この記事の結論
ホームページの保守で制作会社に頼むことは、文章や写真の更新作業、CMSとプラグインの更新、SSL証明書とドメインの期限の管理、バックアップ、止まったときの連絡、計測が動いているかの確認、そして契約の範囲と解約するときの引き渡しです。
「保守費」という一つの名前の中に、どれが入っていて、どれが別なのかは会社ごとに違います。
項目ごとに、誰がやるか、どの頻度か、終わったことをどう知らせてもらうかを決めておくと、頼んでいるつもりで誰も見ていなかった、という穴がふさがります。
業務システムの保守と比べると、ホームページの保守は不具合を直す仕事より、期限と更新を切らさずに見張る仕事の比重が大きくなりがちです。
ホームページの保守は、見張る仕事の比重が大きい
ホームページの保守というと、「何かあったら直してもらう契約」と受け取られることがあります。
ただ、ホームページで見落としやすいのは、壊れたときの対応より、期限が切れることや、更新が当たらないまま古くなることのほうです。
証明書やドメインには期限があり、CMSやプラグインには修正が次々に出ます。
誰も見ていなければ、ある日、警告が出たり、表示が崩れたり、問い合わせが届かなくなったりします。
業務システムの保守では、不具合を直す範囲、止まったときに何時間で対応するか、毎月の報告、契約が終わったときに受け取るものが中心になります。
この4つの確かめ方はシステムの保守契約で確かめることに書いたので、ここでは繰り返しません。
この記事では、ホームページに特有の項目を、頼むときに決めることの順に並べます。
| 頼む項目 | 決めておくこと |
|---|---|
| 更新作業 | どこまでを頼むか、頼み方、反映までの日数 |
| CMS・プラグインの更新 | 誰が当てるか、当てた後に何を確かめるか |
| SSL証明書・ドメインの期限 | 誰が見張るか、通知が誰に届くか |
| バックアップ | 何を、どこに、何回分残し、戻せることを確かめているか |
| 障害時の連絡 | 誰が気づき、誰に、どの手段で知らせるか |
| 計測の確認 | 更新の後に、計測が届いているかを見るか |
| 契約の範囲と解約時 | 含まれる作業、やめるときに受け取るもの |
更新作業は、頼み方と反映までの日数を決める
保守の契約に「軽微な更新」と書かれていても、軽微の中身は契約ごとに違います。
お知らせの1件、電話番号の差し替え、写真の入れ替え、ページの追加。
どこまでが保守の中で、どこからが別の見積もりになるかを、実際にありそうな依頼を2〜3個挙げて聞いておくと、後で迷いません。
あわせて、頼み方(メールか、決まったフォームか)と、頼んでから反映されるまでの日数を決めます。
営業時間や休業日の変更のように、変わった日に直したいものがあるからです。
社内で直すものと頼むものの分け方は、ホームページの更新は、誰がどう直すかにまとめています。
CMS・プラグインの更新は、当てた後の確認まで頼む
WordPressなどのCMSを使っているなら、本体やプラグインの更新を誰が当てるかを決めます。
当てる頻度だけでなく、当てた後に、表示が崩れていないか、フォームから送れるかを誰が確かめるかまで決めておきます。
更新そのものより、更新の後に何かが動かなくなったことに気づかないほうが、損が大きくなりやすいからです。
WordPressの更新の手間と分担は、WordPressのデメリットは、作った後の更新にあるで詳しく書きました。
私たちのサイトはCMSを使っていませんが、記事を書き出して公開するたびに、同じ種類の確認をしています。
2026年10月5日には、本番用の書き出しが途中で止まったまま公開の作業に進んでしまい、記事のページは出たものの、一覧などのページが古いままになりました。
書き出し直して同じ日に直し、それからは、書き出しが最後まで終わったことを示す行を見てから公開することにしています。
保守を頼むときも、更新の後に何を見てから「終わりました」と言うのかを、相手に聞いておくと安心です。
SSL証明書とドメインの期限は、通知の宛先まで決める
SSL証明書とドメインは、期限が切れると、警告が出たりサイトが開けなくなったりします。
保守で決めておくのは、誰が期限を見張るか、更新の通知がどのアドレスに届くか、自動で更新される設定になっているか、の3つです。
ドメインは、うっかり手放したときの影響が特に大きいものです。
JPドメイン名を管理するJPRSは、廃止されたドメイン名は一定の期間が過ぎると第三者が登録できるため、詐欺サイトなどに使われるおそれがあり、メールアドレスに使っていた場合はなりすましにも使われ得ると注意しています(JPRS:ドメイン名の廃止に関する注意、2026-10-06 確認)。
更新の通知が、担当をやめた人や制作会社だけに届いていないかを確かめておきます。
証明書は、私たちのドメインでも、wwwなしのアドレスの分だけが自動で更新できない形になっていたことがあり、自動で更新される仕組みに移しました。
切れたときの直し方と移し方はSSL証明書の期限切れに書いています。
バックアップは、取っているかより、戻せるかを聞く
IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、2026年3月に公開した第4.0版で、「情報セキュリティ5か条」に「バックアップを取ろう!」を加え、6か条にしました。
同じ版で、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」の項目に「ウェブサイトを安全に運用する」も加わっています(IPA:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン、2026-10-06 確認)。
保守の契約に「バックアップあり」と書いてあっても、それだけでは足りません。
聞いておくのは、何を残しているか(ページのファイル、CMSのデータベース、画像、フォームで受け付けた記録)、どこに残しているか(同じサーバーの中か、別の場所か)、何回分さかのぼれるか、そして、実際に戻してみたことがあるかです。
同じサーバーの中にしかないバックアップは、そのサーバーの契約が止まると一緒に使えなくなります。
私たちのサイトは、原稿と書き出したページを、gitという変更履歴の記録に残しています。
いつ、どのページを、どう変えたかが1件ずつ残っているので、前の状態を取り出せます。
仕組みは会社ごとに違ってよく、要は、戻したいときに誰が、どこから、どれくらいで戻せるかが答えられることです。
障害時の連絡は、気づく人と知らせ方を決める
サイトが開けない、フォームが届かない、といったことが起きたときに、誰が最初に気づくのかを決めておきます。
制作会社が見張りの仕組みを持っているのか、社内の人が気づいて連絡するのか。
後者なら、連絡先、受付の時間、電話かメールかを、社内の誰もが分かる場所に書いておきます。
直った後に、何が原因で、いつからいつまで止まっていたかを知らせてもらえるかも聞いておきます。
止まっていた間に届かなかった問い合わせがないかを、社内で確かめる材料になるからです。
フォームを見張る方法は予約・問い合わせフォームが止まっていないか、見張る方法にまとめました。
止まったときに何時間で対応してもらうかの決め方は、業務システムの保守と同じなので、上のシステムの記事を見てください。
計測の確認を、保守に入れるかを決める
アクセス解析のタグは、サイトを更新したときに消えたり、二重に入ったりすることがあります。
全ページで1か所から入れる方法は全ページの計測タグを、1か所で管理する方法に書きました。
計測が止まっても、サイトの見た目は何も変わらないので、誰かが見に行かないと気づけません。
更新の後に計測が届いているかを確かめるのが保守に入るのか、入らないなら社内の誰が見るのかを決めておきます。
私たちも、自分のサイトの計測で2つの抜けに気づきました。
1つは、手元で表示を確かめていたときのアクセスが、本番の数字に混ざっていたことです。
2026年10月6日に、手元の確認では計測のタグを外すよう直しました。
もう1つは、ボタンに付けた目印を数える設定が、計測のツールの側でまだ済んでいないことです。
ボタンのクリックは、まだ数字として取れていません。
どちらも、サイトの見た目からは分かりませんでした。
計測のアカウントは、保守を頼むかどうかとは別に、会社の名義で持っておくものだと私は考えています。
契約の範囲と、解約するときの引き渡しを書面にする
最後に、ここまでの項目のうち、保守費に含まれるもの、別の見積もりになるもの、頼まずに社内でやるものを、1枚に書き分けます。
月ごとに作業の時間や回数の上限がある契約なら、その数え方も確かめます。
毎月、何をしたかの報告があるかも聞いておくと、保守費に見合う作業がされているかを、社内で確かめられます。
あわせて、保守をやめるときに受け取るものを、始める前に決めておきます。
ドメインとサーバー、CMSの管理者のアカウント、計測のアカウント、ページや画像の元データ、そしてバックアップです。
やめ方の決め方と、名義を会社で持つ理由は、ホームページを外注しても、手放さないものに詳しく書いたので、契約の前に合わせて読んでみてください。
よくある質問
ホームページの保守では、何を頼めばいいですか?
ホームページの保守と、業務システムの保守は何が違いますか?
保守契約を結ばずに、自社で見てもかまいませんか?
バックアップがあると言われました。確かめることはありますか?
bundlyzeは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社のホームページ制作と、公開した後の運用を受け持っていて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、このサイトの更新・期限・計測の見張りも自分で受け持っています。
まずは、いまの保守契約の書面を出して、上の表の7つの項目のうち、書いてあるものに印を付けてみてください。
ご相談
ホームページやLPについて、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。