この記事の結論
代理店や代行会社を乗り換えるときは、解約を伝える前に、自社の名義で管理者の権限を持ち、設定と記録を受け取っておきます。
広告アカウント、GA4、Googleタグマネージャー、Search Console、Googleビジネスプロフィール、ドメイン、サーバー、WordPressの管理者、広告やページの素材、毎月のレポートが、その対象です。
契約では、解約を何日前までに伝えるか、作った物の権利がどちらにあるか、アカウントが誰の名義かを確かめます。
引き継ぎは、計測のタグを残したまま次の会社に権限を渡し、前の会社の権限は最後に外します。
この順番なら、数字が途切れず、替える前と後を同じ物差しで比べられます。
広告の代理店、SEOの会社、SNSやホームページの更新を頼んでいる会社を替えたい。
そう考え始めたとき、多くの方が最初に迷うのは「いつ、
私たちは、伝え方より先に、手元に何が残っているかを確かめることをおすすめしています。
権限が前の会社にしかない状態で解約を伝えると、引き継ぎがすべて相手の手間になり、思うように進まないことがあるからです。
この記事では、広告・SEO・
ドメインの移管の手続きそのものはドメイン移管の記事に、サイトの管理を引き継いだ最初の1週間はホームページの引き継ぎの記事に分けています。
見直すサインは、成果より先にやりとりに出る
成果が出ないこと自体は、すぐに乗り換えの理由にはなりません。
検索や広告の数字は、季節や競合の動きでも揺れます。
私が見直しのきっかけとして重く見るのは、次のような、やりとりの側に出るサインです。
| サイン | なぜ気にするか |
|---|---|
| 毎月のレポートが数字の一覧だけで、次に何をするか・なぜかが書かれていない | 同じ数字を見ても、次の手が決まらない |
| 何を成果として数えているかが、自社の考える成果(問い合わせ・予約など)と | 数字が上がっても、売上につながっているか分からない |
| 広告アカウントや計測の画面を、自社では見られない | 中身を確かめられず、やめるときに何も残らない |
| 広告費と手数料、作業ごとの費用の内訳が分からない | 高いのか安いのかを判断できない |
| 担当者が替わるたびに、事情を一から説明し直している | 積み上げた判断が引き継がれていない |
| 提案が数か月同じで、試したことの結果の報告がない | 改善の手が止まっている |
一方で、会社を替えても直らない不満もあります。
何を成果とするかを自社で決めていない、社内で判断する人がいない、素材や情報を渡せていない、といった場合です。
この場合は、次の会社でも同じところで止まります。
乗り換えを決める前に、不満を一つずつ書き出し、今の会社に一度だけ伝えてみると、どちら側の問題かが見えてきます。
伝えても変わらないなら、それが乗り換える理由になります。
解約を伝える前に、手元に置いておくもの
乗り換えの準備でいちばん大事なのは、各サービスに自社の名義で管理者がいる状態を、先に作ることです。
IDとパスワードを教えてもらうのではなく、それぞれのサービスの仕組みで、自社のアカウントに権限を付けてもらいます。
| 手元に置くもの | 自社で持つ権限の名前 | 確かめること |
|---|---|---|
| Google広告のアカウント | 管理者 | 自社の誰かが管理者に入っているか。代理店の管理用アカウント(MCC)が |
| Meta広告・Instagram・ | 自社のビジネスポートフォリオの全権限 | アセットが自社のポートフォリオにあるか、代理店のポートフォリオにあるか |
| GA4(Googleアナリティクス) | 管理者 | どのアカウントの下にプロパティがあるか |
| Googleタグマネージャー | アカウントの管理者、コンテナの公開 | 今、どのタグが入っているか |
| Search Console | 所有者 | 自社が確認済みの所有者か |
| Googleビジネスプロフィール | オーナー(できれば | メインのオーナーが誰か |
| ドメイン・DNS・サーバー | 登録者・契約者 | 誰の名義で、誰が支払っているか |
| WordPressなどのサイトの管理画面 | 管理者 | 自社の管理者のユーザーがあるか |
| 広告やページの素材 | (データで | 画像・動画の元のデータ、広告文、原稿 |
| 記録 | (データで | 毎月のレポート、広告の設定(キーワード・除外の |
公開している投稿やページは、アカウントやサイトの中に残ります。
失いやすいのは、その外にあるものです。
加工前の画像、広告の設定の理由、どの施策をいつ試したかの記録は、受け取っておかないと後から手に入りません。
