この記事の結論
山口の中小企業がホームページや業務システムを外部に頼む前には、「いきなり全部を作るのではなく、どこまでを小さく試してから決めるか」と「試した結果を、何の数字で良し悪しを判断するか」の2点を決めておくと、依頼先との話がぶれにくくなります。
令和3年の経済センサスでは、山口県の民営事業所の56.3%が従業者1〜4人、19.9%が5〜9人で、私たちが計算すると、事業所の約76%が従業者10人未満です。
小さな会社では、社内にITに詳しい人を置きにくく、提案を受けても比べにくいことがあります。
山口県は、デジタル技術を見て、相談し、試せる場として、やまぐちDX推進拠点(Y-BASE、ワイ・ベース)を令和3年11月に開き、県内どの地域でもWeb会議でのオンラインのサポートを行っています。
依頼先が決まる前でも、国が設置する無料の相談所である山口県よろず支援拠点、県内の商工会議所・商工会が使えます。
bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
山口の会社は、頼む前に「どこまで試してから決めるか」と「何で判断するか」を決めておく
ホームページや業務システムの相談は、「問い合わせを増やしたい」「手作業を減らしたい」から始まるのがふつうです。
山口の会社の場合は、その手前で、県が公表している事業所の規模の数字と、県が用意しているデジタル技術を試せる場を一度見ておくことをおすすめします。
頼む前に何をしておけるかが、そこから決まってくるからです。
県の資料を読んで、私たちが依頼の前に押さえておきたいと考えた山口の事情は、次の3つです。
| 県の資料から分かること | 出典 | 頼む前に決めておくこと |
|---|---|---|
| 民営事業所の56.3%が従業者1〜4人。私たちの計算で、約76%が10人未満 | 山口県「令和3年経済センサス(活動調査)」の産業横断的集計 | 社内にITに詳しい人がいない前提で、提案をどう比べ、どう決めるか |
| 県は、デジタル技術を見て、相談し、試せるDX推進拠点を開いている | 山口県のDX推進拠点のページ | 頼む前に、どの技術を見て、何を試しておくか |
| ワイ・ベースのサポートは、県内どの地域でもWeb会議で受けられる | やまぐちDX推進拠点のサイト | 打ち合わせや確認を、どこまでWeb会議で進めるか |
山口の事業所の約4分の3は、従業者10人未満
山口県統計分析課がまとめた令和3年経済センサス(活動調査)の結果によると、2021年6月1日時点の県内の民営事業所は5万9,892事業所、従業者は57万4,259人でした。
事業内容等が不詳のものを除いた5万6,452事業所で見ると、1事業所あたりの従業者は10.2人です(山口県:令和3年経済センサス(活動調査)の産業横断的集計結果、結果の概要(PDF)、2026年10月3日確認)。
従業者の規模別では、「1〜4人」の事業所が3万1,790で全体の56.3%と最も多く、「5〜9人」が1万1,249(19.9%)、「10〜19人」が7,190(12.7%)と続きます。
同じ資料は、10人未満の事業所が全体の75%を超えているとしています。
私たちが2つの割合を足すと、約76%です。
産業別の事業所数では、「卸売業,小売業」が25.8%と最も多く、「宿泊業,飲食サービス業」と「建設業」がそれぞれ10.6%、「医療,福祉」が9.2%と続きます。
一方、従業者の数では、「卸売業,小売業」(20.0%)に次いで「製造業」(17.6%)が多く、製造業の1事業所あたりの従業者は31.2人と、産業の中で最も多くなっています。
ここから私たちが考えるのは、山口の会社の多くは、ホームページや業務の仕組みを、専任の担当者を置かずに、社長や事務の人が他の仕事と兼ねて考えている、ということです。
そうした会社では、制作会社や開発会社から提案を受けても、中身の良し悪しを判断しにくく、「見せてもらった画面がよさそうだったから」で決めてしまいがちです。
頼む前に、実物を見て、小さく試しておくと、比べる物差しが自分たちの中にできます。
県のDX推進拠点で、デジタル技術を見て、相談し、試せる
山口県は、令和3年11月1日に、やまぐちDX推進拠点「ワイ・ベース」を開設しました。
県のページは、「どんなデジタル技術があるのか分からない」「DXについて相談する人がいない」「デジタル技術を試す機会がない」「デジタル技術について学ぶ機会がない」といった課題を持つ人に、利用を呼びかけています。
