この記事の結論
岸和田の小さな会社や店が、ホームページや予約・顧客管理の仕組みを外に頼むときは、「お客様に見つけてもらうためのホームページ」と「紙や電話で回している業務の仕組み」を分けて考えると、何から頼むかが決まります。大阪府がまとめた令和3年経済センサス(活動調査)では、岸和田市の民営事業所の57.0%が従業者4人以下でした(私たちの計算)。市が2021年に行った事業者アンケートでは、DXの課題として「取り組んでいないため分からない」が32.5%、「デジタル化に対応する業務が少ない」が22.3%と上位に並びました。市の「がんばる岸和田」企業経営支援補助金(デジタル化促進)は、予約や顧客管理、在庫管理などのソフトを導入例に挙げる一方、会社のホームページの構築は対象外としています。紙と電話の流れから最初の一つを選び、ホームページとは分けて頼むことが、岸和田の小さな会社の出発点だと私たちは考えています。bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。
岸和田の小さな会社は、「ホームページ」と「業務の仕組み」を分けてから頼む
「ホームページを作り直したい」「そろそろデジタル化を」と考えても、少ない人数で仕事を回していると、何から手をつければよいかが見えにくいものです。依頼先に相談すると、ホームページの見た目の話と、予約や受注を管理するソフトの話が、一度に出てくることもあります。
岸和田市と大阪府が公表している資料を確かめると、岸和田には次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 岸和田の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 民営事業所の57.0%が従業者4人以下、77.3%が9人以下(2021年6月1日時点) | 大阪府「令和3年経済センサス(活動調査)」統計表 | 誰が、どの時間に、Webやソフトの面倒を見るか |
| 市の事業者アンケートで、DXの課題の上位は「取り組んでいないため分からない」と「デジタル化に対応する業務が少ない」 | 岸和田市「新・産業ビジョン岸和田」 | 紙や電話で回している仕事のうち、どれを最初に変えるか |
| 市の補助(デジタル化促進)は、予約や顧客管理などのソフトを導入例に挙げ、会社のホームページの構築は対象外としている | 岸和田市「がんばる岸和田」企業経営支援補助金(デジタル化促進) | ホームページと業務の仕組みを、別の依頼として分けるか |
| 市の中に、無料で何度でも相談できる売上アップの相談所と、商工会議所の相談窓口がある | 岸和田市ビジネスワンストップ伴走支援センター、岸和田商工会議所 | 依頼先に会う前に、誰に何を聞いておくか |
岸和田は、従業者4人以下の事業所が6割近い街
大阪府がまとめた令和3年経済センサス(活動調査)の統計表によると、2021年6月1日時点で、岸和田市の民営事業所は7,050か所、そこで働く人は67,500人でした。このうち従業者が1人から4人の事業所は4,020か所、5人から9人は1,427か所です(大阪府:経済センサスの報告書と統計データ「令和3年経済センサス(活動調査)」事業所第6表、2026年10月3日確認)。私たちが計算すると、4人以下の事業所は全体の57.0%、9人以下は77.3%で、府全体の55.1%と74.8%をどちらも上回ります。
同じ統計表の産業別の数字(事業所第2表、公務を含む全事業所)では、事業所の数がいちばん多いのは卸売業・小売業の1,543か所で、宿泊業・飲食サービス業の825か所、医療・福祉の793か所、製造業の718か所が続きます。働く人の数では、医療・福祉の14,765人、卸売業・小売業の12,397人、製造業の11,424人の順でした。
市が2022年に策定した産業振興の基本計画「新・産業ビジョン岸和田」は、工業では金属製品製造業が従業者数・事業所数ともに最も多く、歴史的な産業である繊維工業が事業所数で2番目に多いことを、岸和田の特徴として挙げています。農業では府内有数の経営耕地面積と農産物の生産額があり、漁業は府内の漁獲量で最も多くのシェアを占めるとしています(岸和田市:新・産業ビジョン岸和田(岸和田市産業振興基本計画)を策定しました、本編PDF、2026年10月3日確認)。
