この記事の結論
京都の中小企業が、Web集客やシステムを外に頼むときは、依頼先を探す前に、京都ならではの3つの事情を整理しておくと話が早くなります。京都市では看板に厳しい決まりがあるので、店の外で目立つより、探されたときに地図とWebで見つかることが大事になります。観光客向けか、地元や取引先向けかで、作るべきページが変わります。代替わりを控えているなら、社長しか知らない仕事を、誰でも分かる形に移すことが先です。整理の段階から、無料の経営相談所である京都府よろず支援拠点や、京都市のデジタル化・DX相談コーナーなど、公的な相談先を頼れます。
京都の会社は、頼む前に3つの事情を整理しておく
「ホームページを作り直したい」「業務をシステムにしたい」と依頼先に話すとき、京都の会社には、京都ならではの事情がいくつかあります。それを依頼先に伝えないまま進めると、一般的な提案しか返ってきません。
私たちが、依頼の前に整理しておくとよいと考えているのは、次の3つです。
| 京都ならではの事情 | Webやシステムで考えること |
|---|---|
| 看板に厳しい決まりがある | 店の外で目立つ代わりに、探されたときに地図とWebで見つかるようにする |
| 観光客が多い | 観光客向けか、地元や取引先向けか、相手を分けてページを作る |
| 長く続く会社が多く、代替わりがある | 社長の頭の中にある仕事を、後継者が使える形にしておく |
看板で目立てない分、探されたときに見つかるようにする
京都市では、市内全域が、屋外広告物の禁止地域、21種類の規制区域、または特別規制地区のいずれかに指定されています。看板を出すときは、原則として市内全域で市長の許可が必要です。屋根の上などに置く屋上の広告物と、点滅する照明や回転灯のように光が動く照明を使った広告物は、市内全域で禁止されています(京都市:屋外広告物 許可申請の流れ、京都市:京の景観ガイドライン 広告物編)。
つまり京都市では、通りを歩く人に、看板の大きさや光で気づいてもらう方法が限られます。そのぶん、「近くで〇〇できる店は」「京都で〇〇を頼める会社は」と探されたときに、Googleマップや検索、AIの答えに出てくることの比重が大きくなる、と私たちは考えています。
依頼先と話すときは、次のことを伝えておきます。
- 店や事務所の看板が、どの程度目立つ状態か(許可の範囲で、何を出しているか)
- Googleビジネスプロフィールを、誰がどこまで管理しているか
- お客様が、どんな言葉で探して来ているか(分かる範囲で)
看板を新しくしたり変えたりする計画があれば、京都市は、まず広告景観づくり推進課に事前相談するよう案内しています(京都市:市内で屋外広告物を出す場合の手続)。看板とWebで、店名の表記や色が食い違わないように、両方をあわせて見直すのがおすすめです。地図に出るための準備は、MEO対策とは。来店型のお店でない会社が、Googleマップに出るためにやることにまとめています。
観光客向けか、地元向けか、相手を分けてページを作る
京都市の「令和7年 京都観光総合調査」では、2025年に京都市を訪れた外国人観光客は1,268万人(参考値)で、過去最高でした(京都市:令和7年 京都観光総合調査結果【概要】、2026年10月1日確認)。
観光客が多い街では、「英語や中国語のページも作りましょう」という提案を受けることがよくあります。ただ、すべての会社に必要なわけではありません。先に、誰からの問い合わせや予約を増やしたいのかを決めます。
| 増やしたい相手 | 先に決めること |
|---|---|
| 観光で訪れる人 | どの言語で、どこまで載せるか。外国語で問い合わせが来たとき、誰がどの言語で返事をするか |
| 地元のお客様 | 地域の名前や最寄りの駅など、近くの人が探す言葉で、何をしている会社か分かるか |
| 取引先(会社) | 何ができる会社かと、相談から納品までの流れが、初めて見る人に伝わるか |
外国語のページは、翻訳して載せたら終わりではありません。問い合わせが来た後に返事ができないと、かえって評判を下げます。返事をする人と言語を決めてから作ります。
代替わりの前に、社長しか知らない仕事を形にしておく
京都府は、創業100年以上の企業を「京の老舗」として表彰していて、これまでに表彰された企業は累計2,082社です(京都府:令和8年度「京の老舗」表彰対象企業の募集について、2026年10月1日確認)。長く続く会社が多い地域では、代替わりは多くの会社にとって身近な話です。
代替わりのときに困りやすいのが、取引先との約束、仕入れや段取りの手順、ホームページやメールの管理の権限など、社長や一部の人しか知らない仕事です。業務をシステムにしたり、Excelを整理したりするのは、手間を減らすためだけでなく、後継者に仕事を渡す準備にもなります。
依頼先と話すときは、「誰が見ても分かる形にしたい業務はどれか」「今、それを知っているのは誰か」を先に書き出しておくと、何をシステムにするかが決めやすくなります。Excelでの管理を見直す目安はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサイン、前の依頼先と連絡が取れない場合の手順はシステムを作った会社と連絡が取れない。業務システムを引き継ぐ手順に書いています。
京都で使える、公的な相談先
