この記事の結論
三重の中小企業がWeb集客やシステム、AIの活用を外部に任せる前には、「お客様や取引先が、名古屋側と大阪側のどちらにいるか」と「自社のある地域が、どんな仕事で成り立っているか」の2点を決めておくと、依頼先との話がぶれにくくなります。三重県は、中部と近畿の両方に属していると県自身が説明していて、北勢地域は名古屋の、伊賀地域は大阪の通勤・通学圏になっているとしています。また、県の市町民経済計算では、北勢、中南勢、伊勢志摩、伊賀、東紀州の5つの地域で、経済の規模も、どの産業の割合が大きいかも違います。依頼先が決まる前でも、相談が何度でも無料の三重県よろず支援拠点、県のみえDXセンター、段階ごとに計画を立てられる三重県版経営向上計画、県内12の商工会議所と23の商工会が使えます。bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。
三重の会社は、頼む前に「どちら側のお客様に向けるか」と「自社の地域の事情」を決めておく
ホームページや業務システムの相談は、「問い合わせを増やしたい」「手作業を減らしたい」から始まるのがふつうです。三重の会社の場合は、その手前で、県が公表している資料を2つ見ておくことをおすすめします。サイトに何を書くか、どの仕組みから手をつけるかが、そこから決まってくるからです。
県の資料を読み比べて、私たちが依頼の前に押さえておきたいと考えた三重の事情は、次の3つです。
| 公的な資料から分かること | 出典 | 頼む前に決めておくこと |
|---|---|---|
| 三重県は中部と近畿の両方に属している。北勢地域は名古屋の、伊賀地域は大阪の通勤・通学圏 | 三重県「三重県は中部地方?近畿地方?」 | お客様や取引先が、名古屋側と大阪側のどちらにいるか。サイトで、どちらの人に向けて書くか |
| 令和5年度の地域内総生産は、北勢が4兆9,830億円で最も大きく、東紀州は1,985億円。地域によって、製造業や宿泊・飲食の割合が違う | 三重県「令和5年度 三重県の市町民経済計算」 | 自社の地域で、お客様や取引先が何を調べて自社にたどり着くか。Webと業務の仕組みの、どちらから整えるか |
| 県の経営向上計画は、課題を見つける段階から本格的に実行する段階まで、3つのステップで申請できる | 三重県産業支援センター「三重県版経営向上計画について」 | 一度に全部を頼むのか、段階に分けて頼むのか |
中部にも近畿にも属する県。お客様や取引先が、名古屋側にも大阪側にもいる
三重県の「三重県は中部地方?近畿地方?」というページでは、県の考えとして、三重県は中部地方にも近畿地方にも属しているとしています。法令の面でも、近畿圏整備法の「近畿圏」と中部圏開発整備法の「中部圏」の両方に指定されています。国の役所の区分では中部・東海に入ることが多く、たとえば経済産業省の地方の窓口は中部経済産業局です。そのうえで、北勢地域は名古屋の、伊賀地域は大阪の通勤・通学圏になっている、と書かれています(三重県:三重県は中部地方?近畿地方?、平成20年掲載、2026年10月3日確認)。
県の資料では、三重県は南北に約170キロ、東西は10キロから80キロほどの、南北に細長い県だとされています(三重県:土地・気象(PDF)、2026年10月3日確認)。北の端のいなべ市と南の端の紀宝町では、ふだん行き来する街が違って当然です。
ここから私たちが考えるのは、三重の会社のサイトは、「県内の人に向けて書けば足りる」とは限らない、ということです。北勢の会社なら名古屋側の取引先が、伊賀の会社なら大阪側のお客様が、検索やAIの答えを通して、県外の会社と並べて比べることがあります。サイトに書くことは、次のように分けて考えると整理しやすくなります。
| 決めること | 名古屋側・大阪側の両方に相手がいるときの書き方 | 相手がほぼ県内だけのとき |
|---|---|---|
| 対応できる地域 | 「三重県全域」だけでなく、名古屋方面、大阪方面のどこまで対応するかを書く。オンラインで済む仕事か、現地に行く仕事かも分けて書く | 市や町の名前で、対応する範囲を書く |
| 会社の場所と行き方 | 車で来る人、電車で来る人のそれぞれに、最寄りのインターや駅からの道順を書く | 地元の人が分かる目印と、駐車場の有無を書く |
