この記事の結論
運送や倉庫、ものづくりなど、外から仕事の中身が見えにくい茨木の中小企業が、ホームページや採用ページ、業務のシステムを外に頼むときは、「会社の中の何を、誰に見せるか」を先に決めておくと、依頼先との話が具体的になります。茨木市の産業振興アクションプランでは、市内で働く人のうち運輸業・郵便業の割合が12.0%で、大阪府全体の6.0%の2倍です。市内の事業所に聞いた調査では、10人以上の事業所の7割以上が「人を確保する必要はあるが、確保できていない」と答えていて、市は「人材確保」と「認知度の向上」を重点の取り組みに挙げています。市が会社を一般の人に公開するオープンカンパニーを続けているのと同じように、Webでも会社の中を見せることが、茨木の会社の出発点だと私たちは考えています。
茨木の会社は、「仕事の中が外から見えない」ところから考える
「ホームページを作り直したい」「採用ページを作りたい」と依頼先に話すと、多くの場合、ページの見た目や載せる写真の話から始まります。けれど、倉庫や工場、配送の仕事をしている茨木の会社なら、その前に確かめておきたいことがあります。自社の仕事の中身が、働きたい人や新しい取引先から、どれくらい見えているかです。
茨木市が公表している産業振興アクションプランと、その元になった調査を確かめると、茨木には次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 茨木の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 市内で働く人のうち、運輸業・郵便業の割合が大阪府全体の2倍。市の中部と東部には大型の物流施設が集まっている | 茨木市「第4期茨木市産業振興アクションプラン」(令和3年経済センサス(活動調査)) | 自社の仕事が、外の人からどう見えているか |
| 10人以上の事業所の7割以上が、人を確保できていない。運輸業では人材不足を挙げる事業所が6割を超える | 同上(2023年の市内事業所の調査) | 採用ページで、仕事の中身と働き方をどこまで見せるか |
| 9人以下の事業所では、困っていることとして「顧客・取引先の減少」が最も多く挙げられた | 同上 | 新しい取引先に、何ができる会社かが伝わるか |
| 市は「人材確保」と「認知度の向上」を重点に置き、会社を一般の人に公開するオープンカンパニーを続けている | 同上、茨木市「いばらきオープンカンパニー」 | 見学に来られない人にも、Webで会社の中を見せられるか |
茨木は、物流と中堅の会社で働く人が多い街
茨木市の「第4期茨木市産業振興アクションプラン」(2025年度から2029年度まで)によると、2021年の経済センサス(活動調査)で、茨木市内で働く人は10万7,328人でした。産業別では、卸売業・小売業が22.3%、医療・福祉が16.1%、運輸業・郵便業が12.0%、製造業が10.3%で、この4つで全体の約6割になります。運輸業・郵便業の割合は大阪府全体では6.0%で、茨木はその2倍です。同じ表で、隣り合う吹田市は4.3%、高槻市は7.4%でした(茨木市:第4期茨木市産業振興アクションプラン、2026年10月2日確認)。
同じプランの資料編では、2016年から2021年までの5年間で、市内の事業所の数は334か所減った一方、働く人は5,004人増えています。増えた人数が最も多いのは運輸業・郵便業の2,462人で、次が学術研究、専門・技術サービス業の1,918人でした。反対に、宿泊業・飲食サービス業では1,654人減っています。
プランは、茨木の特徴として、交通の要所にあるため倉庫業などの流通に関わる企業が多く立地してきたこと、市の中部と東部に大型の物流施設が集まり一大物流拠点ができていること、彩都にライフサイエンス分野の研究や開発の拠点が集まっていることを挙げています。市内には立命館大学、追手門学院大学、梅花女子大学、藍野大学、大阪行岡医療大学の5つの大学があり、2万人以上の学生が通っているとも書かれています。
市の調査をまとめた報告では、市内の製造業で働く人が多い業種は、プラスチック製品製造業、金属製品製造業、食料品製造業の順でした。作っている現場を、一般の人が日常で目にすることは多くないはずです(茨木市:市内産業の概況分析、2026年10月2日確認)。
運送や倉庫、部品や材料を作る会社は、取引先や地域の暮らしを支えていても、仕事の中身が外から見えにくい会社です。私たちは、茨木にはそうした会社が多いことが、採用や新しい取引先探しのときの、見えない壁になっていると考えています。
市は、「人材確保」と「認知度の向上」を重点に置いている
アクションプランを作る前に、市は2023年8月に市内の事業所3,500か所に調査票を送り、923か所から回答を得ています。資料編にまとめられた結果のうち、Webに関わりそうなものは次のとおりです。
- 人の確保について「確保する必要はあるが、確保できていない」と答えたのは、従業員10人から49人の事業所で72.2%、50人以上の事業所で78.8%
- 困っていることに「人材不足」を挙げた事業所は、運輸業で65.8%、建設業で55.4%。運輸業では「人件費の高騰」も50.0%
- 従業員9人以下の事業所では、困っていることとして最も多く挙げられたのが「顧客・取引先の減少」(41.1%)
- 今後取り組みたいこととして、「自社や商品・サービスのPR強化」を挙げた事業所が34.9%、「人材の確保」が33.7%
