この記事の結論
ホームページと、予約・問い合わせ・顧客管理・LINEの業務システムは、同じ会社に頼むこともできますし、分けて頼むこともできます。
両方を受ける会社は大阪にもあります。
どちらが合うかを決めるのは会社の数よりも、ホームページとシステムのつなぎ目(フォームの
同じ会社なら、つなぎ目の仕様と止まったときの調べ物が1か所で済みます。
分けるなら、受け渡す項目と形式、送れなかったときの扱い、障害のときの最初の窓口を、両社と書面で決めておきます。
どちらの場合も、ドメインやサーバー、LINEのチャネル、顧客のデータは自社の名義で持ち、お客様の個人データを外の会社に扱わせるときは、委託した自社に委託先を監督する義務があります(個人情報保護法25条)。
決めるのは会社の数より、つなぎ目を誰が持つか
ホームページの制作会社とシステムの開発会社を、1社にするか2社にするか。
この問いに、どちらが正しいという答えはないと私は考えています。
迷ったときに見るべきなのは、2つの仕事の間にある「つなぎ目」です。
問い合わせフォームを例にします。
お客様が入力して送信ボタンを押すまでは、ホームページの仕事です。
送られた内容が社内に届き、顧客の台帳に1行増えて、担当者が対応するところからは、業務システムの仕事です。
その間で、入力された項目を受け取り、決まった形に直して台帳に渡す部分が、つなぎ目になります。
つなぎ目は、どちらの会社の見積もりにも入りにくい場所です。
制作会社は「フォームを
1社に頼むか分けるかは、このつなぎ目を1か所に置くか、2社の約束で埋めるかの違いだと言い換えられます。
同じ会社に頼む場合と、分けて頼む場合の比較
違いが出やすいところを表にしました。
どちらの列にも、よい面と手間のかかる面があります。
| 同じ会社に頼む | 分けて頼む | |
|---|---|---|
| フォームから台帳への受け渡し | 同じ担当が両側を見て決められる。項目を足すときも1回の相談で済む | 受け渡す項目、形式、送り方を両社で取り決める。片方だけ直すと、もう片方で受け取れなくなることがある |
| 名義(ドメイン・サーバー・ | 1社が全部を作ると、どれも作った会社の名義になっていないか確かめる手間が1回で済む。反対に、全部が1社の名義に偏るおそれもある | 会社ごとに別々の名義で作られやすい。どれが誰の名義かを一覧にしておかないと、やめるときに分からなくなる |
| 障害のときの切り分け | 「フォームか、 | どこで止まったかが分かるまで、両社の間で確認が行き来する。最初の窓口を決めておかないと、どちらも待つ形になる |
| 費用の分け方 | 見積もりが1本になり、つなぎ目の作業も同じ見積もりに入る。何にいくらかかっているかは、明細で分けてもらわないと見えにくい | 見積もりが2本になる。つなぎ目の作業がどちらにも入っていない、または両方に入っていることがある |
| 打ち合わせと窓口 | 窓口が1つ。ホームページの話とシステムの話を同じ場でできる | 話がまたがるときは3者で集まることになる。社内で両社の話をまとめる人が要る |
| 片方だけ替えるとき | ホームページだけ別の会社に移すと、つなぎ目の資料が残っているかで手間が変わる | 片方を替えても、もう片方は続けられる。ただし、つなぎ目の取り決めは新しい会社に引き継ぐ |
費用は、1社にまとめれば安くなる、分ければ安くなる、とは言い切れません。
金額を決めるのは、作るページと機能の量、つなぎ目の数、データを移す量、公開した後に誰が何を受け持つかです。
比べるときは、総額より先に、つなぎ目の作業がどちらの見積もりのどの行に入っているかを確かめると、抜けと二重の両方を見つけやすくなります。
名義の具体的な持ち方は、ホームページについてはホームページを外注しても、手放さないものに、システムのソースコードについては外注先が書くコードも、GitHubの自社の組織に置くに書きました。
つなぎ目は、例えばこの3か所
中小企業のホームページと業務システムの間で、よく出てくるつなぎ目を3つ挙げます。
自社にどのつなぎ目があるかを書き出すと、同じ会社に頼むか分けるかの話が具体的になります。
フォームから台帳へ
問い合わせや資料請求のフォームに入力された内容を、顧客の台帳や案件の一覧に入れるところです。
決めることは、どの項目をどの欄に入れるか、同じ人が2回送ってきたときに1人として扱うか、送信の通知と台帳への記録のどちらが先か、です。
どのページから来た問い合わせかを台帳に残したいなら、フォームの側でその情報を一緒に送る作りにしておく必要があります。
ここは、ホームページを作る段階で決めておかないと、後から足すのが手間になる部分です。
予約から通知へ
ホームページの予約の画面で受けた予約を、担当者や店舗に知らせ、予約の台帳に入れるところです。
