この記事の結論
問い合わせが来るサイトは、見た人が数秒で「自分向けだ」と分かり、選ぶ理由が見つかり、迷わず連絡できるようになっています。そのために必要なのは、デザインより先に「誰に来てほしいか」「何をしてほしいか」「選ぶ理由の証拠は何か」「フォームに何を聞くか」「何を数えるか」の5つを決めておくことです。サイトは公開してからが本番で、数字を見て直し続けるほど問い合わせは増えていきます。
ホームページとLPは、役割が違う
最初に整理しておきたいのが、ホームページとLP(ランディングページ)の違いです。どちらを作るかで、設計がまったく変わります。
| 観点 | ホームページ | LP |
|---|---|---|
| 役割 | 会社の全体像を伝える | 1つのサービスについて、1つの行動をしてもらう |
| 見に来る人 | お客様、取引先、求職者、金融機関など様々 | 広告や検索から来た、その話題に関心がある人 |
| ページ | 複数(会社概要、サービス、採用など) | 基本は1ページ |
| 向く場面 | 会社として信用してもらう | 広告を出す、1つのサービスを伸ばす |
よくあるのが、ホームページ1つで全部をまかなおうとして、どの人にも刺さらなくなることです。広告を出すなら、そのサービス専用のLPを用意したほうが、話が早く伝わります。
作る前に決めておく5つのこと
1. 誰に来てほしいか
「中小企業の経営者」では広すぎます。「大阪で従業員20人ほどの会社を経営していて、Webのことを相談できる人が社内にいない人」くらいまで絞ると、使う言葉も、載せる事例も決まってきます。
絞ると他のお客様を逃すように感じますが、実際は逆です。誰にでも当てはまる文章は、誰の心にも残りません。
2. 見た人に、何をしてほしいか
問い合わせ、資料請求、電話、来店、予約。サイトで起きてほしい行動を1つに決めます。
行動が決まると、ボタンの置き場所と文言が決まります。「お問い合わせ」「資料請求」「LINEで相談」が同じ強さで並んでいると、見た人は迷って、結局どれも押しません。
3. 選ばれる理由の証拠は何か
「丁寧な対応」「高品質」は、どの会社も書いています。見た人が知りたいのは、それを裏付けるものです。
実際の事例、具体的な数字、仕事の進め方、働いている人の顔と経歴。こうした確かめられる情報が、他社ではなく自社を選ぶ理由になります。同じ情報は、ChatGPTなどのAIに自社を紹介してもらうときにも効きます(LLMOとは?)。
4. フォームで何を聞くか
フォームの項目は、少ないほど送ってもらいやすくなります。一方で、少なすぎると、返信の前に確認の往復が増えます。
「最初の返信に最低限必要なこと」だけを必須にして、残りは任意にするのが基本です。
5. 何を数えるか
公開後に何を見て良し悪しを判断するかを、作る前に決めておきます。広告を出す予定があるなら、広告から来た問い合わせを見分けられるようにしておくことも大切です(Web広告の運用代行、任せる前に確認しておきたいこと)。問い合わせの件数だけでなく、どのページを見た人が、どこから来て問い合わせたかまで分かるようにしておくと、次に何を直せばいいかが見えてきます。

問い合わせが来ないサイトに共通すること
- 最初の画面で、何の会社か分からない。 雰囲気のある写真と英語のキャッチコピーだけでは、見た人は自分向けかどうか判断できません
- スマホで見づらい。 文字が小さい、ボタンが押しにくい、表がはみ出している。問い合わせの多くはスマホからです
- 問い合わせボタンが、ページの一番下にしかない。 読み終える前に「相談したい」と思った人の行き場がありません
- 更新が止まっている。 お知らせが何年も前のまま、だと「この会社は今も動いているのか」と不安にさせます
- 公開したきり、数字を見ていない。 何が効いて何が効いていないか分からないまま、次の手が打てません
フォームは短く、迷わせない
私たちの会社のホームページのフォームは、必須項目を「お名前」「メールアドレス」「ご相談の種別」「お問い合わせ内容」の4つにしています。会社名や電話番号は任意です。最初の返信はメールで十分だからです。
ほかにも、次のような点に気をつけています。
- 入力、確認、完了の3段階にする。 送る前に内容を見直せると、送る側の不安が減ります
- スマホで入力欄の文字を16px以上にする。 iPhoneでは、入力欄の文字が小さいと、タップした瞬間に画面が拡大されてしまいます
- 選択肢には「まだ決まっていない」を入れる。 相談内容がはっきりしていない人も、送れるようにします
- 送信後に、次に何が起きるかを書く。 私たちの完了画面には「2営業日以内にご連絡いたします」と出しています。いつ返事が来るか分かるだけで、安心して待ってもらえます
送る人の手間を増やさずに、迷惑送信と、問い合わせの経路の記録にも手を打っています。
| しくみ | 私たちのフォームでしていること | 送る人から見えるもの |
|---|---|---|
| 迷惑送信の対策 | Cloudflare Turnstile と、人には見えない隠し項目の2つで、機械的な送信をはじく | 画像を選ぶようなパズルは出ない(Cloudflare:Turnstile、2026年10月2日確認) |
| 流入元の記録 | 最初に見たページ、参照元などを、問い合わせの内容と一緒に送る | 何も入力しなくてよい |
| 何で知ったか | 任意の項目で聞く。選択肢に「AI検索(ChatGPT・Geminiなど)」を入れている | 答えなくても送れる |
