この記事の結論
スマホで日本語が単語の途中で改行されるのは、ブラウザが日本語を「1文字ごとにどこでも折り返せる」と扱うからです。直し方の基本は、文節の区切りに目に見えない改行の目印を入れ、それ以外の場所では折り返さない指定をすることです。便利な新しい指定もありますが、iPhoneのSafariなど対応していないブラウザがあるので、確かめてから使います。数字と「%」、単位の記号、ハイフンでつないだ英語名の前後は、文節の目印とは別に崩れやすいので、つなぐ規則を足すか、表記を言い換えます。最後は、実際の画面で、行の途中で切れている箇所がないかを確かめます。
なぜ、変なところで改行されるのか
英語は、単語と単語の間に空白があるので、ブラウザは空白の位置で行を折り返します。日本語には空白がないので、ブラウザは基本的に「どの文字の間でも折り返してよい」と扱います。
その結果、画面の幅によっては、次のような折り返しが起きます。
- 「立ってきま」で改行され、「した」だけが次の行に残る
- 「見出」で改行され、「し」が次の行の頭に来る
- 見出しの最後の1〜2文字だけが、次の行にぽつんと残る
パソコンの広い画面では気にならなくても、幅の狭いスマホでは目立ちます。読みにくいだけでなく、雑に作られたサイトという印象を与えてしまいます。
直し方の基本:文節で改行させる
日本語を読みやすく折り返すには、「文節」の区切りで改行させます。文節とは、「今日は」「天気が」「いい」のように、意味が切れない最小のまとまりです。
やり方は、次の2つの組み合わせです。
- 文節の区切りに、目に見えない改行の目印を入れる。 「ゼロ幅スペース」と呼ばれる、幅のない文字を区切りの位置に入れます
- それ以外の場所では折り返さない、と指定する。 CSSで
word-break: keep-allを指定すると、目印のない場所では日本語を折り返さなくなります
文節の区切りを手作業で見つけるのは大変なので、機械で区切る道具を使います。Googleが公開している「BudouX」は、日本語の文章を文節に区切るためのオープンソースの道具です(GitHub:google/budoux)。私たちのサイトも、この「BudouXで目印を入れる+word-break: keep-all」の組み合わせで表示しています。
目印を入れるのは、ページの本文の文字だけにします。HTMLのタグの中や、スクリプト、コードの部分に入れると、表示や動作が崩れます。
新しい指定は、使えるブラウザを確かめてから
CSSには、ブラウザ自身に文節で折り返させる word-break: auto-phrase という新しい指定もあります。1行書くだけなので手軽ですが、対応しているブラウザが限られます。
私たちが自社サイトの文章を直したときに確かめた範囲では、ChromeやEdgeでは効きましたが、iPhoneのSafariでは効かず、「立ってきま」と「した」の間のように、1文字単位で折り返されていました。お客様の多くはスマホで、しかもiPhoneで見ます。新しい指定に頼るなら、Safariでの見え方を必ず確かめます。私たちは、どのブラウザでも同じように効く「目印+keep-all」の方法を選びました。
行末に1〜2文字だけ残るのを防ぐ
段落や見出しの最後の行に、1〜2文字だけが残るのも読みにくさの原因です。CSSの text-wrap: pretty を指定すると、ブラウザが段落の最後の行が短くなりすぎないように調整してくれます。見出しには、行の長さを均等に近づける text-wrap: balance も使えます。
どちらも、対応していないブラウザでは単に無視されるだけなので、入れておいて損はありません。

目印を入れても、記号や数字のまわりは崩れることがある
文節の目印と keep-all で、文字と文字の間の変な改行はほぼなくなります。ただ、それで全部が直るわけではありません。「%」や単位の記号、ハイフンなどの前後は、ブラウザが折り返してよい位置として扱うことがあり、文節の目印とは関係なく改行されることがあります。
私たちが自社サイトで実際に見つけて直した例
2026年10月1日から2日にかけて、自社サイトの記事を点検したところ、次の崩れが見つかりました(表の「|」が改行された位置です)。
| 崩れ方 | どこで切れたか | 直し方 |
|---|---|---|
27.3%|が | 「%」の直後 | 「%」と後ろの文字を、目に見えない「改行させない文字」(WORD JOINER、U+2060)でつなぐ規則を、目印を入れる処理に足した |
1,495千|㎡ | 単位の記号の前 | 表記を「約149.5万平方メートル」に言い換えた |
2,500ピクセル×|高さ、人数÷|表示 | 計算の記号の直後 | 記号を使わず、言葉で書き直した |
経済センサス‐|活動調査 | 名前の途中の区切り記号の直後 | 「経済センサス(活動調査)」に書き換えた |
S-|Cube、Wi-Fi | 英数字のハイフンの直後 | ハイフンの後ろを WORD JOINER でつなぐ規則を足した |
直し方は2通りでした。何度も出てくる形(「%」や、ハイフンでつないだ英語名)は、目印を入れる処理に規則として足し、全ページに効かせました。記号の使い方そのものに無理がある箇所は、原稿の表記を言い換えました。
自社のサイトで、まず見る場所
同じ崩れは、どのサイトでも起きる可能性があります。スマホで、次の箇所を重点的に見てください。
- 「%」や「円」のすぐ後ろに文字が続く文
- 「㎡」のような単位の記号や、「×」「÷」を使った文
- ハイフンでつないだ英語の名前や商品名
- 見出しと表の中(幅が狭く、崩れが目立つ)
パソコンのChromeなら、開発者ツールの「デバイスのツールバー」で画面の幅をスマホと同じにして、同じ箇所を確かめられます。
直したら、必ず画面で確かめる
改行の調整は、入れて終わりにしないことが大切です。私たちは、次の2つを確かめる仕組みを作りました。
- 行の途中で切れていないか。 スマホの幅(390ピクセル)とパソコンの幅(1280ピクセル)で、文節の途中の改行、行末に1〜2字だけ残る行、画面の横へのはみ出しの3つを、自動で数える
- 文章そのものが変わっていないか。 目印を入れる処理のあとで、元の原稿の文が1文ずつ、そのままページに入っているかを照らし合わせる
2つ目は、実際に失敗して加えたものです。改行を調整する処理の書き方を誤り、「という」の前の文字が重複して「とという」になっていたことがありました。見た目の確認だけでは見落としやすいので、原稿との照合を自動にしています。
目印を入れないほうがいい場所
- 一字一句そのまま使ってもらう文章。 法令に基づいて公表する情報や、コピーして使ってもらう文面には、目に見えない文字が混ざらないよう、目印を入れません
- 検索窓やフォームに入力してもらう例文。 コピーされたときに、目に見えない文字が一緒に入ってしまいます
- コードや、メールアドレス、URL。 正しく動かなくなります
よくある質問
word-break: auto-phrase だけで済ませてはいけませんか?
WordPressのサイトでも直せますか?
見出しだけ直すのでも効果はありますか?
読みやすさは、細部で決まる
改行の位置は、読む人がはっきり意識することは少ない細部です。それでも、変な位置で改行された文章は、読み進める手を止めさせ、サイトの印象を下げます。文節で改行させ、行末の取り残しを防ぎ、画面で確かめる。この3つを押さえるだけで、スマホでの読みやすさは大きく変わります。
まずは、自社のサイトをスマホで開いて、見出しと冒頭の段落が変な位置で改行されていないかを確かめてみてください。広告の画像やSNSの投稿に入れる日本語の扱いは、AIで広告画像やSNS投稿を作るとき、日本語の文字を崩さない作り方にまとめています。ホームページ全体の見直しは、ホームページ・LP制作と運用のページでご案内しています。
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