この記事の結論
Web担当がいない会社で起きやすいのは、ホームページ、広告、SNSをそれぞれ外注していても、全体を見て判断する人がいない状態です。外部Web責任者は、作業ではなく「何をやるかを決め、外注先を動かし、数字を見て直す」役割を外部に任せる形です。専任者を採用するより早く始められ、社内に知識を残しながら進められます。
Web担当がいない会社で、起きていること
社内に専任のWeb担当がいない会社では、次のような状態がよく見られます。
- 作業だけで終わる。 ホームページを作った、広告を出した、で止まり、その後の改善が続かない
- 外注先がバラバラ。 制作会社、広告代理店、SNSの代行会社がそれぞれ動いていて、互いの動きを知らない
- 数字を活かせない。 アクセス解析の画面はあるが、誰も見ていない。見ても、次に何をすればいいか分からない
- 特定の人に頼りきり。 詳しい社員が1人で抱えていて、その人が忙しいと全部が止まる
- 集客が安定しない。 問い合わせが多い月と少ない月の差が大きく、理由が分からない
どれも、担当者の能力の問題ではありません。全体を見て判断する役割が、社内のどこにもないことが原因です。
「作業の外注」と「責任者の外注」は違う
Webの仕事を外に頼むとき、多くの会社が頼んでいるのは「作業」です。ホームページを作る、広告を運用する、SNSに投稿する。どれも必要な仕事ですが、作業を頼むだけでは、次の問いに答える人がいません。
- 今月は、どこに予算と時間を使うべきか
- 広告とホームページとSNSを、どうつなげるか
- 数字が落ちたとき、どこから直すか
| 作業の外注(制作会社・広告代理店など) | 責任者の外注(外部Web責任者) | |
|---|---|---|
| 任せるもの | 決まった作業 | 何をやるかの判断と、全体の管理 |
| 見ている範囲 | 自分の担当分野 | ホームページ、広告、SNS、計測の全体 |
| 外注先との関係 | 自分が外注先 | 外注先に指示を出し、成果を確かめる側 |
| 数字 | 担当分野の数字を報告する | 全体の数字から、次の打ち手を決める |
外部Web責任者は、作業をする人ではなく、社内のWeb責任者の席に、外部の人が座る形だと考えると分かりやすいと思います。
外部Web責任者が担うこと
役割は、大きく4つに分けられます。
- 戦略を決める。 誰に、何を、どの手段で届けるか。問い合わせを増やすために、今どこに力を入れるかを決めます
- 実行を管理する。 決めたことが、決めた時期に進んでいるかを見ます。遅れていれば、理由を確かめて手を打ちます
- 数字を見て直す。 問い合わせの件数や、その入り口になったページ、広告の成果を毎月見て、次の打ち手を決めます(最低限見る画面はGA4の使い方。中小企業が最低限見る3つの画面にまとめています)
- 外注先をまとめる。 制作会社、広告代理店、SNSの代行会社に、同じ方針で動いてもらいます。見積もりや提案が妥当かも確かめます
4つ目の「外注先をまとめる」は、Webに詳しい人が社内にいない会社ほど効きます。外注先からの提案を、社内の誰も判断できない状態がなくなるからです。

社員を採用する場合との比べ方
Web担当を社員として採用する方法もあります。どちらが良いかは、会社の状況で変わります。
| 観点 | 社員を採用する | 外部Web責任者に任せる |
|---|---|---|
| 始めるまで | 採用活動の期間がかかる | 契約後、すぐに始められる |
| 知識の幅 | その人の経験の範囲 | 複数の分野にまたがる知見を使える |
| 続けやすさ | 退職すると、知識も一緒に抜ける | 担当が変わっても、記録と仕組みが残る |
| 社内の事情への理解 | 深い | 最初は浅い。話を聞く時間が必要 |
| 費用のかかり方 | 給与と社会保険など、固定でかかる | 契約の範囲で決まる |
最初は外部に任せて仕組みを作り、軌道に乗ってから社内の担当者を育てる、という順番もあります。その場合は、最初から「いずれ社内に引き継ぐ」前提で、記録や手順を残しながら進めてもらいます。
