この記事の結論
広島の中小企業がWeb集客やシステム、AIの活用を外部に任せる前には、「ホームページを、お客様に加えて働く人の候補にも見つけてもらえる形にするか」と「人が増えにくい前提で、どの仕事をシステムやAIに任せるか」の2点を決めておくと、依頼先との話がぶれにくくなります。総務省の2025年の人口移動報告では、広島県の転出超過数は9,921人で、都道府県の中で最も多い数字でした。広島県の調査では、転出超過の8割以上を10代から30代が占めています。同じ調査は、県内の働く人の数は増えていて、仕事がないから人が出ていくわけではないこと、BtoBの分野に優良な企業が多いのに学生に知られていないことを指摘しています。依頼先が決まる前でも、無料で回数の制限なく相談できる広島県よろず支援拠点、県のDX推進のポータルサイト、地域の中小企業支援センターや商工会議所・商工会が使えます。
広島の会社は、頼む前に「誰に見つけてもらうか」と「人が増えない前提での回し方」を決めておく
ホームページや業務システムの相談は、「集客を増やしたい」「手作業を減らしたい」から始まるのがふつうです。広島の会社の場合は、その手前で、人の流れについて県が公表している数字を一度見ておくことをおすすめします。サイトを誰に向けて作るか、どの仕事を仕組みに任せるかが、そこから決まってくるからです。
国と県の資料を読み比べて、私たちが依頼の前に押さえておきたいと考えた広島の事情は、次の3つです。
| 公的な資料から分かること | 出典 | 頼む前に決めておくこと |
|---|---|---|
| 2025年の転出超過数は9,921人で、都道府県の中で最も多い。転出超過の8割以上は10代から30代 | 総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」、広島県「若年層の社会減少要因調査分析について」 | 今いる人数のままで、受注や問い合わせ、事務の仕事を回せるか |
| 県内の働く人の数は増えている。BtoBの分野に優良な企業が多いのに、学生に存在を知られていない | 広島県「若年層の社会減少要因調査分析について」 | 自社のホームページに、何を作り、誰の役に立っている会社かが書いてあるか |
| 県外に就職した学生は、民間の就職支援サイトや各社のホームページで情報を集める割合が比較的多い | 同上 | 採用の情報を、求人サイトだけでなく、自社のサイトにも置いているか |
若い世代の転出が、全国で最も多い県
総務省の「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」によると、転出超過数は広島県が9,921人で最も多く、次いで福島県、静岡県、新潟県でした。同じ報告で、日本人の移動を地域ごとに見ると、大阪圏は広島県との間で2,807人の転入超過になっています(総務省統計局:住民基本台帳人口移動報告 2025年結果の概要(PDF)、2026年10月1日確認)。
広島県が令和6年10月にまとめた「若年層の社会減少要因調査分析について」は、転出超過のうち10代から30代が全体の8割以上を占め、40代までで転出超過はほぼ収まると書いています。2023年の転出超過は、1999年以降で最も多かった2001年を上回る水準でした。転出者の数が高止まりする一方で、転入者が減っていることが理由として挙げられています。地域別では、東京圏・名古屋圏・大阪圏と福岡県への転出超過が広がっていて、特に大阪圏への転出超過の広がりが目立つとしています(広島県:若年層の社会減少要因調査分析について(PDF)、2026年10月1日確認)。
同じ調査は、大学進学、新卒の就職、20代後半から40代のUターン・Iターンの3つを、転出超過の大きな波として挙げています。若い人が出ていく流れが続く県では、人を増やして仕事を回すやり方は取りにくくなる、と私たちは考えています。採用に力を入れることと、少ない人数でも回る仕事の形を作ることを、同時に進める必要があります。
知られていないのは、会社の中身。ホームページは、学生が自分で調べに来る場所
県の調査には、外部に頼む前に読んでおきたい指摘があります。まず、県内の働く人の数は増えていて、「少なくとも量的に仕事がないから人が流出している、という状況ではない」と書かれています。そのうえで、BtoBの分野に優良な企業が多いにもかかわらず、その存在を知らない学生が多いこと、多様で競争力のある企業の存在と業務の内容を知ってもらうことが大事だとまとめています(同PDF、2026年10月1日確認)。