京都には、依頼先を決める前の段階から使える公的な相談先があります。京都府全体が対象のものと、京都市内の会社だけが対象のものがあるので、自社の所在地で選びます。
| 相談先・制度 | こんなときに | 内容 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 京都府よろず支援拠点 | 何から手をつけるか、まだ決まっていない | 国が都道府県ごとに置いている、無料の経営相談所。売上拡大や経営改善などの相談に応じ、相談の例に「ホームページやSNSなどネットの活用方法」や「DXやIT化」を挙げている。予約制。京都市下京区の本部とサテライトのほか、府内各地で出張相談会がある | 京都府よろず支援拠点とは |
| 京都産業21(IoT・AIビジネス相談窓口、専門家派遣) | AIやITを業務にどう使うか、専門家に見てもらいたい | IoT・AIを使った業務改善や生産性向上の相談窓口がある。専門家派遣では、府内の中小企業に専門家が出向いて診断助言する。相談の例に「IT導入」があり、費用の一部は自社の負担 | 京都産業21:経営相談・専門家派遣 |
| 京都市中小企業等デジタル化・DX相談コーナー | 京都市内の会社で、デジタル化の進め方を相談したい | 京都市が設けたWeb上の相談コーナー。専用のフォームで相談すると、原則3営業日以内に事務局から回答がある(原則メール。内容により電話や訪問もある)。パソコンの購入や設定など、機器のセットアップの質問は対象外。2026年度は2027年3月31日まで | ASTEM:京都市中小企業等デジタル化・DX相談コーナー |
| 京都市デジタル化推進プロジェクト | 京都市内の会社で、ITツールの導入費用の補助を受けたい | ITコーディネータの派遣と、ITシステムの導入費用の一部の補助を組み合わせた市の制度。2026年度の募集は、2026年5月29日で締め切られている | 京都市:令和8年度「京都市デジタル化推進プロジェクト」支援対象者の募集 |
| 京都府事業承継・引継ぎ支援センター | 代替わりや、事業の引き継ぎを考えている | 事業承継の相談窓口。相談は無料で、秘密は守られる。京都商工会議所の中に置かれている | 京都府事業承継・引継ぎ支援センター |
補助制度は、対象や募集の時期が年度ごとに決まり、市の制度は市内に拠点がある会社だけが対象です。使えそうな制度があれば、申請や依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。京都商工会議所も、国・京都府・京都市のIT支援の制度を一覧にしています(京都商工会議所:国・京都府・京都市などのIT支援メニュー)。
公的な相談先は、特定の依頼先を勧める場ではありません。役に立つのは、「自社は何から始めるべきか」「この提案書のどこを確かめればいいか」を、利害のない立場から一緒に考えてもらえることです。相談した内容をメモしておくと、そのまま依頼先への説明に使えます。
依頼先には、京都の事情を最初に伝える
依頼先を選ぶときは、地域よりも、自社の業務や集客の話をどこまで聞いてくれるかを重視します。確かめたい点は、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、地域が変わっても同じです。
そのうえで京都の会社なら、最初の打ち合わせで、ここまでの3つの事情を伝えてみてください。
- 看板がどの程度使えて、お客様がどう探して来ているか
- 増やしたいのは、観光客か、地元のお客様か、取引先か
- 代替わりの予定と、今、特定の人しか分からない業務
この3つを聞いて、提案の中身が変わる相手かどうかが、京都の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。逆に、どの会社にも同じ提案をしているように見えるなら、理由を聞いてみます。
bundlyzeは大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、京都を含む関西の会社からのご相談に対応しています。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、業務システムの開発までを一社で対応しているので、看板の制約を地図とWebで補う集客と、代替わりに備えた業務の整理を、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
京都府よろず支援拠点では、ホームページの相談もできますか?
京都市外の会社でも、京都市のDX相談コーナーは使えますか?
京都の会社は、京都の依頼先を選んだほうがいいですか?
京都の事情を言葉にすれば、提案は変わる
京都の会社がWeb集客やシステムを外に頼むときは、看板、観光客、代替わりという3つの事情を先に整理しておくと、依頼先との話が具体的になります。整理に迷ったら、京都府や京都市の公的な相談先を頼れます。
神戸・兵庫の会社が使える窓口は、神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に載せています。まずは、3つの事情のうち自社に当てはまるものを1つ選んで、書き出すところから始めてみてください。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。