ここからは、公式のヘルプで確かめた、サービスごとの気をつける所です(いずれも
Google広告は、MCCから外す前に支払いを確かめる
Google広告では、アカウントへのアクセスを許可したり、アクセス権を変えたりできるのは管理者だけです(Google 広告 ヘルプ:アクセスレベル)。
まず、自社の誰かが管理者に入っているかを見ます。
代理店が自分の管理用アカウント(MCC)に
リンクを外しても、アカウントの履歴は失われません。
ただし、毎月の請求書払いで、外すMCCが支払い元になっているときは、外した後に広告の配信が止まります。
外す前に、お支払いの設定を変えておく必要があります。
MCCの共有のリマーケティングリストを使っていた場合も、リストへのデータの追加が止まり、そのリストを狙った配信が止まります(Google 広告 ヘルプ:クライアント センター(MCC)
Metaは、アセットが誰のポートフォリオにあるかを見る
Meta広告やInstagramは、アセットが自社のビジネスポートフォリオにあり、代理店にはパートナーとしてアクセスを許可している形が、いちばん移りやすい状態です。
Metaは、自社のポートフォリオからパートナーにアセットへのアクセスを許可する手順を案内しています(Metaビジネスヘルプセンター:ビジネスポートフォリオでパートナーにビジネスアセットへのアクセス許可を付与する)。
アセットが代理店のポートフォリオの側にある場合は、移す方法を先に相談します。
画面の手順と、パートナーを外す操作は、Metaのビジネスポートフォリオの記事にまとめています。
GA4は、作り直さずにプロパティごと移せる
GA4のプロパティが代理店のアカウントの下にあっても、作り直す必要はありません。
プロパティは別のアカウントに移せて、レポートのデータは(コピーではなく)
移すには、移す元と移す先の両方のアカウントで、管理者と編集者の役割が要ります(アナリティクス ヘルプ:(GA4)
新しいプロパティを作ってしまうと、それまでのデータと比べられなくなります。
GA4の役割は、管理者・編集者・マーケティング担当者・アナリスト・閲覧者に分かれ、ユーザーを追加・削除できるのは管理者です(アナリティクス ヘルプ:アクセス権とデータ制限の管理)。
次の会社には、作業に必要な役割から付けます。
Search Consoleは、所有者を外すときに確認のしるしも消す
Search Consoleの所有者を削除しても、その人がサイトに置いた確認のしるし(確認トークン)が
外すときは、その人のトークンもすべて消します(Search Console ヘルプ:所有者、ユーザー、権限の管理)。
トークンはほかのサービスの確認にも使われていることがあるので、何に使われているかを確かめてから消します。
Googleビジネスプロフィールでは、オーナーや管理者になってから約7日は、ほかのオーナーの削除や、メインのオーナーの譲渡ができません(ビジネス プロフィール ヘルプ:ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する)。
解約の日から逆算して、早めに自社をオーナーに入れておきます。
WordPressは、自社の管理者のユーザーを1つ持つ
WordPressの「管理者」は、
制作会社の管理者だけがある状態だと、プラグインの更新もユーザーの整理も、自社ではできません。
自社の管理者のユーザーを作ってもらい、ログインできることを確かめます。
契約で確かめる所は、期限・権利・名義の3つ
手元のものを確かめたら、次は契約書と申込書を読みます。
口頭で聞いた内容が書面にないこともあるので、書面で見ます。
| 確かめる所 | 見ること |
|---|---|
| 解約の予告期間 | 何日前、何か月前までに、誰に、どの方法(書面・ |
| 自動更新と最低期間 | 更新の日はいつか。最低期間の途中でやめるとき、費用はどうなるか |
| 作った物の権利 | 広告の画像・動画・文、記事、サイトのデザインやデータを、契約の後も自社で使えるか、手を加えてよいか |
| アカウントの名義 | 広告・計測・SNSのアカウントを誰の名義で作ったか。終わるときに自社に残せるか |
| 広告費の支払い | 広告費を誰の名義で媒体に払っているか。代理店が立て替えているなら、最後の請求はいつか |
| 引き継ぎの作業 | 記録や素材を渡す作業が、契約の範囲に入っているか。別の費用になるか |
作った物の権利は、特に見落としやすいところです。
著作権を譲る契約でも、翻案など作り替えに関わる権利(著作権法の
「著作権は
契約の読み方に迷う所があれば、弁護士などの専門家に確かめてください。
予告期間が分かったら、そこから逆算して日程を組みます。
