この記事の結論
福山の部品や素材の会社がホームページ制作を頼むときは、デザインの前に、「完成品に自社の名前が出ない技術を、新しい取引先の担当者がどんな言葉で探すか」を決めておくと、依頼先との話が具体的になります。
福山市の産業振興アクションプランは、市の地域資源には素材や部品が多く、それを使った最終製品のブランドのほとんどが産地を公開していないため、PRが難しいと書いています。
2021年の経済センサスでは、福山市の民営事業所で働く人のうち製造業は43,944人で、産業の中で最も多く、私たちが計算すると全体の約2割です。
取引先の名前を出せなくても、加工の方法、扱える素材と大きさ、少ない数から頼めるかは書けます。
依頼先を決める前でも、福山市が設けたFuku-Bizに、ホームページやSEOを受け持つアドバイザーがいて、備後圏域9市町の会社が何度でも無料で相談できます(2026年10月3日確認)。
福山の技術は、完成品の陰に隠れやすい
福山市が2022年3月に策定し、2025年1月に一部を修正した「福山市産業振興アクションプラン」には、ホームページを作る前に読んでおきたい一節があります。
備後絣とその製造で培われた染色や織布、縫製の技術はデニムに受け継がれているとしたうえで、市の地域資源は素材や部品などが多く、それを使った最終製品をつくるブランドのほとんどが産地を公開していないので、PRが難しくなっている、と書かれています(福山市:「福山市産業振興アクションプラン」の策定について、アクションプラン(PDF)、2026年10月3日確認)。
同じ計画は、優れた技術やノウハウを持ちながら商品化や事業化に結び付けられず、ビジネスの機会を逃してしまう企業があることや、開発した技術や製品を周知する機会が少ないことも課題に挙げています。
市が20代から70代を対象に行った調査では、デニムの知名度は、2023年度に首都圏で16.0%、市内で42.4%でした。
市が産地として発信を続けてきたデニムでも、この数字です。
部品や素材の一つひとつの技術となれば、自分から書いて出さない限り、取引先の候補の目に入る機会はさらに少ない、と私たちは見ています。
小さな工場が多いから、問い合わせを受ける人まで決めておく
福山市の「統計ふくやま」2025年版に載っている2021年の経済センサス(活動調査)では、市内の民営事業所は20,353か所、働く人は213,285人でした。
このうち製造業は2,315か所、43,944人で、働く人の数は卸売業・小売業(43,546人)や医療・福祉(31,218人)を上回り、産業の中で最も多くなっています。
私たちが計算すると、製造業は事業所の数で約11%、働く人の数で約21%です(福山市:統計ふくやま2025年(令和7年)、全体版(PDF)、2026年10月3日確認)。
2012年と比べると、製造業の事業所は2,764か所から2,315か所に減りましたが、働く人は45,487人から43,944人と、私たちの計算では約3%の減少にとどまっています。
事業所は約16%減っているので、1か所あたりの働く人は、私たちの計算で約16人から約19人に増えています。
それでも、同じ資料の工業の表では、2021年の従業者4人以上の製造業の事業所1,136か所のうち、890か所が4人から29人の規模で、約8割を占めます。
業種の中分類では、繊維工業(176か所)、生産用機械器具製造業(150か所)、金属製品製造業(148か所)の順に多くなっています。
人数の少ない工場では、営業と製造と事務を同じ人が受け持っていることがよくあります。
ホームページから知らない会社の問い合わせが来たとき、誰が読み、何日以内に返すかが決まっていないと、せっかくの問い合わせが机の上で止まってしまいます。
制作会社に頼む前に、問い合わせを受ける人と、図面や数量など最初に聞きたいことを決めておくと、フォームの項目までそのまま決まります。
取引先の名前を出さずに、何ができるかを書く
完成品に自社の名前が出ないなら、新しい取引先の購買や設計の担当者は、加工の方法や素材の名前、扱える大きさで検索して、自社のサイトにたどり着くしかありません。
私たちは、福山の会社のホームページは、納め先や製品名を伏せたままでも、何ができるかが伝わる形にしておく価値があると考えています。
