この記事の結論
三木の金物の作り手や問屋が、ホームページや業務の仕組みを外に頼むときは、「道具を手にした人が、次に何を知りたいか」を先に決めておくと、依頼先との話が具体的になります。三木市の資料によると、2021年の経済センサスで、手引きのこぎりとのこ刃の出荷額は三木市だけで全国の26.2%を占め、三木の金物の輸出額は2022年度に約58億円でした。輸出先の上位はヨーロッパ(45.2%)とアメリカ(27.0%)で、私たちが足すと7割を超えます。市が紹介する職人の話では、鏝(こて)の特注や修理を三木の鍛冶職人に頼む使い手がいる一方、手で使う道具に慣れていない職人も増えています。選ぶ人、使う人、直したい人のそれぞれに、使い方と手入れ、修理の受付先が日本語と英語で分かることが、三木の会社の出発点だと私たちは考えています。依頼先を決める前でも、相談料が無料の三木市中小企業サポートセンターや、三木商工会議所に相談できます。bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。
三木の会社は、「道具を手にした人が、次に何を知りたいか」から考える
「ホームページを作り直したい」「英語のページを作りたい」と依頼先に話すと、多くの場合、ページの見た目や載せる写真の話から始まります。けれど三木の金物の作り手や問屋なら、その前に確かめておきたいことがあります。自社の道具を店や展示会で見た人、すでに買って使っている人、刃が欠けたり鏝が反ったりして困っている人が、それぞれスマホで何を調べるかです。
三木市の中小企業振興の計画と、市の金物の産業の案内を確かめると、三木には次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 三木の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 市内の事業所の15.9%が製造業で、兵庫県(8.2%)の約2倍。手引きのこぎりとのこ刃の出荷額は全国の26.2% | 三木市「中小企業振興のアクションプラン(第3次)」(経済センサスを市が整理) | 自社の道具が、どの分野で、どれくらい知られているか |
| 金物の輸出額は2022年度に約58億円。ヨーロッパとアメリカで7割を超える | 同じ計画(三木商工会議所の輸出の統計) | 海外の使い手や取扱店が、英語で何を確かめたいか |
| 鏝の特注や修理を三木に頼む使い手がいる。一方、手で使う道具に慣れていない職人が増えている | 三木市「現代の名工に聞く、三木金物の魅力」 | 使い方、手入れ、修理の受付が、Webで分かるか |
| 市の小規模事業者の調査で、販売促進や販路開拓、営業活動を課題に挙げた事業者は47.5%。ITの利活用を挙げた事業者は6.0% | 同じ計画(三木商工会議所と三木市の調査) | 販路の課題を、Webの入口の整理から始められるか |
三木は、事業所の6つに1つが製造業で、手引きのこぎりは全国の約4分の1
三木市が2024年3月にまとめた中小企業振興の計画には、2021年の経済センサス(活動調査)の数字が整理されています。市内の事業所は3,094か所、働く人は35,072人で、このうち製造業は491か所、8,852人でした。製造業の割合は、事業所の数で15.9%、働く人の数で25.2%で、兵庫県(8.2%と18.1%)や全国(8.0%と15.2%)より高くなっています(三木市:中小企業振興のアクションプラン(第3次、PDF)、2026年10月3日確認)。
同じ計画で、市が金物に関係すると仮に定めた品目を全国と比べると、手引きのこぎりとのこ刃は、三木市の11の事業所で、全国の出荷額の26.2%を占めています。のみやかんななどの手道具(利器工匠具・手道具)も、全国の出荷額の6.7%です。市は、金物の作り手の事業所の数と働く人の数は横ばいで、出荷額は増えていると見ています。
市の最新の集計では、2023年の実績で、金物に関係する事業所は81か所、働く人は1,665人、出荷額は約332億円でした。市は、品目の区切り方の都合で、あくまで参考の数字だと断っています(三木市:三木金物に関する統計、2026年10月3日確認)。
三木の金物のうち、のこぎり、のみ、かんな、鏝、小刀の5つは、「播州三木打刃物」として国の伝統的工芸品に指定されています。「三木金物」は、特許庁の地域団体商標にも登録されています(三木市:三木金物、2026年10月3日確認)。