メールで知らせるのか、社内のチャットに流すのか、お客様にも確認のメールを送るのか。
変更と取り消しも同じ道を通るのか。
既製の予約サービスを使う場合は、そのサービスから何を外に渡せるかで、つなげられる範囲が決まります。
自社の予約がどの型かを先に書き出す方法は予約管理システムの選び方にまとめています。
LINEから顧客へ
LINE公式アカウントの友だちが、台帳のどのお客様なのかを結ぶところです。
LINEの表示名では結べないので、お客様本人に操作してもらって結ぶ段取りが要ります。
ここは、ホームページ(結ぶ
結び方と、チャネルを置くプロバイダーの名義の決め方はLINE公式アカウントの友だちと、自社の顧客台帳をつなぐに詳しく書きました。
自社のサイトで、フォームと記録を同じ手で作って決めたこと
このサイトの問い合わせフォームは、ページも、送信を受け取る仕組みも、自分たちで作っています。
受け取る仕組みのプログラムでは、送られた内容をまず記録に保存し、その後で通知のメールを送る順番にしました。
保存に失敗してもメールは送り、メールの送信に失敗しても保存できていれば、お客様の画面には受け付けたと返します。
記録には「メールを
通知のメールには記録のIDを入れ、メールと記録を照らし合わせられるようにしました。
順番と印を決めるには、フォームの画面で何を送るか(項目や、
同じ手で両側を作ったから1回の判断で済んだ部分です。
分けて頼むなら、この「どちらが
フォームが止まっていないかを見張る方法は予約・問い合わせフォームが止まっていないか、見張る方法に、メールが届かないときの直し方は問い合わせフォームのメールが届かないときの直し方に書いています。
分けて頼むほうが合う場合
同じ会社に頼むほうが話は早くなりますが、分けたほうが合う場面もあります。
一つ目は、今のホームページの制作会社とうまくいっていて、システムだけを足したい場合です。
デザインや更新の進め方に満足しているなら、ホームページを移す理由はありません。
つなぎ目の取り決めだけを3者で作れば足ります。
二つ目は、業務システムの側に、業界向けの既製のサービスがすでにあり、そこに合わせるのが近道な場合です。
システムを作るのではなく既製のサービスを選ぶなら、ホームページの会社には、そのサービスの予約画面やフォームをどう埋め込むか、どこへリンクするかを頼む形になります。
既製のサービスで足りるかの判断はSaaSか、オーダーメイドかにまとめています。
撮影や取材で現場に何度も通うホームページなら、近くの制作会社のほうが向いていることがあります。
システムは画面の共有とWeb会議で進められる部分が多いので、そちらだけ離れた会社に頼む形もあります。
もう一つ、1社に全部を任せると、その会社が対応できなくなったときに両方が止まる、という心配から分ける会社もあります。
分けておけば、片方が替わってももう片方は動き続けます。
ただし、名義を自社で持ち、つなぎ目の資料を残しておくことが前提です。
お客様の情報が2社を通るとき、監督するのは発注した自社
フォームの受け取りや台帳の運用を外の会社が行うと、フォームに入力された氏名や連絡先は、その会社の仕組みを通ります。
個人情報保護法では、お客様の個人データの扱いを外の会社に任せることを「委託」と
個人情報保護委員会のガイドラインは、監督の中身として、適切な委託先を選ぶこと、委託契約を結ぶこと、委託先での扱いの状況を把握することを挙げ、委託先がさらに別の会社に任せる(再委託)
同じガイドラインは、個人データの「入力
フォームで受け付ける部分を任せることも、ここに入ります。
利用目的に必要な範囲で委託し、それに伴って個人データを渡すことは、本人の同意が要る「第三者への
その代わり、委託された会社は、任された仕事の範囲でしかそのデータを扱えません。
フォームを作るだけで、受け取ったデータは自社のメールやサーバーに直接届く形なら、制作会社は個人データを扱わないこともあります。
扱う会社が2社あり、それぞれと自社が契約するなら、両社とも自社からの委託先です。
片方がもう片方に作業を頼む形なら再委託になるので、その相手と中身を自社が先に知らされ、承認する形にしておきます。
2社の間でデータをやり取りする場合も、何を渡してよいか、どこまで扱ってよいかは、委託する自社が決めておくものだと私は考えています。
漏えいのときの決まりも、2社に分けると関係者が増えます。
個人データの漏えいなどで報告の対象になる事態が起きた、または起きたおそれがあると知ったら、会社は個人情報保護委員会に報告します(26条)。
速報は知ってから速やかに(目安は
不正アクセスなど、不正の目的で行われたおそれがある行為による漏えいなどの場合、確報の期限は60日以内です。