社内の兼務担当者と、どう役割を分けるか
社内にWebを兼務で見ている人がいる場合は、外部Web責任者と役割を分けると、両方の力が生きます。
| 仕事 | 社内の兼務担当者 | 外部Web責任者 |
|---|---|---|
| お客様や商品についての知識 | 持っている。材料を出す | 聞き取って、発信に使える形にする |
| 何をやるかの判断 | 最終的に決める人に上げる | 選択肢と理由を用意して、提案する |
| 外注先とのやり取り | 日々の連絡 | 方針の共有、提案の妥当性の確認 |
| 数字の確認 | 見方を覚える | 毎月まとめて、次の打ち手とあわせて説明する |
| 記録 | 残されたものを読める状態にしておく | 決めたこと、やったことを残す |
社内の担当者に「覚えてもらう」ことを最初から役割に入れておくと、外部に頼りきりにならず、いずれ社内で回せる体制に近づきます。
向いている会社、向いていない会社
外部Web責任者が向いているのは、次のような会社です。
- ホームページ、広告、SNSのうち、2つ以上を外注している
- Webからの問い合わせを増やしたいが、何から手をつければいいか分からない
- 社内に詳しい人が1人いるが、その人が他の仕事と兼務で手が回っていない
一方、次のような場合は、別の形のほうが合うことがあります。
- やることがはっきり決まっていて、手が足りないだけ → 作業の外注で十分です
- 社内にWebの専任者がいて、判断もできている → 足りない分野だけを専門家に頼むほうが効率的です
最初の3か月で、やること
外部Web責任者に任せた場合、最初の3か月はおおむね次のように進みます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1か月目 | 現状を知る。ホームページ、広告、SNS、計測の状態と、外注先との契約を整理する。問い合わせがどこから来ているかを数えられるようにする |
| 2か月目 | 優先順位を決めて動く。いちばん効きそうな1〜2点に絞って手を入れる |
| 3か月目 | 数字で振り返る。手を入れたところの変化を見て、続けるか、やり方を変えるかを決める |
1か月目に「数えられるようにする」ことが、その後のすべての土台になります。問い合わせがどこから来たか分からないままでは、何が効いたかを判断できないからです(計測の考え方はWeb広告の運用代行、任せる前に確認しておきたいことでも書いています)。
頼む相手を選ぶときに、確認したいこと
外部Web責任者を頼む相手は、制作会社、広告代理店、コンサルティング会社、個人など、さまざまです。次の点を確かめると、自社に合うかを判断しやすくなります。
- 全体を見られるか。 ホームページ、広告、SNS、計測のどれか1つだけでなく、全体の話ができるか
- 自社の作業を売り込む立場になっていないか。 判断役と作業役が同じ会社の場合、その会社の作業ばかりを勧めていないか
- 数字の話ができるか。 「問い合わせを増やすために、何の数字を、どう見るか」を具体的に説明できるか
- 記録を残してくれるか。 決めたことや、やったことを、社内の人が後から読める形で残すか
- やめるときのことを話せるか。 契約を終えるとき、アカウントや記録をどう引き継ぐかが決まっているか
2つ目は、とくに見落としやすい点です。作業も請け負う会社が判断役を兼ねること自体は悪くありませんが、その場合は「なぜその作業が必要か」を数字で説明してもらうようにします。
任せる前に、準備しておくこと
- いま契約している外注先の一覧。 何を、どこに、どんな条件で頼んでいるか
- ログイン情報の在りか。 ホームページの管理画面、ドメイン、広告アカウント、アクセス解析、SNS。誰の名義で、誰が持っているか
- この1年の問い合わせの記録。 件数と、分かる範囲でその内容
- 判断する人。 社内で最終的に決める人を1人決めておく
2つ目のログイン情報は、意外と整理されていないことが多い部分です。制作会社の名義のままになっているものがあれば、この機会に自社の名義に移しておくと安心です(移し方は制作会社から、ドメインやアカウントを自社に移す手順にまとめています)。