| 比べられたときの材料 | 県外の会社と比べられる前提で、何ができて、何が強みかを、具体的な仕事の例で書く | 地元での実績の年数や、すぐに来られることを書く |
国の補助金や支援策を調べるときも、三重県は中部経済産業局の管轄なので、関西向けの案内だけを見ていると、三重の会社が使える情報を見落とすことがある、と私たちは考えています。後で紹介する三重県よろず支援拠点も、中小企業庁や中部経済産業局などが連携して運営していると、利用の留意事項に書かれています(三重県よろず支援拠点:ご利用にあたっての留意事項、2026年10月3日確認)。
AIの答えの中で、どこの会社か、どの地域に対応するかを正しく伝える書き方は、会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
同じ三重でも、5つの地域で経済の中身が違う
三重県政策企画部統計課の「令和5年度 三重県の市町民経済計算」は、県の経済を、北勢、中南勢、伊勢志摩、伊賀、東紀州の5つの地域と29の市町に分けて推計したものです。令和5年度の地域内総生産は、北勢が4兆9,830億円、中南勢が2兆1,138億円、伊勢志摩が8,633億円、伊賀が8,369億円、東紀州が1,985億円でした。市町では、四日市市、津市、鈴鹿市が上位3市で、この3市で県内総生産の48.9%を占めています(三重県:令和5年度三重県の市町民経済計算、三重県:令和5年度三重県の市町民経済計算(概要版、PDF)、2026年10月3日確認)。なお、この数字は県全体の計算を各種の統計で市町に割り振った推計で、積み上げて計算したものではない、と注記されています。
同じ報告書の統計表(経済活動別の地域内総生産)から、地域ごとに、総生産に占める産業の割合を私たちが計算すると、次のようになります(三重県:経済活動別地域内総生産の推移(Excel)、2026年10月3日確認)。県全体では、製造業が39.2%、宿泊・飲食サービス業が1.8%、保健衛生・社会事業が6.8%です。右の列は、この数字から私たちが考える、Webとシステムで先に考えたいことです。
| 地域(主な市町) | 総生産に占める割合で目立つもの | Webとシステムで先に考えたいこと(私たちの考え) |
|---|---|---|
| 北勢(四日市市、桑名市、鈴鹿市、亀山市など) | 製造業が47.1%。県の総生産の約55%がこの地域 | 取引先の担当者が、何を作れて、どんな加工ができる会社かを確かめられるページ。見積もりや図面のやりとりを、メールと電話だけに頼らない仕組み |
| 中南勢(津市、松阪市など) | 卸売・小売業が9.4%、保健衛生・社会事業が9.3%、情報通信業が3.2%と、県全体より高い | 店や事業所を、地元の人が地図とサイトで見つけられること。予約や問い合わせの受け方と、返事までの目安 |
| 伊勢志摩(伊勢市、鳥羽市、志摩市など) | 宿泊・飲食サービス業が4.7%で、県全体の2倍を超える | 来る前に調べる人に向けた、営業日、行き方、予約の方法。季節で変わる情報を、誰が直すか |
| 伊賀(伊賀市、名張市) | 製造業が49.8%で、5つの地域で最も高い | 北勢と同じく取引先向けの説明に加えて、大阪側から探す人に、対応できる範囲を伝えること |
| 東紀州(尾鷲市、熊野市など) | 保健衛生・社会事業が11.0%、農林水産業が5.0%と、県全体より高い。総生産は県の約2.2% | 少ない人数で回す前提で、電話や紙の手間を減らす仕組み。県外に商品を売るなら、通販の受付と発送の流れ |
もちろん、同じ地域の中でも会社ごとに事情は違います。ただ、「三重の会社だから」とひとまとめにせず、自社の地域の数字を一度見ておくと、依頼先に伝えることがはっきりします。たとえば北勢や伊賀の部品や加工の会社なら、まず取引先向けの説明と受発注のやりとりを、伊勢志摩の宿や店なら、まず来る前に調べる人向けの情報を、という順番が考えられます。
手作業が限界かどうかを見分ける目安はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインに、出来合いのサービスで済ませるか作るかの判断はSaaSか、オーダーメイドか。業務システム選びで迷ったときの判断基準に書いています。ものづくりの会社がWebで何を伝えるかは、滋賀の中小企業が、Web集客やシステム、AIを外に頼む前にも参考になると思います。