読む人によって、最初に知りたいことは違います。
| 読む人 | 相手が最初に確かめたいこと | ページに書いておくこと |
|---|---|---|
| 新しい取引先の購買や設計の担当者 | 自社の図面や仕様の部品を、作れる会社か | 加工の方法、扱える素材と大きさ、少ない数から頼めるか、図面の送り方 |
| 担当が替わったばかりの、今の取引先の人 | これまでの取引の中身と、相談の窓口 | 主な技術の説明と窓口。名前を出せない取引は「〇〇向けの部品」のように分野で書く |
| 自社の製品を探している人 | どこで買えるか、どう使うか | 製品の説明と、取扱店や問い合わせの案内 |
取引先との約束で、納め先や完成品の名前を書けないことは多いはずです。
それでも「どの分野の、どんな部品を、どの工程で作っているか」は書けることがほとんどです。
どこまで書いてよいかは、取引先との約束の範囲で決めてください。
私たち自身も、このサイトではお客様の名前や、どの会社か分かってしまう書き方をしない決まりで記事やサービスのページを書いています。
名前を出せない代わりに、何をどこまでできるか、できないことは何かを具体的に書くようにしています。
福山の部品の会社でも、同じ考え方が使えるはずです。
加工の方法や対応できる数を、取引先の担当者に向けて書く手順は、東大阪の町工場が、Webで新しい取引先に見つけてもらうために最初に整えることにまとめていて、福山の工場にもそのまま使えます。
電話で何度も聞かれる質問は、よくある質問ページの作り方を参考にページにしておくと、少ない人数で問い合わせに答える助けになります。
会社の説明を、検索やAIの答えで取り違えられない書き方は、会社概要ページに書く項目と書き方にあります。
制作会社との最初の打ち合わせまでに、自社の技術を、取引先の名前を出さずに3行で書いてみてください。
たとえば「アルミの部品を、試作の1個から削り出せる」「長さ2mまでの板を曲げられる」のような書き方です(どちらも、書き方を示すために私たちが作った例で、特定の会社の話ではありません)。
その3行に、取引先の担当者が検索しそうな言葉が入っているかを、依頼先と一緒に確かめるところから始められます。
依頼先を選ぶときに、福山の会社が聞いておきたいこと
備後の会社に頼むか、大阪など県外の会社に頼むかは、どちらが正しいということはありません。
工場や設備の撮影が何度も要るなら、近い会社のほうが動きやすいでしょう。
打ち合わせの多くをWeb会議で済ませられるなら、距離より、次の3つの質問への答えで比べるほうが確かだと私たちは考えています。
- 取引先の名前を出せない部分を、分野や工程の説明でどう補うか。原稿は誰が書くか
- 新しい取引先の担当者が使いそうな検索の言葉を、ページの見出しや本文にどう入れるか
- 問い合わせが届いたとき、誰に、どんな形で知らせるか。フォームが止まったら誰が気づくか
見た目の話より先に、誰に見つけてもらいたいかと、取引先との約束の範囲を聞いてくる相手なら、福山の会社の事情を踏まえて考えてくれていると判断できます。
原稿の進め方はホームページの原稿が書けないときの進め方、公開の日に確かめることは問い合わせフォームを見直すチェックリスト、ドメインやアカウントの名義はドメインやアカウントを自社に移す手順が参考になります。
受注や見積もりの管理まで一緒に見直したくなったら、ホームページとは分けて考えます。
同じアクションプランは、企業を訪ねて話を聴く市の「福の耳プロジェクト」で、デジタル技術への関心が低い企業が多いことが分かったとし、デジタル化が未着手の企業、導入の途上にある企業、実装した企業という段階に応じた取り組みが必要だと書いています。
まずは自社がどの段階かを確かめ、表計算での管理が限界かどうかをExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインで見てから、要件定義とはに沿って頼む中身を書き出すと、ホームページの話と混ざらずにすみます。
作る前に話を聞いてもらえる、備後の窓口
福山市は、三原市、尾道市、府中市、竹原市、世羅町、神石高原町と、岡山県の笠岡市、井原市とともに、9市町で「備後圏域」をつくっています。