何から手を付けたらいいか分からない人には施設見学を、具体的な課題や活用したいデータを持っている人には「DXコンサル・技術サポート」を申し込むよう案内しています(山口県:DX推進拠点と官民連携のコミュニティ、2026年10月3日確認)。
ワイ・ベースのサイトでは、AIや5Gなどのデモ展示で技術を体感できること、「デジタルを活用したいが、どうすればよいのかわからない」という相談からDXの実現までを専門スタッフがサポートすること、そのサポートを県内どの地域でもWeb会議によるオンラインで行うことを説明しています。
利用には事前の予約が必要で、初めてDXコンサル・技術サポートを使う場合は、施設見学と同様の内容になると書かれています(やまぐちDX推進拠点、拠点の紹介、ご利用について、2026年10月3日確認)。
ワイ・ベースが紹介しているDXコンサルの事例には、Excelに頼っていた生産・販売・顧客の管理を業務管理ツールに移した例や、電話で受けていた予約を予約管理システムに移した例、Excelへの転記や伝票作成を自動化した例などが並んでいます(やまぐちDX推進拠点:DXコンサルの事例、2026年10月3日確認)。
自社と似た困りごとの事例を読んでおくと、外に頼む前に「何ができそうか」の見当がつきます。
外に頼むときも、小さく試してから広げる
ワイ・ベースで見当をつけたあと、実際にホームページや業務の仕組みを外に頼む段階でも、いきなり全部を作るのではなく、小さく試してから広げる進め方が、社内に詳しい人がいない会社には合っている、と私たちは考えています。
| 試し方(私たちの考え) | 何を確かめるか | 判断に使う数字の例 |
|---|---|---|
| 出来合いのサービスの試用版を、1つの業務だけで使ってみる | 社内の人が、説明なしで使い続けられるか | 1件あたりの入力時間、転記の回数 |
| 業務システムの画面の試作を作ってもらい、実際のデータで触ってみる | 今の仕事の流れに合っているか。足りない項目はないか | 試作で回した件数と、出てきた修正の数 |
| ホームページの1ページだけを先に直して、問い合わせの変化を見る | 書き方を変えると、問い合わせが増えるか | ページを見た人の数、問い合わせの件数 |
| 問い合わせや予約の受付だけを先にフォームにする | お客様が迷わずに送れるか | 電話の件数、フォームから届いた件数 |
試した結果を判断する数字は、試す前に決めておきます。
後から決めると、「なんとなく良さそう」で次に進んでしまうからです。
出来合いのサービスで済ませるか作るかの判断はSaaSか、オーダーメイドか。
業務システム選びで迷ったときの判断基準に、ホームページの効果を見る方法はホームページで集客するには。
「人が来ない」を3つに分けて、手を打つ順番を決めるに書いています。
社内にWebの担当を置けない会社が、外部の人にどこまで任せるかは、Web担当がいない会社のための、外部Web責任者という選択肢が参考になります。
山口で、依頼先を決める前に使える相談先
山口県内の公的な窓口を、困っていることの種類ごとに並べました。
どれも、依頼先を決める前から使えます。
| こんなときに | 窓口 | 公式ページで確かめた内容(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| ホームページやIT活用を、何から始めるか相談したい | 山口県よろず支援拠点 | 国が設置している無料の相談所で、やまぐち産業振興財団が運営している。なるべくお金をかけないアドバイスや具体的な解決策を伝えているとしている。オンラインでも相談でき、事前の予約が必要 |
| 人手が足りず、現場の仕事の回し方から見直したい | 山口県よろず支援拠点:生産性向上支援センター | サポーターが現場を確認し、今の会社に合った「できること」から経営者と一緒に整理する。無料で複数回、現場を訪問して支援する |
| どんなデジタル技術があるか、見て確かめたい | やまぐちDX推進拠点、ご利用について | AIや5Gなどのデモ展示を見学できる。施設見学とDXコンサル・技術サポートは事前予約制で、来場とオンラインのどちらでも利用できる |
| 具体的な課題を、専門スタッフと一緒に考えたい | やまぐちDX推進拠点:拠点の紹介 | 「どうすればよいのかわからない」という相談からDXの実現までを専門スタッフがサポートする。県内どの地域でも、Web会議によるオンラインで対応する |