一方で、市全体の事業所の数は、2001年の4,136か所から2021年の3,094か所へ減っています。私たちが計算すると、約25%の減少です。計画は、市内の事業所の99%以上が中小企業だとしたうえで、基本の方針に「人手不足、事業承継への対応」「中小企業の経営力強化」「市内の市場の拡大」の3つを挙げています。計画のグラフでは、金物の製造の組合の組合員は2013年の150社から2022年の128社に、金物の卸の組合の組合員は103社から68社に減っていて、私たちが計算すると、卸のほうは約3分の1減っています。
同じ計画には、三木商工会議所と三木市が市内の小規模事業者に行った経営の状況の調査の結果も載っています。2023年度の調査で回答した200の事業者のうち、今の経営の課題(上位5つまで)に「販売促進・販路開拓、または営業活動」を挙げたのは47.5%でした。一方で、「ITの利活用(キャッシュレス対応等)」を挙げたのは6.0%です。販路は課題だと感じていても、それをWebやITで解く課題としては捉えていない会社が多いのかもしれない、と私たちは読んでいます。
問屋を通して全国の売り場に届けてきた三木の道具は、作り手の名前が使い手に直接伝わりにくい流れの中にありました。その流れを支えてきた問屋の数も減っています。私たちは、作り手と問屋のどちらにとっても、道具を手にした人が自社のことを自分で調べられる入口を持っておくことが、これから大事になると考えています。
三木の道具は、海外とプロの現場で使われている
同じ計画によると、三木商工会議所がまとめた三木の金物の輸出額は、2020年度から50億円を超える水準で続き、2022年度は約58億円でした。輸出先の割合は、ヨーロッパが45.2%、アメリカが27.0%、東南アジアが8.3%で、ヨーロッパとアメリカを足すと72.2%になります(足し算は私たち)。計画は、三木の強みの一つに「金物卸企業を中心とした輸出入のノウハウ」を挙げ、施策として、海外への展開や、三木の金物のホームページの活用、地域団体商標の活用を支えることで、世界に向けて三木の金物を発信するとしています。
三木市は、長く第一線で働く職人に、三木の金物について聞いた話を紹介しています(三木市:現代の名工に聞く、三木金物の魅力、2026年10月3日確認)。そこでは、次のような声が載っています。
- 左官の職人が、鏝の特注や修理に応えてくれる鍛冶職人がいるのは三木ぐらいではないかと話し、自分も修理や調整を頼んでいる
- 鏝は使い続けると反りや曲がりが出るため、修理を三木の職人に頼んでいる
- 海外で日本の建築の技術を伝える講習会を開くと、技術と並んで道具にも強い関心が寄せられる
- 日本では機械の導入が広がり、手で使う道具をあまり使ったことのない職人が増えている
私たちは、ここから三木の会社について、3つのことを読んでいます。1つは、三木の道具の使い手には、買ったあとも長く付き合い、修理や調整を頼みたい人がいること。もう1つは、海外の使い手や取扱店が、言葉の壁を越えて三木の道具を知ろうとしていること。そして、手で使う道具に慣れていない若い職人や、日曜大工で初めて使う人には、使い方や手入れの方法から伝える必要があることです。
Webでは、「選ぶ人」「使う人」「直したい人」の入口を分ける
道具を作る会社や扱う会社のホームページは、製品の一覧と会社の沿革だけで終わっていることがよくあります。私たちは、三木の会社なら、読み手ごとに入口を分けて、次のように考えるとよいと考えています。
| 読み手 | 知りたいこと | ページに置くもの |
|---|---|---|
| 小売店やホームセンターの仕入れの担当 | どの製品を、どの数で、どの経路で仕入れられるか | 製品の仕様の一覧、取引の窓口、取扱店向けの資料 |
| 海外の取扱店や使い手 | 何に使う道具で、どこで買え、英語で問い合わせられるか | 主な製品と会社の紹介の英語のページ、問い合わせの方法 |
| すでに使っているプロの職人 | 研ぎ直しや修理、特注を頼めるか。どう送ればよいか | 修理や目立て、特注を受けるかどうか、受け付けの流れ |
| 初めて使う人 | どう使い、どう手入れすればよいか | 使い方と手入れの説明、よくある質問 |
問屋を通して売っている作り手なら、自社のページで直接売らなくてもかまいません。そのかわり、「どこで買えるか」を、取扱店や問屋への案内として書いておくと、製品の名前で探した人が迷いません。問屋の側も、扱う作り手と製品の情報をまとめたページを持っておくと、海外の取扱店や小売店の担当者が、問い合わせの前に判断できます。どちらが何を書くかは、取引先との約束の範囲で決めてください。