就職先で県外に出た学生の情報の集め方も調べられています。成長を重視して就職先を選ぶ層では、県外に出た人は、県内に残った人と比べて、「民間の就職支援サイト」「各社のホームページ」「学校のOB・OG」で情報を集めた割合が比較的多く、大学のキャリアセンターの利用は少なかったとされています。調査は、就職活動の序盤に、就職支援サイトや業界大手のホームページを見ているうちに、都会の大企業が選択肢の中心になり、県内の企業が候補に入らないのではないか、と推定しています。
取引先の会社にだけ向けて作ったホームページは、業界の外の人が読むと、何をしている会社なのかが分かりにくいことがあります。県の調査を読むと、広島の会社のホームページは、お客様や取引先に加えて、働く人の候補が自分で調べに来たときに読める形にしておく価値がある、と私たちは考えています。読む人ごとに、サイトに書いておきたいことを並べると、次のようになります。
| 読む人 | 相手が最初に知りたいこと | サイトに書いておくこと |
|---|---|---|
| 新卒の学生(県外の大学に通う人を含む) | 何を作り、誰の役に立っている会社か。自分が成長できそうか | 専門外の人にも分かる言葉での事業の説明。入社してからの仕事の流れと、任される範囲 |
| 20代後半から40代の転職を考える人(Uターン・Iターン) | 今の経験が生かせるか。暮らしと両立できるか | 中途で入った人の仕事の内容。勤務地と働き方の条件 |
| 取引先やお客様 | 頼める内容と、対応できる範囲 | 扱う製品やサービス、対応している地域、問い合わせの受け方 |
求人サイトに載せた求人を読んだ人も、最後は会社の名前で検索して、ホームページを確かめに来ます。会社の説明が、検索やAIの答えで正しく伝わる書き方は、会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
人が増えにくい前提で、どの仕事をシステムやAIに任せるかを決める
採用の情報を整えても、若い人の転出が続く県で、すぐに人が増えるとは限りません。業務システムやAIの活用を外に頼むなら、「今の人数で回したい仕事」から決めておくと、作るものの大きさがぶれにくくなります。
| 書き出しておくこと | 例 | 依頼先と話すときに使う場面 |
|---|---|---|
| 毎週、同じ手順で繰り返している仕事 | 受注の入力、見積もりの作成、日報の集計 | システムやAIに任せられる範囲を決めるとき |
| 特定の人しかできない仕事 | 単価の決め方、取引先ごとの決まりごと | その人が休んだり辞めたりしても回る形を作るとき |
| 採用や問い合わせの窓口の仕事 | 応募者への返信、会社見学の日程調整 | ホームページから入ってきた連絡を、誰がどう受けるかを決めるとき |
どの業務からAIに任せるかの選び方は、AIで業務効率化するなら、どの業務から始めるか。選び方の4つの基準に書いています。システムを作る場合は、要件定義とは。システム開発を頼む前に、発注する側が準備することは、書き出したメモを依頼の形に整えるときに役立ちます。
広島で、依頼先を決める前に使える相談先
広島県内の公的な窓口を、困っていることの種類ごとに並べました。どれも、依頼先を決める前から使えます。
| こんなときに | 窓口 | 公式ページで確かめた内容(2026年10月1日) |
|---|---|---|
| Web集客やAI、DXを、何から始めるか相談したい | 広島県よろず支援拠点 | 国が設置した無料の経営相談所で、回数の制限はない。広島本部と福山サテライトでの対面、Teams・Zoomでのオンライン、電話、メールで相談できる。相談の例に、SNS・AI・DXの活用やデジタルマーケティングを挙げている |
| 人手が足りず、現場の仕事の回し方から見直したい | 広島県よろず支援拠点:生産性向上支援センター | 専門家が現場を訪ねる伴走型の支援で、無料、回数の制限なし。広島と福山の2拠点から県内全域に出向く。相談の例に、情報共有の効率化、採用と定着、AIの活用を挙げている |
| 県のDXの支援制度や事例を、まとめて探したい | 広島県DX推進コミュニティ、DX簡易診断ツール | 県の商工労働局が運営するポータルサイト。約5分の簡易診断で自社の課題を確かめ、参考になる事例や、補助金・相談窓口などの支援メニューを探せる |
| 工場の生産工程をデジタル化したい | スマートファクトリー推進支援センター | 県のDX推進コミュニティで、製造業の生産工程のデジタル化に特化した専門の相談窓口として紹介されている |
| ITの使い方を、中立的な立場の専門家に聞きたい | IT経営サポートセンター | 中小企業基盤整備機構の窓口で、県のDX推進コミュニティでも紹介されている。オンラインで1回60分、何回でも無料。DX・AIの活用や情報セキュリティの相談にも応じる |