| 県の内外の人と、地域の課題をデジタルで考えたい | 山口県:DX推進拠点と官民連携のコミュニティ | 県が発足させた官民連携の会員制組織「デジテック for YAMAGUCHI」があり、会費無料と書かれている。会員は、ワイ・ベースの会議室やカウンター席などを使える |
| 近くの窓口で、続けて相談したい | 山口県:山口県内商工会議所 | 県のページに、下関、宇部、山口、防府、岩国、徳山など、県内14の商工会議所へのリンクがまとめられている |
県や国の補助金は、年度ごとに内容や受付の期間が変わり、受付を終えているものもあります。
制度を使うつもりなら、依頼先と契約を結ぶ前に、担当の窓口の公式ページで最新の条件を確かめておきます。
窓口や依頼先と話す日までに、「いちばん時間を取られている手作業を1つ」と「それが減ったかどうかを確かめる数字」をメモに書いておきます。
たとえば「電話の予約受付で、毎日1時間ほど事務の1人が手を止めている。電話の件数を数えれば分かる」「見積もりを作るのに、Excelから3回転記している。1件あたりの作成時間で比べられる」といった書き方で十分です。
同じメモで、ワイ・ベースで何を見ればよいか、依頼先に何を試してもらえばよいかを相談できます。
依頼先には、試す範囲と判断の物差しを最初に伝える
県内の会社に頼むか、大阪など県外の会社に頼むかは、どちらが正しいということはありません。
比べるときの物差しは、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方に書いたものが、山口の会社でもそのまま使えます。
頼む前に書き出しておきたいことは、要件定義とは。
システム開発で決めること、要件定義書に書く項目、発注する側の進め方にまとめています。
そのうえで、候補の会社との最初の打ち合わせでは、この記事の事情に沿って、次のことを話してみてください。
- 社内に、ITに詳しい人がいるかどうか。誰が窓口になり、誰が使うか
- いきなり全部を作らず、どこまでを小さく試してから決めたいか
- 試した結果を、何の数字で判断したいか
試す範囲や判断の数字の話をしたときに、全部を一度に作る提案だけでなく、段階を分けた進め方を示してくれる相手なら、山口の会社の事情を踏まえて考えてくれていると判断できます。
bundlyzeでは、ホームページや業務システムを作るときに、どこまでを先に試し、何で判断するかを、作る前の打ち合わせで一緒に決めるようにしています。
この記事を書いている技術責任者の津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアです。
SEO・LLMOの対策からホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、小さく試すところから、効果を確かめて広げるところまで、分けずに一緒に考えられます。
山口の会社とはWeb会議を中心に進め、対面での打ち合わせは日程を相談して決めます。
顔を合わせて相談したいことは、県内の窓口とあわせてお使いください。
よくある質問
社内にITに詳しい人がいなくても、ホームページや業務システムを頼めますか?
県のDX推進拠点には、出向かないと相談できませんか?
山口の会社が、大阪の会社にホームページやシステムを頼んでも大丈夫ですか?
試す範囲と判断の物差しが決まれば、頼む中身が決まる
山口の会社が外部に頼む前にできることは、思ったより多くあります。
事業所の約4分の3が従業者10人未満という前提で、社内に詳しい人がいなくても判断できるように、どこまでを小さく試してから決めるかを決めておく。
試した結果を、事前に決めた数字で判断する。
この2つがそろうと、依頼先に頼む範囲と、社内に残す仕事がはっきりします。
途中で迷ったら、やまぐちDX推進拠点や、山口県よろず支援拠点、地元の商工会議所・商工会に持ち込めます。
同じ中国地方の会社向けには、広島の会社がWebやシステムを頼む前に、岡山でホームページ制作やシステム開発を頼む前に、島根の会社がWebやシステムを頼む前に、鳥取の会社がWebやシステムを頼む前にも書いています。
九州にも取引先がある会社は、福岡の会社がWebやシステムを頼む前にもあわせて確かめてください。
最初の一歩は、いちばん時間を取られている手作業を1つ選び、1週間分の件数を数えてみることです。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。