この記事の結論
滋賀の中小企業が、Web集客やシステム、AIの活用を外に頼むときは、自社の相手が「取引先の会社」なのか「地域のお客様」なのかと、現場のデータがどこにあるかを先に整理しておくと、依頼先との話が具体的になります。滋賀県は、県内総生産に占める製造業の割合が41.8%で全国1位です。ただし県内でも、甲賀地域では市町内総生産の半分以上を製造業が占める一方、大津地域では15%ほどで、地域によって産業の形が大きく違います。整理の段階から、国の事業として無料で何度でも相談できる滋賀県よろず支援拠点や、滋賀県産業支援プラザ、県内の商工会議所・商工会を頼れます。
滋賀の会社は、「誰に向けて」と「どの業務から」を先に決めてから頼む
「ホームページを新しくしたい」「業務をシステムにしたい」「AIを使ってみたい」と依頼先に話すと、多くの場合、作るものの話から始まります。けれど滋賀の会社の場合、その前に決めておきたいことが2つあります。Webで届けたい相手は誰か、そして、システムやAIで最初に変えたい業務はどれかです。
滋賀県と国の統計を確かめると、滋賀は、ものづくりの比重がとても大きい県です。そして同じ県の中でも、地域によって産業の形が違います。私たちが、依頼の前に整理しておくとよいと考えているのは、次の3つです。
| 滋賀の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 県内総生産に占める製造業の割合が41.8%で、全国1位 | 内閣府「県民経済計算」令和4年度(滋賀県のまとめ) | Webで届けたい相手は、取引先の会社か、地域のお客様か、働きたい人か |
| 市町内総生産に占める製造業の割合は、甲賀地域で56.5%、大津地域で14.8% | 令和5年度 滋賀県市町民経済計算 | 自社のある地域と、取引先やお客様のいる地域は、どこか |
| 県の支援機関が、生産や品質、設備のデータを生成AIで分析する場を設けている | 滋賀県産業支援プラザ | 紙やExcel、設備の中にある現場のデータを、どこから使える形にするか |
滋賀は、県の経済の4割を製造業が占める
滋賀県の「滋賀県なんでも一番」によると、県内総生産に占める製造業の割合は41.8%で全国1位、第2次産業の割合も46.9%で全国1位です(内閣府「県民経済計算」令和4年度。滋賀県:滋賀県なんでも一番、2026年10月1日確認)。
製造業の比重が大きい地域では、部品や加工、設備、物流、保守など、会社を相手にする仕事が多くなります。私たちは、ここから次のことを考えておくとよいと見ています。
- 会社を相手にする会社は、ホームページを「会社の紹介」だけで終わらせないことが大事です。取引先の担当者は、何を、どの量まで、どのくらいの期間で対応できるかを比べています。対応できる加工や材料、ロットの目安、相談から納品までの流れを、初めて見る人に伝わる言葉で書けるかを確かめます
- 人を採用したい会社は、同じ地域のほかのものづくりの会社と比べられます。仕事の中身や働き方など、比べるときに知りたいことを、採用のページに書けるかを確かめます
- 地域のお客様に向けた会社は、近くで探されたときに、地図の検索やWebで見つかるかが先です。お客様が、地名と一緒にどんな言葉で探していそうかを、分かる範囲で書き出しておきます
取引先の担当者が問い合わせの前に何を見ているかは、問い合わせが来るホームページ・LPは、何が違うのか。作る前に決めておく5つのことにまとめています。
同じ滋賀でも、地域によって産業の形が違う
滋賀県は、県内を7つの地域に分けて、地域ごとの経済の大きさを推計しています。令和5年度の推計で、それぞれの地域の市町内総生産に占める製造業の割合を見ると、次のようになります(滋賀県:令和5年度 滋賀県市町民経済計算、2026年10月1日確認)。
| 地域 | 市町 | 製造業の割合 |
|---|---|---|
| 甲賀地域 | 甲賀市、湖南市 | 56.5% |
| 東近江地域 | 近江八幡市、東近江市、日野町、竜王町 | 52.2% |
| 湖東地域 | 彦根市、愛荘町、豊郷町、甲良町、多賀町 | 49.4% |
| 湖北地域 | 長浜市、米原市 | 45.9% |
| 湖南地域 | 草津市、守山市、栗東市、野洲市 | 39.2% |
| 湖西地域 | 高島市 | 26.9% |
| 大津地域 | 大津市 | 14.8% |
県はこの結果について、甲賀・東近江・湖東・湖北の各地域は第2次産業の割合が高く、大津・湖南・湖西の各地域は第3次産業の割合が高いとまとめています。なお、この数字は県全体の経済計算を市町ごとに割り振った推計で、県も、地域の経済を大まかにつかむための数字として使うよう案内しています。
同じ「滋賀県の会社」でも、製造業の多い地域にある会社と、サービス業の多い地域にある会社では、まわりにいる取引先やお客様が違います、と私たちは考えています。依頼先と話すときは、次のことを伝えておきます。
- 自社のある市町と、取引先やお客様が実際にいる市町(県外も含めて)
- 対応できる地域の範囲と、その範囲を会社概要やGoogleビジネスプロフィールにどう書いているか
- 取引先からの相談と、地域のお客様からの相談の、おおよその割合
対応地域の書き方は会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順、地図の検索で見つけてもらう準備はMEO対策とは。来店型のお店でない会社が、Googleマップに出るためにやることにまとめています。
現場の仕事をシステムやAIに任せる前に、データの置き場所を確かめる
ものづくりの会社がシステムやAIを使うとき、最初につまずきやすいのは、使うためのデータがどこにあるか分からないことです。生産の記録は紙の日報に、品質の記録は担当者ごとのExcelに、設備の記録は機械の中に、というように分かれていると、AIに分析を頼む前に、データを集める作業が必要になります。