- 事業に役立つ情報源は「顧客・取引先等からの口コミ」(38.8%)が最も多く、次が「インターネット・SNS」(28.0%)。インターネット・SNSは、2019年度の調査では上位5位に入っていなかった
プランは、小さな会社でも中規模の会社でも、働く人の減少や人材不足が課題で、今後さらに深刻になると見込んでいます。そのうえで、市内の会社を一般の人に公開する「オープンカンパニー」が、会社の魅力を伝える有効な方法だったとして、「人材確保の支援」と「認知度向上」を重点の取り組みに挙げています。認知度向上では、市の産業情報サイト「あい・きゃっち」での発信や、オープンカンパニーの継続が書かれています。
オープンカンパニーは「いばらき、クルクル。」という名前で開かれていて、2025年度には市内の14社が参加し、研究施設の見学や、大きなプレス機のスイッチを押す体験などが用意されました(茨木市:令和7年度いばらきオープンカンパニー「いばらき、クルクル。」、2026年10月2日確認)。
市が、会社の中を見てもらうことを人材確保の手段として重く見ているのは、仕事の中身が見えないことが、人が集まらない理由の1つになっていると考えているからだと私たちは読んでいます。そうであれば、自社のホームページや採用ページも、会社の中を見せる場所として作るのが自然です。見学の日に来られない人も、応募や取引を考えるときには、まずスマホで会社の名前を検索するからです。
Webで、見学に来られない人に会社の中を見せる
茨木の会社のホームページを読むのは、主に働きたい人と、新しい取引先の担当者です。私たちは、それぞれが知りたいことを、次の表のように分けて考えるとよいと考えています。
| 読み手 | 知りたいこと | ページに置くもの |
|---|---|---|
| 働きたい人(近くに住む人、市内の大学に通う学生など) | どんな場所で、どんな1日を過ごすのか。運転や力仕事がどれくらいあるか | 現場の写真、1日の流れ、勤務時間とシフト、通勤の方法 |
| 新しい取引先の担当者 | 何を、どの量で、どの範囲まで頼めるか | 扱う品や作れるもの、設備、対応できる地域と時間、問い合わせの窓口 |
| 近くに住む人 | 何をしている会社か。大きな車の出入りや音はどうなっているか | 冒頭の、ふだんの言葉で書いた一文と、地域との関わり |
働きたい人に向けては、仕事の「きつさ」を隠すより、何がどれくらいあるかを先に書いておくほうが、入ってからの行き違いが少なくなります。荷物の重さの目安、運転する車の大きさ、朝の早さ、休みの取り方など、見学に来た人が実際に見て確かめることを、写真と一緒に書いておきます。採用ページの組み立て方は採用サイトを作るなら。中小企業が応募を増やすために、先に決めることにまとめています。
取引先の担当者に向けては、「何でもできます」ではなく、対応できる範囲と、できない範囲を書きます。倉庫なら扱える品の種類や温度、運送なら対応できる地域と時間、ものづくりなら材料や加工の方法と、少ない数から作れるかどうかです。こうした情報は、検索やAIが「茨木で、こういうことを頼める会社」を答えるときの材料にもなります。会社の紹介の書き方は会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
店ではない会社でも、取引先や応募する人が地図で場所や入口を確かめることは多いはずです。大きな車で来る取引先なら、搬入の入口がどこかも大事な情報になります。Googleマップでの見え方はMEO対策とは。来店型のお店でない会社が、Googleマップに出るためにやることが参考になります。
茨木市内に事業所がある会社とお店は、市の産業情報サイト「あい・きゃっち」に登録して、自社の強みやPRの点を写真と一緒に載せられます。市の案内では、登録や更新に料金はかかりません(茨木市産業情報サイト「あい・きゃっち」:あい・きゃっちへようこそ、ご利用ガイド、よくあるご質問、2026年10月2日確認)。自社のホームページと、社名、住所、電話番号、仕事の説明の書き方をそろえておくと、検索やAIの答えでも同じ会社だと分かりやすくなります。
人の手が足りないなら、手間を減らす仕組みも一緒に考える
アクションプランは、2024年4月から自動車の運転の仕事に時間外労働の上限が設けられたことで、ドライバーの不足や運送費の上昇が心配される「2024年問題」が表に出てきたこと、国が2023年度に方針や指針をまとめ、運送会社だけでなく、運送を頼む側や荷物を受け取る側の会社にも取り組みを求めていることを書いています。
人を集めることと同じくらい、今いる人の手間を減らすことも、茨木の会社にとっては大事なテーマだと私たちは考えています。たとえば、電話やファクスで受けている注文や配送の依頼、紙やExcelで回している出荷の記録、担当者の頭の中にしかない段取りなどです。こうした仕事を仕組みにすると、取引先から見ても、頼みやすさや、問い合わせへの答えの速さが変わります。Excelでの管理が限界かどうかの見分け方はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインにまとめています。