たとえば「1か
引き継ぎは、計測を止めない順番で進める
引き継ぎで一番困るのは、途中で計測が切れて、替える前と後を比べられなくなることです。
次の順に進めると、数字を途切れさせずに移れます。
- 棚卸し。 上の表を埋め、何が誰の名義かを一覧にする
- 自社に管理者を入れる。 前の会社との取引中に、各サービスへ自社の管理者を追加してもらう
- 記録と素材を受け取る。 レポート、設定の一覧、素材の元のデータを受け取り、自社で保管する
- 解約を伝える。 予告期間に合わせて、書面で伝える。最後の稼働日と、権限を外す日を決めておく
- 次の会社に権限を付ける。 作業に必要な範囲から付ける。IDとパスワードは渡さない
- 計測のタグは消さずに引き継ぐ。 次の会社が新しいタグを足すときは、同じ成果が二重に数えられていないかを確かめる
- 前の会社の権限を外す。 次の会社が動き始め、計測がつながっていることを確かめてから外す。Search Consoleのトークン、Google広告のMCCのリンクと支払い、Metaのパートナーも忘れずに
- 同じ物差しで比べる。 成果の数え方を変えずに、替える前の同じ期間と比べる
6は、私たちが自社のサイトで気をつけていることでもあります。
私たちのサイトでは、Googleタグマネージャーのタグを各ページに直接書かず、配信の仕組みの1か所から全ページに入れています。
タグを入れる場所が1つなら、担当が替わっても「どこに
考え方は計測タグを1か所で管理する記事に書いています。
前の会社と次の会社の作業が少し重なる期間を置くと、引き継ぎで聞きたいことが出たときに確かめられます。
その分の費用は重なるので、どのくらい重ねるかは、予告期間と合わせて決めます。
次の会社は、やめるときの話を最初にできるかで選ぶ
次の会社を選ぶときに、私が一番大事だと思うのは、契約の前に「やめる
名義は御社のままで運用するか、終わるときに何を渡すかを、はっきり答えられる会社なら、同じ苦労を二度しなくて済みます。
そのうえで、次のことを聞いてみてください。
- 何を成果として数え、誰がどこで数えるか
- 毎月の報告に、次に何をするかと、その理由が入るか
- 代行料・広告費・運用手数料が、請求のうえで分かれているか
- 担当者は誰で、替わるときにどう引き継ぐか
- 広告・SEO・
SNS・サイトのうち、どこまでを1社で見るか
広告の運用代行に絞った質問はWeb広告の運用代行の選び方に、SEOを頼む前に決めておくことはSEOを外注する前に決める5つに、見積もりの内訳の比べ方はWebマーケティングの費用の記事にまとめています。
今回を機に、分野ごとに頼む先を分けるか1社にまとめるかを考え直すなら、Web集客の依頼先は1社か分けるかの記事も参考になると思います。
bundlyzeに乗り換えを相談する場合
bundlyzeは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点にする少人数の会社で、津嘉山が中心になって担当します。
Webマーケティング代行(月20万円〜・税別)では、
今の会社のうち、一部は続けて、全体を見る役だけを替えるという形も取れます。
アカウントは御社の名義のままにしていただき、私たちは作業に要る権限だけを受け取ります。
広告の運用手数料(媒体に
料金の全体は料金のページにあります。
よくある質問
代理店を乗り換えるとき、最初に何をすればいいですか?
広告やSEOの代理店を替えるとき、引き継ぎから相談できる会社はありますか?
広告アカウントは、次の代理店に引き継げますか?
GA4は作り直したほうがいいですか?
解約はいつ伝えればいいですか?
前の会社が作った広告の画像や記事は、そのまま使えますか?
乗り換えの途中で、数字が途切れないか心配です。
Search Consoleから前の会社を外すときの注意はありますか?
SEO会社を替えると、検索の順位は下がりますか?
今の会社に不満を伝えずに乗り換えてもいいですか?
まず、手元の一覧を埋めてみる
乗り換えを決める前でも、できることがあります。
この記事の「手元に
分からない欄が残っても構いません。
分からない欄そのものが、解約を伝える前に確かめることの一覧になります。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、このサイトの計測の仕組みも自分で組み、名義と権限を自社で持つ形で運用しています。
Serviceサービス一覧社内にWeb担当者がいなくても、全体を見る人を持てるサービスの内容を見るWebからの集客について、
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