| 新卒の採用のやり方を見直したい | 広島県:採用手法向上ハンズオン支援補助金 | 新卒の大学生の採用を定期的に行う県内の中小企業が対象。インターンシップや内定辞退の抑制などで、コンサルタントの伴走支援にかかる経費を補助する。随時募集と書かれている。条件は公式で最新を確認 |
| 求人を、県の求人サイトにも載せたい | ひろしまワークス、広島県:採用活動をしたい事業主の皆様へ | 県が運営する求人情報サイトで、県内の法人・事業所は新卒・中途の求人を無料で載せられる。県の採用支援の一覧からも探せる |
| 近くの窓口で、経営の相談を続けたい | 広島県:地域中小企業支援センター、広島市中小企業支援センター | 呉・尾道・福山・三次・東広島の5か所にあり、窓口相談は無料。広島市を含む県西部は、広島市中小企業支援センターが受けている |
| 地元の商工団体に相談したい | 広島県:商工会議所の相談窓口、商工会の相談窓口 | 県内13の商工会議所と、各地の商工会の連絡先を、県のページで確かめられる |
県や国の補助金は、年度ごとに内容や受付の期間が変わり、受付を終えているものもあります。制度を使うつもりなら、依頼先と契約を結ぶ前に、担当課や窓口の公式ページで最新の条件を確かめておきます。国の「デジタル化・AI導入補助金」の条件は、公式サイトで確かめられます。
窓口に行く日までに、「自社のホームページで、何をしている会社か、業界の外の人に伝わるか」と「今の人数のまま1年続けたら、どの仕事が回らなくなるか」をメモに書いておきます。たとえば「事業の説明は取引先向けの専門用語だけ」「採用の情報は求人サイトにしか載せていない」「受注の入力は1人しかできない」といった書き方で十分です。同じメモは、依頼先との最初の打ち合わせにも使えます。
依頼先には、見つけてもらいたい相手と、任せたい仕事を最初に伝える
県内の会社に頼むか、大阪など県外の会社に頼むかは、どちらが正しいということはありません。比べるときの物差しは、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方に書いたものがそのまま使えます。
候補の会社との最初の打ち合わせでは、この記事の事情に沿って、次のことを話してみてください。
- ホームページを、お客様や取引先のほかに、働く人の候補にも読んでもらいたいか。読んでもらいたいなら、どの年代の、どんな人か
- 事業の説明を、業界の外の人にも分かる言葉で書き直す手伝いを、どこまで頼めるか
- 今の人数のままで回したい仕事はどれか。その仕事を、システムやAIにどこまで任せ、どこから人がやるか
サイトの見た目より先に、誰に読んでもらうかと、事業をどう説明するかを聞いてくる相手なら、広島の会社の事情を踏まえて考えてくれていると判断できます。任せたい仕事の話をしたときに、今の手順を聞き取ってから作るものを決めようとするかも、比べるときの材料になります。
bundlyzeでは、ホームページを作るときに、お客様向けの説明と、働く人の候補向けの説明を分けて考え、業界の外の人が読んでも事業が分かる言葉にすることを、作る前の打ち合わせで一緒に決めるようにしています。拠点は大阪(グラングリーン大阪)で、関西を中心に、西日本や全国の会社のご相談にオンラインで応じています。扱う分野は、検索やAIの答えに出るためのSEO・LLMO対策から、Web広告、ホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用まで広がっています。
よくある質問
広島県よろず支援拠点には、広島市まで行かないと相談できませんか?
採用のためにホームページを直すのは、求人サイトに載せるのと何が違いますか?
広島の会社が、大阪など県外の会社にWebやシステムを頼んでも大丈夫ですか?
誰に見つけてもらい、何を任せるかが決まれば、頼む中身が決まる
広島の会社が外部に頼む前にできることは、思ったより多くあります。若い世代の転出が全国で最も多い県だという前提で、ホームページを、お客様と働く人の候補の両方が読める形にする。人が増えにくい前提で、今の人数で回したい仕事を書き出し、システムやAIに任せる範囲を決める。この2つがそろうと、依頼先に頼む範囲と、社内に残す仕事がはっきりします。途中で迷ったら、広島県よろず支援拠点や県のDX推進コミュニティ、地域の中小企業支援センター、商工会議所・商工会に持ち込めます。
岡山にも取引先がある会社は、岡山の会社がWebやシステムを頼む前に。県外へ広がる商圏と、止まったときの備えもあわせて確かめてください。最初の一歩は、自社のホームページを、業界の外の人の目で読み直してみることです。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。