市の調査では、「AI、IoTの利活用、DXの推進」を既に実施している事業所は5.3%、今後取り組みたい事業所は26.9%でした。どこから手をつけるかは、会社ごとに違います。ホームページ、採用ページ、業務の仕組みのどれを先にするかは、今いちばん困っているのが「人が来ないこと」なのか、「取引先が増えないこと」なのか、「今の人の手が回らないこと」なのかで決まります。
茨木で、依頼先を決める前に使える相談先
茨木には、依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。大阪府全体の窓口は大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方に、関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月2日) |
|---|---|---|
| ITやWeb、採用、広報のことを専門家に相談したい | 茨木商工会議所:専門家相談事業のご案内 | 「IT・デジタル・業務効率化・WEB採用」「広報・販促・ブランディング」などの分野から専門家を選べる。茨木商工会議所での対面か、オンラインで相談できる。会員か非会員かで、使える回数などの条件が違う |
| 何から手をつけるか、市の職員や専門家に会社に来てもらって相談したい | 茨木市:市職員による訪問希望事業所の募集について | 市の職員や中小企業経営アドバイザーが、市内の事業所を訪ねる。申し込み先は市の産業振興課 |
| 人の採用に困っている | 茨木市:中小企業等の人材確保支援総合相談窓口のご案内 | 大阪府内の中小企業の採用の課題について、大阪産業局が、課題の整理から採用活動までをまとめて支える窓口を案内している |
| 社員の研修や、外の専門人材の力を借りたい | 茨木市:人材育成支援事業 | 市内の中小企業が行う研修の受講や社内研修、国や府の事業で紹介された副業人材の活用にかかる費用の一部を補助する。個人事業主は対象外で、申請を考えるときは事前に窓口へ相談する |
| これから市内で創業する | 茨木市産業情報サイト「あい・きゃっち」:特定創業支援等事業 | 市が茨木商工会議所や金融機関と連携し、「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」の4つの分野の個別指導やセミナーを用意している。すべて受けると、市に支援を受けた証明書を申請できる |
補助の対象や上限、申請の時期は、年度ごとに変わることがあります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
依頼先や相談先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「いちばん困っているのは、倉庫で働く人が集まらないこと」「応募する人に見てほしいのは、荷物の重さと、朝の早さと、休みの取り方」「取引先には、扱える品と、対応できる時間を知ってほしい」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先や相談先への説明にも使えます。
依頼先には、誰に何を見せたいかと、いちばん困っていることを最初に伝える
依頼先を選ぶときに確かめたい点は、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、茨木の会社でも同じです。そのうえで茨木の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- いちばん困っているのは何か。人が来ないことか、取引先が増えないことか、今の人の手が回らないことか
- ページを読んでほしいのは誰か。働きたい人なら、どこに住み、どんな働き方を望む人か。取引先なら、どんな業種の担当者か
- 会社の中のどこまでを見せられるか。取引先との約束や、安全のために、写真や説明を出せない場所はあるか
この3つを聞いて、ページの見た目だけでなく、写真の撮り方や、仕事の中身の書き方、業務の仕組みまで提案が変わる相手かどうかが、茨木の会社の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、システム開発、AIの活用、採用ページの制作までを一社で対応しているので、働く人や取引先に見つけてもらうところから、今いる人の手間を減らす仕組みまでを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
倉庫や工場の中は、取引先との約束で写真を出せないことがあります。それでも会社の中を見せられますか?
茨木市の補助金で、採用ページやホームページの制作費を払えますか?
小さな会社でも、採用ページは別に作ったほうがいいですか?
誰に会社の中を見せるかが決まれば、作るWebが決まる
茨木の会社がホームページや採用ページ、業務の仕組みを外に頼むときは、運輸業や中堅の会社で働く人が多く、仕事の中身が外から見えにくいこと、多くの会社で人の確保が課題になっていること、市が会社の中を見せることを人材確保と認知度の向上の手段にしていることの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、茨木商工会議所の専門家相談や、市の産業振興課を頼れます。
まずは、見学に来た人に、会社のどこを見てほしいかを、一文で書き出すところから始めてみてください。
ご相談
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