」と「今の段階」で選ぶ
AIを業務に使いたいと考えたとき、いきなり依頼先を探すより、先に公的な窓口で課題を整理するほうが、話が早く進みます。大阪と兵庫には、AIやデジタル化の相談に、無料で応じる窓口がいくつもあります。
ただし、窓口ごとに、対象になる会社と、手伝ってくれる段階が違います。次の表は、AIの相談に使える窓口を、公式ページで確かめた内容でまとめたものです(どれも2026年10月2日確認)。
| 相談先 | 対象 | AIについて手伝ってくれること | 出典 |
|---|---|---|---|
| よろず支援拠点と生産性向上支援センターのAIアドバイザー | 中小企業・小規模事業者(大阪府、兵庫県それぞれの拠点) | AIを使える業務の整理、導入に向けた社内文書やデータの準備、使えるサービスの検討。「何から始めればよいか分からない」段階から相談できる | よろず支援拠点全国本部:よろず支援拠点・生産性向上支援センターとは |
| 大阪府生産性向上支援センター | 中小企業・小規模事業者 | 現場に何度か訪問して、業務の見直しやデジタル活用に伴走する。生成AIの業務への使い方の案や、導入に向けた支援も挙げている | 大阪府生産性向上支援センター |
| OBDX(大阪デジタル・AI活用促進プロジェクト)のデジタル・AI活用相談 | 大阪府内に本社を置く中小企業 | コンサルタントが経営の状況を聞き、デジタル化とAIの導入に向けた課題の整理を手伝う。オンライン面談で1時間ほど、無料 | 大阪産業局:デジタル・AI活用相談 |
| 大阪産業創造館のDX推進相談窓口 | 創業者、中小企業(個人事業主を含む) | 専門家に無料で相談できる。相談の例に、AIの導入による生産性の向上を挙げている。メールでも面談でも相談できる | 大阪産業創造館:DX推進相談窓口 |
| 神戸市中小企業DXお助け隊 | 神戸市内の中小企業 | 相談と初期診断から、課題の洗い出し、ITツールの選定やAIの活用の支援、導入後の助言まで、アドバイザーが伴走する | 神戸市中小企業DXお助け隊 |
| ひょうご産業活性化センターのものづくり環境高度化等専門家派遣事業 | AIやIoTの活用に取り組む、兵庫県内のものづくり中小企業(対象の業種が決まっている) | IT専門家が会社を訪ねて、取り組みの段階に合わせた助言や計画の提案をする。無料。派遣する会社の数が上限に達すると受付を終える | ひょうご産業活性化センター:ものづくり環境高度化等専門家派遣事業 |
よろず支援拠点と生産性向上支援センターは、国が都道府県ごとに置いている相談先です。大阪府は大阪産業局が、兵庫県はひょうご産業活性化センターが運営していて、所在地の府県の拠点に相談します(よろず支援拠点全国本部:全国のよろず支援拠点・生産性向上支援センター一覧)。AIアドバイザーとして登録された人と、所属する拠点の一覧も公開されています(令和8年度AIアドバイザー登録者一覧表(PDF))。
市の中に、AIの専門家を派遣する仕組みがある地域もあります。たとえば豊中市は、豊中商工会議所と連携して、市内の事業者にAIの専門家(AIコンシェルジュ)を派遣しています(豊中市:AIコンシェルジュ派遣事業について)。市ごとの相談先は、大阪・兵庫・関西で相談できる公的な窓口の地域別まとめから、自社の所在地の記事を見てください。
1. 相談する:最初の窓口は、段階で決める
同じAIの相談でも、「何に使えるか分からない」段階と、「この業務で試したい」段階では、合う窓口が違います。迷ったら、次の表で今の段階に近い行を選んでください。
| 今の段階 | まず当たる窓口 |
|---|---|
| AIを何に使えるか、まだ分からない | 府県のよろず支援拠点(AIアドバイザー)。大阪府内に本社があれば、OBDXのデジタル・AI活用相談も |
| 人手が足りず、仕事の回し方から見直したい | 府県の生産性向上支援センター(現場への訪問がある) |
| 神戸市内の会社で、ツール選びまで続けて相談したい | 神戸市中小企業DXお助け隊 |
| 兵庫県内の工場で、AIやIoTを現場に使いたい | ひょうご産業活性化センターの専門家派遣 |
| 自社の市に、AIの専門家を派遣する仕組みがある | 市や商工会議所の窓口(市内の会社に限られることが多い) |
窓口では、AIの話だけでなく、会社の状況や困っている業務を聞かれます。相談の前に、次の4つを書いておくと、短い時間でも中身のある話になります。
- AIを使ってみたい業務と、その業務に今かかっている手間
- その業務で扱う情報(お客様の情報や、社外に出していない数字を含むか)
- すでに使っているツールや、契約しているAIのサービス
- 窓口に聞きたいこと(使える補助制度、次に行く窓口、試す業務の候補など)
2. 小さく試す:窓口で絞った業務を、1つだけ試す
窓口で課題を整理したら、すぐに大きく導入せず、1つの業務で小さく試します。AIアドバイザーの支援内容にも、AIを使える業務の整理や、社内文書やデータの準備が含まれています。試す業務と、AIに読ませる資料を、窓口と一緒に決めておくと、次の段階に進みやすくなります。