英語のページは、最初から日本語のページを全部訳す必要はないと私たちは考えています。主な製品、会社が何をしているか、問い合わせの方法の3つから始めて、海外から実際に来た質問を見ながら足していけば十分です。日本語のページでも英語のページでも、社名と所在地、何を作っている会社かの説明をそろえておくと、検索やAIの答えでも同じ会社だと分かりやすくなります。書き方は会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
使い方や手入れの質問は、電話や店頭で同じことを何度も聞かれているはずです。それを質問と答えの形でページに書いておくと、使い手の役に立つだけでなく、検索やAIの答えにも使われやすくなります。手順はよくある質問ページの作り方。検索とAIに拾われる、問いと答えの書き方が参考になります。取引先の担当者に向けて、加工や対応できる数を書く方法は、東大阪の町工場が、Webで新しい取引先に見つけてもらうために最初に整えることにまとめていて、三木の作り手でも同じように使えます。
修理や特注の受け付けが増えたら、仕組みも一緒に考える
修理や研ぎ直し、特注の相談をWebで受けるようにすると、会社の中の仕事も増えます。預かった道具がどこにあるか、どの状態で受け取り、いつ返すか、費用をいつ伝えたかが、紙の台帳や担当者の記憶だけで管理されていると、少ない人数の工房ほど手が回らなくなります。海外からの問い合わせが加わると、なおさらです。
依頼先に「問い合わせのフォームを作りたい」「受付の仕組みを入れたい」と伝える前に、次のことを書き出しておくと、何から手をつけるかが決めやすくなります。
| 書き出すこと | 例 |
|---|---|
| 相談が入ってくる経路 | 電話、ファクス、メール、問屋や取扱店からの取り次ぎ、展示会での相談、海外からのメール |
| 受ける前に確かめたいこと | 道具の種類、状態の写真、使っている材料や用途、急ぎかどうか |
| 今いちばん手が回っていない仕事 | 預かり品の管理、見積もりの連絡、返送の手配、英語での返事 |
受け付けのフォームで、道具の写真や用途を先に送ってもらえるようにしておくと、やりとりの回数が減ります。フォームで聞くことの決め方は問い合わせフォームを見直すチェックリスト。送信まで迷わせないための15項目に、Excelでの管理を見直す目安はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインにまとめています。
計画の経営者の高齢化や後継者の不足の話を踏まえると、私たちは、受け付けや預かり品の記録を仕組みにしておくことは、技を継ぐ人に仕事を引き継ぐときの準備にもなると考えています。どのお客様の、どの道具を、どう直したかが残っていれば、次の担当者も同じ水準で応えやすくなります。
三木で、依頼先を決める前に使える相談先
三木には、依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。兵庫県全体の窓口は神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に、関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| 販路やPR、ITのことを、何から始めればよいか分からない | 三木市:三木市中小企業サポートセンター | 中小企業診断士などのコーディネーターが、窓口での相談と、工場や店に出向く企業訪問の相談に応じる。相談料は無料で、電話で予約する。支援の内容には、販売促進やPR、プレスリリース、ビジネスマッチング、IT・DXを含む経営全般、国・県・市の補助金の活用が挙がっている。三木の金物の製造、卸、小売の会社には、地場産業の支援として企業訪問で相談に応じる |
| 起業や事業承継を考えている | 三木市:起業や事業承継の相談 | 2025年度から、センターの営業日ならいつでも、起業や第二創業、事業承継の相談ができるようになった。相談料は無料 |
| 金物の会社として、展示会や商談会に出たい | 三木市:三木市見本市等出展事業補助金 | 三木の金物の産業に携わる市内の中小企業が対象。工業製品や技術を紹介する見本市、展示会、商談会が対象で、消費者に向けた販売が目的の催しは対象外。対象の経費は出品料金などで、ホームページの制作は挙げられていない。事業に着手する前に申請し、予算がなくなり次第終わる |
