この記事の結論
LLMO(大規模言語モデル最適化)は、ChatGPTやGoogleのAI Overviewなどが答えを返すときに、自社の名前や情報を取り上げてもらうための取り組みです。特別な技術に聞こえますが、Googleは生成AI機能向けのガイド(2026年9月23日更新)で、AI検索にもSEOの基本がそのまま有効で、AI向けの特別なファイルやマークアップは要らないと説明しています。差がつくのは、質問にまっすぐ答えていることと、自社にしかない一次情報があることです。
LLMOは、AIの回答で名前を挙げてもらうための工夫
「大阪で業務システムを作ってくれる会社は?」とChatGPTに聞くと、会社名がいくつか挙がります。GoogleでもAI Overview(検索結果の上に出るAIの要約)が、いくつかのサイトを参照しながら答えを出します。
この答えの中に自社が入るように、サイトや情報発信を整えることをLLMO(Large Language Model Optimization)と呼びます。GEO(生成エンジン最適化)、AIO、AEOなど呼び名はいくつかありますが、指しているものはほぼ同じです。
検索結果の一覧で上位を目指すのがSEOだとすると、LLMOはAIの答えの中で紹介されることを目指します。違いを並べると、次のようになります。
| 観点 | SEO | LLMO |
|---|---|---|
| 目指す場所 | 検索結果の一覧の上位 | AIの回答の中 |
| 見られ方 | タイトルと説明文を見て、クリックされる | 名前や内容が回答に引用され、必要な人だけがリンクを開く |
| 評価の単位 | ページ | ページの中の段落や、会社としての情報 |
| 効果の見え方 | 表示回数、順位、クリック数 | 回答での言及、AIからの流入、問い合わせ |
ただ、次に書くとおり、この2つは別々の仕事ではありません。
AIは、検索で見つけたページを読んで答えている
AIが最新の情報について答えるとき、多くの場合は裏で検索をして、見つかったページを読んでから答えを組み立てています。GoogleのAI Overviewは、Googleの検索インデックスに登録されたページを使います。
つまり、検索エンジンに見つけてもらえないページは、AIにも読まれにくいということです。AIに紹介されたいなら、まず検索エンジンに正しく読まれる状態が前提になります。
AIごとに、サイトを読みに来るプログラムが違う
AIの提供会社は、それぞれ自前の読み取りプログラム(クローラー)を持っています。そして多くの会社が、「検索に使うもの」と「AIの学習に使うもの」を分けています。この違いを知らずに設定すると、学習だけを断るつもりが、AIの回答に出る道まで閉ざしてしまうことがあります。
| 提供会社 | 回答・検索に使う | 学習に使う | 出典 |
|---|---|---|---|
| OpenAI(ChatGPT) | OAI-SearchBot。拒否すると、ChatGPTの検索の回答に表示されなくなる | GPTBot。拒否しても、検索の回答での表示には影響しない | OpenAI:クローラーの説明 |
通常の Googlebot(AI Overview・AIモードはGoogle検索の仕組みを使う) | Google-Extended。Geminiアプリなどのモデルの学習と、回答の根拠づけに使うかを決める。拒否しても、Google検索への登録や順位には影響しない | Google:一般的なクローラー | |
| Perplexity | PerplexityBot。検索結果にサイトを表示し、リンクするために使う | 学習用には使わないと明記 | Perplexity:クローラーの説明 |
「AIに学習されたくない」という理由で読み取りを断る場合は、学習用のプログラムだけを断ります。回答・検索用のプログラムまで断ると、AIの回答に自社が出る機会を自分でなくすことになります。
Googleは「AI検索にも、SEOの基本がそのまま効く」と説明している
Googleは、生成AI機能向けのガイドで、AI Overview(AIによる概要)やAIモードについて、次のように説明しています(Google 検索セントラル:生成AI機能向けの最適化ガイド、2026年9月23日更新・2026-10-02 確認)。
- AIの機能は検索の順位と品質の仕組みの上に成り立っているので、SEOの基本がそのまま有効。AEOやGEOと呼ばれるものも、Googleから見ればSEOと変わらない
- llms.txt(AI向けにサイトの概要をまとめたファイル)などのAI向けのファイルは、Google検索では使っていない。置いても表示や順位には影響しない
- 生成AIの検索に、構造化データや特別なマークアップは必要ない(リッチリザルトのために使い続けることは勧めている)
- 検索語の言い回しごとにページを作り、順位やAIの答えを操作しようとすると、大量生成されたコンテンツのスパムに当たる