試すときは、AIが出した結果を人が確かめる時間まで含めて、元の手間と比べます。どの業務から試すかの基準は、AIで業務効率化するなら、どの業務から始めるかにまとめています。試す前に、入力してよい情報を決めておくことも大切です。社内で決めることは、生成AIを社内で使うときのルールの作り方にまとめています。
3. 補助を使う:契約の前に、条件と順番を確かめる
AIのツールを入れる費用には、国の「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)が使える場合があります。対象は、事務局に登録されたITツールで、このITツールにはAIを含むソフトウェアが入ります。公募要領と公式サイトで確かめた、使う前に知っておきたい点は次のとおりです(デジタル化・AI導入補助金2026:公式サイト、通常枠の公募要領(PDF))。
| 確かめること | 内容 |
|---|---|
| 誰と申請するか | 事務局に登録された「IT導入支援事業者」と一緒に申請する |
| 何が対象か | 事務局に登録されたITツール。AIを使っているかどうかを含む機能の概要は、公式サイトのITツール検索で確かめられる |
| 申請の前に要る手続き | GビズIDプライムの取得と、IPAの「SECURITY ACTION」の宣言(IPA:SECURITY ACTION) |
| 契約の時期 | 交付が決まる前にITツールを契約したり発注したりすると、補助の対象にならない |
補助の割合、上限、締め切りは、枠と回ごとに決まっています。申請を考える場合は、公式サイトで最新の内容を確かめてください。
市の補助金を使えることもあります。たとえば豊中市のAI促進補助金は、AIコンシェルジュの派遣を受けて提案された内容が対象で、補助金を申し込む前に派遣を受ける必要があります(豊中市:令和8年度AI促進補助金について)。神戸市には、経営者や従業員がDXの研修や講座を受ける費用を補助する制度があります(神戸市:中小企業DX推進支援補助制度)。どちらも、対象や受付の期間は公式ページで確かめてください。
補助金を使うつもりなら、依頼先と契約する前に、補助の条件を確かめます。国の補助金は、交付が決まる前に契約や発注をすると対象から外れます。市の補助金には、先に専門家の派遣を受けることが条件のものもあります。「先に契約してしまった」は、後から取り戻せません。
4. 依頼先を選ぶ:窓口で整理したことを持っていく
試してみて、業務の流れにつなぐ段階に進むなら、外部の会社に頼むことを考えます。依頼先の候補を課題から探したいときは、大阪府の「DX推進パートナーズ」が使えます。困りごとと、解決策を提案できる企業をつなぐ大阪府の仕組みで、大阪産業局のOBDXと連携しています。兵庫県など関西広域連合の府県の会社も相談できます(大阪府:DX推進パートナーズ)。
依頼先との最初の打ち合わせには、窓口で整理した課題と、小さく試した結果を持っていきます。試した結果があれば、依頼先の提案が自社の課題に合っているかを、具体的に比べられます。外部の会社に頼める中身と、選ぶときの基準は、AI導入支援とは。外に頼むと何をしてくれるのかにまとめています。
公的な窓口は、課題の整理や、ツールを選ぶまでの段階を手伝ってくれる場所です。業務の流れへの組み込みや、今のシステムとの連携、社内への定着まで続けて頼む場合は、依頼先を選ぶ段階に進みます。
私たちが、この順番をすすめる理由
bundlyzeでは、AIの導入を頼まれたとき、対象の業務を整理し、小さく試して出力を確かめてから、ツールとの連携や社内のルールづくりに進むようにしています。
私たちも、自社の社内業務の一部を、AIとプログラムで自動にしてきました。試す前に「AIの結果を誰が確かめるか」を決めておくことを、私たちはおすすめしています。続けるかやめるかを判断しやすくなるからです。公的な窓口で課題を整理してから相談に来ていただくと、この最初の整理の時間を短くできます。
拠点は大阪のグラングリーン大阪で、大阪・兵庫を中心に関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。技術責任者はAWSの認定資格を持ち、AIの活用を、システム開発と合わせて考えます。支援の中身は、AI導入支援・業務効率化のサービスにまとめています。
よくある質問
AIを使ったことがなくても、公的な窓口に相談できますか?
大阪と兵庫の両方に事業所がある場合、どちらの窓口に行けばいいですか?
補助金を使う場合、依頼先にはいつ声をかければいいですか?
まずは、自社の所在地の窓口を1つ選ぶ
大阪・兵庫には、AIの導入を、相談の段階から無料で手伝ってくれる公的な窓口があります。府県のよろず支援拠点のAIアドバイザーを入口に、大阪ならOBDX、神戸なら神戸市中小企業DXお助け隊のように、自社の所在地と今の段階に合う窓口を選んでください。
相談、小さく試す、補助の条件を確かめる、依頼先を選ぶ、の順番を守れば、AIの導入が、試しただけで終わることを防げます。まずは上の表から、相談する窓口を1つ選んでみてください。
ご相談
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「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。