| 市内で起業する | 三木市:起業家支援事業補助金(令和8年度) | 対象の経費の「事業費」に、ホームページの作成などの広告宣伝費が入っている。申請の書類は、中小企業サポートセンターの指導と助言を受けて作る。確かめた時点では、2026年度の募集期間は終わっていた |
| 新製品や会社の話題を、地域の報道機関に知らせたい | 三木商工会議所:プレスリリース支援サービス | 会員の新製品や新しいサービスなどの話題を、商工会議所が代わりに報道機関へ情報提供する。会員なら無料。取り上げられるかどうかは報道機関が決める |
| 海外へ製品を送るための証明が要る | 三木商工会議所:原産地証明書のオンライン発給 | 原産地証明書の申請と受け取りを、窓口とオンラインのどちらでもできる。オンラインで使うには、先に貿易の登録の手続きが要る |
補助の対象や上限、受付の時期は、年度ごとに変わることがあり、予算に達したところで締め切られることもあります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
依頼先や相談先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「仕事の大半は、問屋を通して全国の売り場に出している手道具」「これから増やしたいのは、海外の取扱店からの問い合わせと、プロの職人からの修理の相談」「修理の受け付けと預かり品の管理は、今は紙の台帳でしている」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先や相談先への説明にも使えます。
依頼先には、誰に使われている道具かと、買ったあとの相談の流れを最初に伝える
依頼先を選ぶときに確かめたい点は、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、三木の会社でも同じです。そのうえで三木の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- 自社の道具を使っているのは誰か。プロの職人か、日曜大工の人か、海外の使い手か。売り先は問屋か、取扱店か、直接か
- 買ったあとの相談として、修理や研ぎ直し、特注、使い方の質問を受けているか。受けているなら、今どう受けているか
- 英語で伝えたいことがあるか。あるなら、まず何を伝えたいか
この3つを聞いて、ページの見た目だけでなく、読み手ごとの入口の分け方や、英語のページの始め方、修理や特注の受け付けの仕組みまで話が広がる相手かどうかが、三木の会社の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。この記事を書いている技術責任者の津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアです。SEO・LLMOの対策からホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、選ぶ人や使う人に見つけてもらうページづくりと、修理や特注の相談を受ける仕組みを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
問屋を通して売っているので、作り手の自社のホームページは要らないのではないですか?
英語のページは、日本語のページを全部訳す必要がありますか?
三木市の見本市等出展事業補助金で、ホームページの費用を払えますか?
道具を手にした人の次の行動が分かれば、作るWebが決まる
三木の会社がホームページや業務の仕組みを外に頼むときは、手引きのこぎりのように全国でも大きな割合を占める道具を作っていること、輸出の多くが欧米に向かっていること、修理や特注を頼みたい使い手がいる一方で手で使う道具に慣れていない人も増えていることの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、三木市中小企業サポートセンターや三木商工会議所を頼れます。
まずは、自社の道具について、ここ1年に電話やメールで受けた質問を、思い出せる分だけ書き出すところから始めてみてください。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。