「LLMO対策として llms.txt を設置します」「構造化データを入れればAIに載ります」という提案を見かけますが、少なくともGoogleについては、それだけで紹介されるようにはならないということです。
llms.txt は、置いても害はありません。Google以外のAIが参照する可能性もあります。ただ、優先順位は低く、それを主な対策として費用をかけるものではない、というのが私たちの考えです(作り方と判断の仕方はllms.txtとはにまとめています)。
「AIに40%引用されやすくなる」という数字の読み方
LLMOの記事でよく引用されるのが、「工夫次第でAIの回答での露出が最大40%上がる」という研究です(Aggarwal ら「GEO: Generative Engine Optimization」, 2024)。
この研究は、AIがすでに参照先として集めた文書の中で、書き方を変えると回答での扱いがどう変わるかを測ったものです。出典を示す、数字を入れる、といった書き方の工夫が効いたと報告しています。
裏を返すと、そもそも参照先に選ばれていない文書が選ばれるようになるかは、この研究では確かめていません。書き方の工夫は、検索で見つけてもらえた後に効くもの、と理解しておくのが正確です。
差がつくのは、質問への答えと一次情報
では、AIに取り上げられるページと、そうでないページは何が違うのか。Googleのガイドと、AIに引用されている記事を読み比べて、共通点を整理すると次のようになります。
| 観点 | 取り上げられやすいページ | 取り上げられにくいページ |
|---|---|---|
| 冒頭 | 最初の2〜3文で質問に答えている | 前置きや自己紹介から始まる |
| 見出し | 見出しだけで結論が分かる | 「はじめに」「ポイント」など中身が分からない |
| 情報の出どころ | 自社で測った数字、自社でやった手順がある | 他のサイトのまとめ直し |
| 数字 | 出典と時期が書いてある | 出典のない「約8割」 |
| 書き手 | 誰が書いたか、いつ更新したかが分かる | 書き手が分からない |
| 範囲 | 「向かないケース」「失敗例」まで書いている | 良いことだけが書いてある |
AIは、いくつものページを読み比べて答えを作ります。どのページにも同じことが書いてあるなら、どれを引用しても同じです。そのページにしかない情報があって初めて、そのページを参照する理由が生まれます。

紹介されない原因は、多くの場合その手前にある
AIに紹介されないと、特別な対策が足りないのではと考えがちです。ところが実際には、検索エンジンに正しく読まれるための基本が抜けていることのほうが、ずっと多くあります。自社のサイトで、まず次の5つを確かめてみてください。
| 確かめること | 抜けていると起きること |
|---|---|
| 正式なURL(canonical)の指定 | 同じページが複数のURLで扱われ、評価が分散する |
| ページごとの大見出し(h1) | そのページが何の話か、機械が判断しにくい |
| 検索結果に出る説明文(meta description) | ページ内から勝手に切り出された文が表示される |
| サイトマップ(sitemap.xml) | 新しいページや更新したページが見つかりにくい |
| AIの読み取りプログラムを拒否していないか | AIの回答に出る道が閉ざされる(上の「AIごとに、サイトを読みに来るプログラムが違う」の表を参照) |
どれも、ブラウザで「ページのソースを表示」を開き、canonical、<h1、description といった文字を検索すれば確かめられます。
自社でやるなら、この順番
中小企業が自社で取り組むなら、費用のかからないものから次の順で進めるのが現実的です。
- 検索エンジンに正しく読まれる状態にする。 正式なURL(canonical)、大見出し、説明文、サイトマップを整えます
- 会社の基本情報を1か所にまとめる。 社名、所在地、事業内容、対応地域、問い合わせ先を、会社概要ページに文章で書きます。AIが「どこの、何の会社か」を取り違えないようにするためです
- お客様によく聞かれる質問に、1ページずつ答える。 冒頭で答え、そのあとに理由と具体例を書きます(問い合わせにつながるページの作り方はこちらの記事で詳しく書いています)
- 自社にしかない情報を載せる。 実際の事例、自社で測った数字、失敗して直した経験です
- 余力があれば、llms.txt や構造化データを整える
1と2は、多くの場合、数日で終わります。時間がかかるのは3と4で、ここが他社との差になります。
会社の情報を、どこで見ても同じにする
AIは、1つのページだけでなく、あちこちに書かれた情報を突き合わせて「この会社は何者か」を判断します。そのとき、場所によって社名の書き方や住所、事業内容が違っていると、別の会社と取り違えたり、古い情報を答えたりする原因になります。