市のページでは、2020年の国勢調査で圏域の人口は852,168人、このうち福山市は460,930人で、私たちが計算すると約54%です(福山市:連携中枢都市圏について、2026年10月3日確認)。
県境をまたぐ圏域なので、窓口によっては岡山県側の会社も使えます。
福山市の「事業者向け相談窓口について」のページは、どこに相談すればよいか分からないときの総合相談の機関として、Fuku-Bizと、広島県よろず支援拠点の福山サテライトを挙げています(福山市:事業者向け相談窓口について、2026年10月3日確認)。
ホームページの相談に近いものを中心に並べました。
| 相談したいこと | 窓口 | 公式ページで確かめた内容(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| ホームページやSNS、検索での見つかり方を、何から見直すか | Fuku-Biz(フクビズ) | 福山市が設置した相談窓口。備後圏域9市町の中小企業や小規模事業者、創業を考える人が対象で、1回60分の相談を何度でも無料で使える。ITアドバイザーの対応分野に、HP制作のサポートやSEOが挙がっている。対面とオンライン(Zoom)から選べる(相談の流れ) |
| 経営全般を、国の窓口で | 広島県よろず支援拠点の福山サテライト | 市のページで、国が設置した機関として紹介されている。専門の資格と知識を持ったコンサルタントが、経営全般の相談を受ける |
| 何からデジタル化すればよいか、現場を見てもらいながら | 福山商工会議所:デジタル訪問サポート | 市内の小規模事業者や中小企業が対象で、会員でなくても使える。専門家が無料で訪問し、業務の流れを確かめながら、できるところから段階的に改善を提案する。導入のあとも、年間5回までを目安に支援を続ける |
| 新製品の開発や経営の相談を、経験のある人に | 福山市:産業支援コーディネーター派遣について | 備後地域の企業のOB・OGを中心とした専門家が会社を訪ね、新商品や新技術の開発、経営などの相談に応じる。派遣料は無料で、訪問を伴わないインターネットを使った支援もある。申請は各市町の担当課に出す |
このほか、福山商工会議所は小規模企業のための経営相談の窓口として、金融や税務、情報化などの相談を随時受けていて、オンラインでも相談できます(福山商工会議所:相談窓口)。
生成AIの導入を学ぶ市の「AIビジネスキャンプ」は、確かめた時点では2026年度の参加の募集を終えていました(福山市:AIビジネスキャンプ)。
広島県全体の窓口は広島の会社がWebやシステムを整える前の記事に、岡山県側に取引先が多い会社は岡山でホームページ制作やシステム開発を頼む前ににまとめています。
どの制度も年度ごとに内容が変わるので、使う前に公式ページで最新の条件を確かめてください。
bundlyzeに相談する場合
bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
福山の会社からのご相談は、Web会議を中心に進めます。
福山の方面へは伺う機会があるので、対面での打ち合わせも、その日程に合わせて行いやすくなっています。
ホームページを作るときは、取引先の名前を出さずに技術を伝える書き方と、問い合わせを誰がどう受けるかを、作り始める前の打ち合わせで一緒に決めます。
工場の撮影で何度も伺う必要がある仕事なら、備後の近くの会社のほうが合うこともあるので、そのときは正直にお伝えします。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とする技術責任者で、このサイトの記事の書き方や、検索とAIの答えに会社の情報が正しく載るための整え方も自分で手がけています。
よくある質問
取引先の名前を出せない部品の会社でも、ホームページで新しい取引先を見つけられますか?
Fuku-Bizは、福山市の外の会社でも相談できますか?
Fuku-Bizで、ホームページを作ってもらえますか?
福山の会社が、大阪など県外の会社にホームページを頼んでも大丈夫ですか?
最初の一歩は、自社の技術を、取引先の名前を出さずに3行で書いてみることです。
ご相談
ホームページやLPについて、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。