委託している場合は、原則として委託元と委託先の両方に報告の義務があり、委託先が委託元に知らせたときは、委託先の報告の義務がなくなる、という決まりです。
委託先から委託元への知らせも速やかに行うもので、目安は概ね3〜5日以内とされています。
ガイドラインには、ウェブサイトの入力ページが第三者に改ざんされ、入力された個人情報がその第三者に送られた場合で、入力された内容を台帳などに入れる予定だったときが、報告の対象の例として載っています。
台帳に入る前の、フォームの段階で起きることも含まれるということです。
分けて頼むなら、異常に気づいた会社が誰に何日以内に知らせるかを、両社との契約か取り決めに入れておきます(個人情報保護委員会:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) 3-4-4・3-5-3・3-6-3、
外の会社を通る道が増えること自体にも、注意が要ります。
IPA(情報処理推進機構)の
頼む会社が1社でも2社でも、それぞれの会社が管理画面やサーバーに入る権限を、必要な範囲に絞って渡すことが基本です。
止まったときは、つなぎ目の前後から調べる
「問い合わせが
お客様の画面で送信できたか。
受け取る仕組みに届いたか。
つなぎ目で形を直して台帳に渡せたか。
台帳に入ったが、通知が出なかっただけか。
分けて頼んでいる場合は、この順番のどこまでを誰が見るかを決めておきます。
私は、最初の窓口をつなぎ目を作った会社に置き、その会社が「フォームの
つなぎ目を自社で作った場合は、自社がその窓口になります。
分けて頼んだときに時間がかかりやすいのは、どちらも「相手の
公開した後に何を誰が受け持つかの決め方は、システムの保守契約で確かめることにまとめています。
契約の前に聞く質問
同じ会社に頼む場合も、分けて頼む場合も、次の質問への答えを書面でもらっておくと、後の行き違いが減ります。
| 聞くこと | 同じ会社に頼む場合 | 分けて頼む場合 |
|---|---|---|
| つなぎ目はどこにあり、誰が作るか | フォームから台帳、予約から通知、LINEから顧客のうち、どれを作業に含むか | どちらの会社の見積もりの、どの行に入っているか。入っていないなら誰が作るか |
| 受け渡す項目と形式 | 項目の一覧と、足すときの手順を資料に残してもらえるか | 項目の一覧を両社で共有し、片方が変えるときに、もう片方へ先に知らせる約束があるか |
| 送れなかったときの扱い | 記録と通知のどちらが先か、失敗したときにどこに残るか | 送れなかったデータがどちらの会社の側に残り、誰が送り直すか |
| 名義 | ドメイン、サーバー、LINEのチャネル、データの置き場が自社の名義になるか | 両社とも、自社の名義のアカウントの中で作業してもらえるか |
| 障害のときの窓口 | 連絡先と、対応する時間帯 | 最初の窓口はどちらか。切り分けの後、もう一方にどう連絡するか |
| 個人データの扱い | 委託の範囲、再委託の有無、漏えいなどのときに何日以内に知らせるか | 同じことを両社に。両社の間でデータを直接やり取りするなら、その範囲 |
| やめるとき | 片方だけ別の会社に移すときに、何を受け取れるか | つなぎ目の資料とアクセスの権限を、次の会社に渡せるか |
依頼先の種類ごとの向き不向きや、業務システムの依頼先を比べる基準は、業務システムの開発を大阪で頼むときの、依頼先の比べ方と進め方に書いています。
Excelでの管理が限界に近いかどうかの見分け方はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインにまとめました。
よくある質問
ホームページと予約・顧客管理のシステムを、同じ会社に頼める?大阪で
ホームページの制作会社とシステムの開発会社は、分けたほうがいいですか?
大阪で、公式LINEと連携したシステムも作れる会社はありますか?
1社に頼むと、費用は安くなりますか?
制作会社とシステム会社が別のとき、お客様の個人情報で気をつけることは?
今のホームページはそのままで、予約や顧客管理の仕組みだけ頼めますか?
bundlyzeは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社のホームページ制作と業務システムの開発を同じチームで受けていて、フォームや予約、LINEからの問い合わせを社内の台帳につなぐところまで一度に相談でき、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、このサイトの問い合わせフォームも、画面から受け取る仕組みまで設計して作っています。
業務システムについて、
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