確かめたいのは、次の場所です。
- 自社サイトの会社概要
- Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る情報)
- SNSのプロフィール
- 業界団体や、求人サイト、ポータルサイトの掲載情報
社名(正式名称と通称)、住所、電話番号、事業内容、対応地域が、どこでも同じになっているかを見ます。地域で探されることが多い会社ほど、Googleビジネスプロフィールの情報は、地図の検索にもAIの回答にも使われる大事な入り口になります。
やりがちな失敗
- 地域名だけ変えたページを量産する。 「大阪の〇〇」「神戸の〇〇」と中身が同じページを並べると、Googleのガイドでいうスパムに当たることがあります
- llms.txt を置いて終わりにする。 上に書いたとおり、Google検索では使われていません
- AIの読み取りを意図せず拒否している。 制作会社やセキュリティの設定で、
robots.txtがAIの読み取りプログラムを締め出していることがあります。自社で設定した覚えがなくても、一度確認しておく価値はあります - 「必ずAIに載ります」という約束を信じる。 AIの答えは質問の仕方や時期で変わります。掲載を保証できる仕組みはありません
効果の測り方:3つの数字を毎月見る
LLMOの効果は、検索順位のように1つの数字では見えません。次の3つを組み合わせて見ます。
1. Googleの生成AI機能での表示
Google Search Console に、AI Overview と AIモードでの表示回数を見られる「生成AIパフォーマンスレポート」が用意されています(Search Console ヘルプ、2026-10-02 確認)。どのページが、どれくらい表示されたかが分かります。段階的に公開されているため、まだ使えないサイトがあり、AIの機能での表示が少ないサイトでも出ないことがあります。
2. AIからの流入と、そこからの問い合わせ
ChatGPTやPerplexityの回答に載ったリンクから人が来ると、アクセス解析(GA4など)では、chatgpt.com や perplexity.ai などからの流入として記録されます。
私たちのサイトでは、問い合わせが届いたときに、その人がどこから来たかも一緒に記録しています。AIの回答から来た人が問い合わせたかどうかまで確かめられるので、「表示された」で終わらず「仕事になったか」まで追えます。
3. 実際にAIに聞いてみた結果
いちばん手触りがあるのは、お客様が聞きそうな質問を実際にAIにしてみることです。
たとえば「大阪で〇〇を頼める会社は?」「〇〇(自社名)はどんな会社?」のような質問を5〜10個決めておき、ChatGPT、Gemini、GoogleのAI Overviewで、月に1回ずつ試します。自社が挙がったか、説明が正しいか、どのページが参照されたかを記録しておくと、手を入れた効果が分かります。
私たちも、このコラムの公開にあわせて、同じ手順での記録を始めています。2026年10月2日時点の、自社サイトの数字は次のとおりです。
| 見たもの | 結果 |
|---|---|
| Search Console の検索語 | 9月29日分で、はじめて社名以外の検索語で表示された。「instagram運用代行 大阪」で平均3位、「robots.txt」で4位など |
| GA4 の「AI Assistant」(AIからの訪問) | 10月1日時点で、直近7日は0件 |
| Bing への登録 | 10月1日に Bing Webmaster Tools に登録し、サイトマップを送った。10月2日からは、公開のたびに IndexNow で、変わったページを自動で知らせている |
Bing は、Microsoft Copilot などのAIの入口になる検索です。AIからの訪問はまだありませんが、その前の段階の「検索に見つけてもらう」ところは動きはじめました。毎月の経過は自社サイトのLLMO・SEO実践記録で公開しています。
自社のサイトが、AI検索に取り上げられる準備ができているかは、AI検索の自己チェック(14問)で確かめられます。回答はどこにも送られません。
よくある質問
SEOとは別に、LLMOの予算を取る必要がありますか?
llms.txt は置いたほうがいいですか?
大阪・兵庫の会社ですが、相談できますか?
近道は、誤解されないページを作ること
LLMOという言葉は新しくても、やることの中心は変わりません。検索エンジンにもAIにも誤解されないように基本を整え、自社にしか書けないことを書く。AIが参照先を選ぶとき、最後に効くのはそこです。
まずは自社名をAIに聞いてみて、どう紹介されるかを確かめるところから始めてみてください。
ご相談
検索やAIでの見つかり方について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。