アカウントは会社の名義で持ち、人には権限だけを渡す
任せる相手が外部Web責任者でも、IDとパスワードをそのまま渡すのはやめます。アカウントは会社の名義で持ち、その人のGoogleアカウントに、必要な範囲の権限だけを付ける形にします。契約を終えるときは、その権限を外すだけで済みます。
私たちの社内でも、GA4、Googleタグマネージャー(GTM)、Google広告、Search Consoleなどは会社名義のアカウントで持ち、作業する人には必要な権限だけを付けています。2026年10月1日に新しいメンバーが加わったときも、この形で権限を追加しました。そのときに確かめたことは次のとおりです。
| サービス | 権限の分かれ方 | 追加したときに確かめたこと |
|---|---|---|
| GA4 | 管理者、編集者、マーケティング担当者、アナリスト、閲覧者などの役割から選ぶ(アナリティクス ヘルプ) | 作業に要る役割だけにした |
| GTM | アカウント単位と、コンテナ(サイトごとの設定の入れ物)単位で分かれる(タグ マネージャー ヘルプ) | 会社のアカウントには、ほかのサイトのコンテナも入っているため、コンテナ単位で必要なものだけに絞った |
| Google広告 | 管理者、標準、読み取り専用、メール専用、お支払いとご請求のアクセスレベルから選ぶ(Google 広告 ヘルプ) | 権限の追加に、別の管理者の承認が要る設定になっていた |
| Search Console | 所有者、フルユーザー、制限付きユーザーに分かれる(Search Console ヘルプ) | 作業に要る権限だけにした |
自社で同じように整えるなら、次の順に進めます。
- 上の表のサービスごとに、いまの管理者が誰か(個人か、会社か、制作会社か)を書き出す
- 会社として管理者を2人以上にしておく。Googleタグマネージャーのヘルプでも、有効な管理者を少なくとも2人用意することがすすめられています
- 外部の人には、作業に要る範囲だけの権限を付ける。とくにGTMは、アカウント全体ではなく、必要なコンテナだけにする
- Google広告のように、権限の追加に承認が要る場合があるので、作業を始める日の前に余裕を持って追加しておく
失敗しやすいパターン
- 任せきりにする。 外部Web責任者は、社内の判断する人と組んで初めて動けます。月に一度は、数字と次の打ち手を一緒に確かめる場を持ちます
- 成果の定義を決めない。 「集客を良くしたい」だけでは、良くなったかどうかを判断できません。問い合わせの件数など、見る数字を最初に決めます
- 一度に全部を変えようとする。 ホームページも広告もSNSも同時に変えると、何が効いたかが分からなくなります
bundlyzeの「WEB戦略チーム代行」は、この外部Web責任者の役割を引き受けるサービスです(外部Web責任者・Webマーケティング代行)。戦略の立案から、広告・ホームページ・SNSの外注先の管理、数字の分析と改善までを、ひとつの窓口で担います。
よくある質問
社内に担当者が1人いる場合でも、意味はありますか?
ホームページの作り直しや広告の運用も、あわせて頼めますか?
大阪・兵庫の会社ですが、相談できますか?
足りないのは、作業の手より、判断する席
Webの集客がうまくいかない会社に足りないのは、多くの場合、作業をする手ではありません。全体を見て、何をやるかを決め、数字を見て直す人です。
いまWebに関わる外注先が2社以上あるなら、まずはその一覧と、それぞれに何を頼んでいるかを書き出してみてください。全体を見る人がいないことが、はっきり見えてくるはずです。問い合わせにつながるページの作り方は、こちらの記事にまとめています。
ご相談
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「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。