県の経営向上計画で、何から頼むかを段階に分ける
三重県には、県の中小企業・小規模企業振興条例にもとづく「三重県版経営向上計画」という制度があります。窓口の三重県産業支援センターの説明によると、会社の取り組みの段階に合わせて、次の3つのステップで計画を申請できます(三重県産業支援センター:三重県版経営向上計画について、2026年10月3日確認)。
- ステップ1:自社の経営課題を解決していこうとする計画
- ステップ2:経営課題の解決に向け、具体的に取り組もうとする計画
- ステップ3:経営課題に対する解決策を、本格的に実行しようとする計画
どのステップでも、商工会や商工会議所の経営指導員などによる計画の作成と実行の支援を受けられます。ステップ3の支援策には、ICTを活用して生産性向上をめざす取り組みへの専門家派遣(5回まで)も挙げられています。ただし、専門家派遣などを使えるかどうかは別に審査があり、予算に達した時点で終わる、業種や法人の形態によっては使えない場合がある、と書かれています。計画の作成と申請書づくりは、近くの商工会・商工会議所で支援している、とも案内されています。
私たちは、Webやシステムを頼むときも、この3つの段階に合わせて考えると無理がないと考えています。
| 県の計画の段階 | Webやシステムで頼むことの例(私たちの考え) |
|---|---|
| 課題を見つける段階(ステップ1) | 今のサイトやアクセスの状況、手作業の多い業務を一緒に洗い出してもらう。まだ作らない |
| 具体的に取り組む段階(ステップ2) | いちばん困っている1つ(問い合わせの受け方、見積もりのやりとりなど)に絞って、小さく作るか、出来合いのサービスを試す |
| 本格的に実行する段階(ステップ3) | 試して分かったことをもとに、サイトの作り直しや業務システムの開発を、範囲を決めて頼む |
一度に全部を頼むと、何が効いたのかが分かりにくくなります。段階を分けておけば、依頼先との打ち合わせでも「今回はここまで」と範囲を決めやすくなります。頼む前に書き出しておきたいことは、要件定義とは。システム開発を頼む前に、発注する側が準備することにまとめています。
三重で、依頼先を決める前に使える相談先
三重県内の公的な窓口を、困っていることの種類ごとに並べました。
| こんなときに | 窓口 | 公式ページで確かめた内容(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| Web集客やIT、AIを、何から始めるか相談したい | 三重県よろず支援拠点 | 国が設置した、何度でも無料で使える経営相談所。津市の三重県合同ビルにあり、受付は平日。相談の分野に、IT活用、Webマーケティング、デザインを挙げている。三重県産業支援センターが運営する。Webマーケティングの支援チームの例では、戦略から運用のアドバイスまでを行い、サイトの制作支援は行わないと書いている |
| 近くで相談したい | 鈴鹿市:「三重県よろず支援拠点」無料定期相談会 | 鈴鹿市では、市のものづくり産業支援センターで、よろず支援拠点の無料の定期相談会を毎月開いている(事前予約制)。ほかの地域でも、よろず支援拠点のサイトに出張相談の一覧が載っている |
| 現場の作業を、デジタル化や業務の見直しで楽にしたい | 三重県よろず支援拠点:生産性向上支援センター | 令和8年4月から、よろず支援拠点の中に設置。県内の中小企業・小規模事業者が対象で、支援回数は3回から10回程度。支援テーマの例に、ITを使った業務の見える化、予約管理、受発注業務のデジタル化を挙げている |
| DXの進め方や、どんな道具があるかを相談したい | 三重県:みえDXセンター | 県のワンストップの相談窓口で、相談は予約制(受付フォームから)。初回のヒアリングで課題を整理し、県に登録された専門家や企業による支援(最大3回まで)や、ほかの支援機関への橋渡しを決める。支援制度や具体的なツールの導入など実務的な相談は、三重県産業支援センターなどを紹介するとしている |
| 経営やITの専門家に、会社に来てもらいたい | 三重県産業支援センター:専門家派遣事業 | 県内の中小企業者等が対象で、センターに登録された専門家から選んで申し込む。専門家への謝金と交通費などの一部は自己負担 |