滋賀県産業支援プラザは、IoTを使う技術の導入を支える「ものづくりIoT研究会」を開いています。2026年11月には、生産や品質、設備のデータをExcelなどで見える形にし、生成AIで分析する、参加無料のワークショップを彦根市で開く予定です(滋賀県産業支援プラザ:DXに向けた取り組み、ものづくりIoT研究会のワークショップの案内、2026年10月1日確認)。
依頼先に「AIで何かしたい」と伝える前に、次の3つを書き出しておくと、何から手をつけるかが決めやすくなります。
| 書き出すこと | 例 |
|---|---|
| 毎日、手で記録しているもの | 生産数、不良の数、作業の時間、設備の止まった時間 |
| その記録の置き場所 | 紙の日報、担当者ごとのExcel、共有のフォルダ、機械の画面 |
| 記録を使って、誰が何を決めているか | 毎週の会議で、班長が不良の原因を話し合っている、など |
Excelでの管理を見直す目安はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサイン、AIを社内で使うときの決まりごとは生成AIを社内で使うときのルールの作り方にまとめています。
滋賀で、依頼先を決める前に使える相談先
滋賀には、依頼先を決める前の段階から使える公的な相談先があります。今の段階に合わせて選びます。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月1日) |
|---|---|---|
| 何から手をつけるか、まだ決まっていない | 滋賀県よろず支援拠点 | 経済産業省が各都道府県に1か所ずつ設けた、国(中小企業庁)の事業として運営されている相談窓口。滋賀県産業支援プラザの中にある。予約制で、何度相談しても無料。相談できる内容の例に、IT活用、広報戦略、広告デザイン、販路提案、ブランディングなどを挙げている |
| 大津まで行く時間が取りにくい | 滋賀県よろず支援拠点(相談の申込み)、出張相談会 | 大津市打出浜の拠点のほか、長浜商工会議所の中に長浜サテライトがある。2026年度は、彦根市、米原市、栗東市などで、年間を通して出張相談会を開いている。オンラインでの相談もできる(内容によっては来訪が必要) |
| 経営の目標と計画があり、専門家に会社を見てもらいたい | 滋賀県産業支援プラザ:専門家派遣 | 明確な目標と計画を持って課題に取り組む県内の中小企業などに、プラザが登録している専門家を派遣し、診断や助言を行う |
| 地元で、続けて相談できる相手がほしい | 滋賀県内の商工会・商工会議所 | 県内には、大津・彦根・長浜・近江八幡・八日市・草津・守山の7つの商工会議所と、各地の商工会がある。連絡先と住所は、県のページにまとまっている |
補助金は、滋賀県産業支援プラザの「滋賀県で受けることができる補助金の紹介」のページで、県・市町・国の制度を探せます。対象や募集の時期は年度ごとに決まり、受付が終わった制度も載っています。使えそうな制度があれば、申請や依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。国の「デジタル化・AI導入補助金」も、条件が合えば使えます(公式サイト)。
相談先に行く前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「Webで届けたい相手は、県内の取引先の会社」「自社は東近江地域、取引先は湖南地域と県外」「不良の記録は、担当者ごとのExcelにある」のように、この記事の3つの事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先への説明にも使えます。
依頼先には、相手と地域と、現場のデータを最初に伝える
依頼先を選ぶときは、地域よりも、自社の業務や集客の話をどこまで聞いてくれるかを重視します。確かめたい点は大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、滋賀の会社でも同じです。システムを頼む前の準備は、要件定義とは。システム開発を頼む前に、発注する側が準備することも参考にしてください。
そのうえで滋賀の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- Webで届けたい相手は、取引先の会社か、地域のお客様か、働きたい人か
- 自社のある市町と、取引先やお客様がいる地域
- システムやAIで変えたい業務と、その業務の記録が今どこにあるか
この3つを聞いて、ホームページに書く中身や、対応地域の書き方、システムで最初に扱う業務まで提案が変わる相手かどうかが、滋賀の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、滋賀を含む関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、取引先に向けたホームページと、現場のデータを使う仕組みを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
滋賀県よろず支援拠点には、大津まで行かないと相談できませんか?
製造業ではない会社にも、この記事の内容は関係がありますか?
AIを使うには、先に業務システムを入れる必要がありますか?
相手と地域とデータが決まれば、頼む中身が決まる
滋賀の会社がWeb集客やシステム、AIを外に頼むときは、ものづくりの比重が大きい県であること、地域によって産業の形が違うこと、現場のデータがどこにあるかの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、滋賀県よろず支援拠点や滋賀県産業支援プラザ、地元の商工会議所・商工会を頼れます。
神戸・兵庫の会社が使える窓口は、神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に載せています。まずは、Webで届けたい相手を1行で書き出すところから始めてみてください。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。