最後の項目は、AIの回答で名前を知って問い合わせた人を数えるためのものです。数え方はAIから来た訪問と問い合わせを、どう数えるかに書いています。
公開前に、スマホで確かめたい10項目
問い合わせの多くはスマホから届きます。公開の前に、実際のスマホで次の10項目を確かめます。
- 最初の画面で、何の会社で、誰向けかが分かる
- 文字が小さすぎず、拡大しなくても読める
- 1行が長すぎず、単語の途中で改行されていない
- ボタンが指で押しやすい大きさで、隣のボタンと近すぎない
- 問い合わせボタンが、ページの途中にもある
- 電話番号をタップすると、そのまま電話をかけられる
- フォームの入力欄をタップしても、画面が勝手に拡大されない
- 表や画像が画面からはみ出していない
- 読み込みに時間がかかりすぎない
- 送信した後、自動返信のメールが届く
最後の項目は、実際に自分で送ってみないと分かりません。公開前に必ず一度、自分で問い合わせてみてください。
3つ目の改行は、目で見るだけでは見落としが出ます。私たちは、スマホ(画面の幅390)とパソコン(画面の幅1280)の2つの幅で、文節の途中で折り返している箇所を自動で数え、0件になってから公開しています(直し方はスマホで日本語が変なところで改行される問題の直し方)。
公開してからが本番。数字を見て直す
サイトは、公開した日がいちばん出来の悪い日です。あとは見た人の反応を見て、直すほど良くなっていきます。
私たちのサイトでは、問い合わせが届いたときに、その人が最初にどのページから入ってきたか、どこから来たか(検索、SNS、広告など)が一緒に記録されるようにしています。あわせて、送信が完了した時点で、Googleアナリティクス(GA4)に generate_lead というイベントを送っています。Googleが「ユーザーが問い合わせのためにフォームまたはリクエストを送信したとき」に使うようすすめているイベントです(GA4 推奨イベント、2026年10月2日確認)。どの記事やページが問い合わせにつながったかが分かるので、力を入れるべき場所を判断できます。
見る数字は、多くなくて構いません。月に1回、次の3つを見るところから始めるのをおすすめしています。
- 問い合わせの件数と、その内容
- 問い合わせた人が、どのページから入ってきたか
- よく見られているのに、問い合わせにつながっていないページ
3つ目が見つかれば、それが次に直すページです。
作り方の流れと、時間がかかるところ
ホームページやLPは、おおむね次の順で作ります。
- 話を聞く。 誰に来てほしいか、何をしてほしいか、他社との違いは何か
- 構成と文章を決める。 どのページに何を書くか。見出しと本文まで、この段階で決めます
- デザインを作る。 決まった構成と文章を、見やすく伝わる形にします
- 組み上げる。 スマホとパソコンの両方で動くように作ります
- 確かめて公開する。 表示、フォームの送信、計測の設定を確認します
時間が延びやすいのは、2の「文章」と、写真などの素材の準備です。デザインを先に作って、文章を後から当てはめると、伝えたいことが枠に収まらず、作り直しが増えます。文章を先に決めるだけで、全体の進みはかなり変わります。
更新の仕組みは、誰が何を更新するかで選ぶ
公開後にお知らせや事例を更新するなら、更新のしやすさは大事な選び方の軸です。
| 仕組み | 向いている会社 | 気をつけること |
|---|---|---|
| WordPress などの更新システム(CMS) | 社内で、お知らせや記事を頻繁に更新したい | 本体やプラグインの更新を続けないと、安全性が下がる |
| サイト作成サービス | 小さく始めて、自分たちで手軽に直したい | デザインや機能の自由度、別の仕組みへの移りやすさ |
| 更新システムを使わない作り | 更新は多くなく、表示の速さや安全性を重視したい | 文章を直すときに、作った側の作業が必要になる |
「なんとなくWordPress」ではなく、誰が、どのくらいの頻度で、何を更新するかを先に決めてから選ぶと、公開後に困りません。私たちがホームページ・LP制作で何をどこまでするかは、ホームページ・LP制作と運用にまとめています。
制作会社に頼むときに、確認しておきたいこと
| 確認すること | なぜ大事か |
|---|---|
| 文章は誰が書くか | 文章が弱いと、デザインが良くても伝わらない |
| 公開後の更新は誰がするか | 自社で直せないと、更新が止まる |
| 問い合わせの計測をしてくれるか | 数字がないと、改善ができない |
| ドメインやサーバーの契約者は誰か | 制作会社の名義だと、乗り換えるときに困る |
| 作ったデータを受け取れるか | 他社に引き継ぐときに必要になる |
特にドメインの名義は、あとから問題になりやすい点です。自社の名義で契約しておくのが安全です。
よくある質問
ホームページとLP、どちらを先に作ればいいですか?
作った後、自社で更新できますか?
大阪・兵庫の会社ですが、相談できますか?
見た目より先に、伝える相手を決める
問い合わせが来るサイトと来ないサイトの差は、デザインの良し悪しより、作る前の設計でほとんど決まっています。誰に、何を伝えて、何をしてほしいのか。そこが決まっていれば、デザインはそれを伝えるための道具になります。
いまのサイトに手を入れるなら、まず「最初の画面で、何の会社か分かるか」を、スマホで確かめるところから始めてみてください。
ご相談
ホームページやLPについて、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。