| 地元の商工団体に相談したい | 三重県商工会議所連合会、三重県商工会連合会:商工会一覧 | 四日市、津、伊勢、松阪、鈴鹿、桑名、上野、亀山、尾鷲、名張、鳥羽、熊野の12の商工会議所と、県内23の商工会の連絡先を確かめられる。三重県版経営向上計画の作成も、ここで相談できる |
県の事業には、受付の期間が決まっているものもあります。たとえば、県が専門家を企業に付けてDXやAIの活用を支援する「みえDX・AIトライアルサポート」は、確かめた時点(2026年10月3日)では、今年度の参加の受付を終えていました(三重県:みえDX・AIトライアルサポートの実施、2026年10月3日確認)。制度を使うつもりなら、依頼先と契約を結ぶ前に、窓口の公式ページで、何が対象になるかを含めて最新の条件を確かめておきます。
窓口や依頼先と話す日までに、「この1年の問い合わせや注文が、名古屋側、大阪側、県内のどこから来たか」と「社内で、電話や紙、Excelで回していて手間がかかっている作業はどれか」をメモに書いておきます。たとえば「問い合わせの半分くらいは愛知県の会社から」「見積もりの依頼を電話で受けて、手書きで控えている」といった書き方で十分です。同じメモは、三重県よろず支援拠点やみえDXセンターでの相談にも、経営向上計画の下書きにも、依頼先との最初の打ち合わせにも使えます。
依頼先には、どちら側のお客様に向けるかと、自社の地域の事情を最初に伝える
依頼先を選ぶときの物差しは、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方に書いたものが、三重の会社でもそのまま使えます。
そのうえで、候補の会社との最初の打ち合わせでは、この記事の事情に沿って、次のことを話してみてください。
- お客様や取引先が、名古屋側、大阪側、県内のどこに多いか。サイトでは、どこの人に向けて書きたいか
- 自社のある地域で、お客様や取引先が何を調べて自社にたどり着くか。Webと業務の仕組みのどちらから整えたいか
- 一度に全部を頼むのか、県の経営向上計画のように段階に分けて頼むのか。今回の範囲はどこまでか
サイトの見た目より先に、お客様がどちら側にいるかや、地域の事情、頼む範囲の分け方を聞いてくる相手なら、三重の会社の事情を踏まえて考えてくれていると判断できます。
bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。この記事を書いている技術責任者の津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアです。SEO・LLMOの対策からホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、県外の会社と比べられたときに伝わるサイトと、見積もりや予約のやりとりを減らす仕組みを、分けずに一緒に考えられます。大阪と三重は電車でも行き来できる距離ですが、三重の会社とのやりとりはオンラインが中心で、現地に伺うかどうかはご相談のうえで決めています。顔を合わせて相談したいことは、県内の窓口とあわせてお使いください。
よくある質問
三重の会社は、名古屋と大阪のどちらの会社に頼むのがよいですか?
三重県よろず支援拠点に、ホームページを作ってもらえますか?
三重県版経営向上計画は、ホームページやシステムの話でも使えますか?
どちら側に向けるかと、地域の事情が決まれば、頼む中身が決まる
三重の会社が外部に頼む前にできることは、思ったより多くあります。中部と近畿の両方に属する県だという前提で、お客様や取引先が名古屋側、大阪側、県内のどこにいるかを確かめ、サイトで誰に向けて書くかを決めておく。5つの地域で経済の中身が違う県だという前提で、自社の地域の数字を見て、Webと業務の仕組みのどちらから整えるかを決めておく。この2つがそろうと、依頼先に頼む範囲と、社内に残す仕事がはっきりします。途中で迷ったら、三重県よろず支援拠点やみえDXセンター、三重県版経営向上計画、商工会議所・商工会に持ち込めます。
最初の一歩は、この1年の問い合わせや注文を、名古屋側、大阪側、県内に分けて数えてみることです。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。