工場、店、飲食店、農業や漁業に関わる事業者まで、業種はさまざまでも、少ない人数で、作る仕事や接客と、電話や受付、事務を同時にこなしている事業所が多いと私たちは考えています。
市のアンケートでは、DXの課題は「分からない」と「対象の業務が少ない」が上位
新・産業ビジョン岸和田には、市が2021年7月に市内の事業者2,927者に郵送で行ったアンケート(有効回収717件)の結果が載っています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の課題を複数回答で聞いた問いでは、次の答えが上位でした(同計画の本編PDF「事業者アンケート調査結果の概要」、2026年10月3日確認)。
| DXの課題(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| DXに取り組んでいないため分からない | 32.5% |
| デジタル化に対応する業務が少ない | 22.3% |
| 従業員のITスキルが不十分である | 21.5% |
| DXを担う能力のある人材が確保できない | 17.7% |
| 自社のどの業務をデジタルに移行すれば良いのか分からない | 8.4% |
同じ年の8月から9月に行われた事業者へのヒアリングの概要には、「DXへの動きは、比較的従業員が多い事業者は進み、少ない事業者は進んでいない」という課題と、「伝票や顧客管理などについてはデジタル化を考えていきたい」「DXに関して、段階別のヒントの提供や相談事業」を望む声が並んでいます。
「デジタル化に対応する業務が少ない」と感じるのは、仕事の中心が、ものを作ることや、店で人に接することにあるからだと私たちは考えています。けれど、見積もりや注文の受け付け、予約、お客様の記録、在庫の数の確認など、作る仕事や接客のまわりには、紙と電話で回している仕事が残っていることが多いはずです。計画は、策定から5年後の2026年度に中間の見直しを行うとしています。アンケートは2021年のものですが、少ない人数の事業所の事情は、今も大きくは変わっていないと私たちは考えています。
「デジタル化する業務が少ない」と感じたら、紙と電話の流れから一つ選ぶ
最初から会社全体をデジタル化しようとすると、何を頼めばよいかが決まりません。私たちは、紙や電話、手書きのメモで回している仕事を書き出し、困っているものを一つだけ選ぶところから始めるとよいと考えています。業種ごとに、たとえば次のような仕事が候補になります。
| 事業所の例 | 紙や電話で回していることが多い仕事 | 最初の一つの候補 |
|---|---|---|
| 金属加工や繊維など、取引先から注文を受けて作る工場 | 図面と見積もりのやりとり、注文と納期の管理 | 見積もりと受注の記録を1か所にまとめる |
| 美容室や整体、教室など、予約を受けて接客する店 | 電話での予約、予約の変更、来てくれたお客様の記録 | 予約の台帳と、お客様の記録をつなげる |
| 飲食店や小売の店 | 仕入れと在庫の数、レジの締め、常連のお客様への連絡 | 在庫や売上の数を、毎日手で数えずに見られるようにする |
| 農産物や海産物、その加工品を売る事業者 | 電話やファクスでの注文、発送の手配、季節ごとのお客様への案内 | 注文と発送の記録を、1か所で見られるようにする |
選ぶときは、「いちばん時間を取られている仕事」か「間違いが起きるといちばん困る仕事」を優先します。Excelで管理している仕事が増えてきたら、見直しの目安はExcelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインが参考になります。既製のソフトで足りるか、自社に合わせて作るかの考え方はSaaSか、オーダーメイドか。業務システム選びで迷ったときの判断基準にまとめています。予約を受ける店なら、ソフトを比べる前に予約管理システムの選び方。比較表を見る前に、自社の「予約の型」を書き出すで、自社の予約の受け方を書き出しておくと話が早くなります。
ここで大事なのは、ホームページの作り直しと、業務の仕組みの導入を、同じ依頼にまとめないことです。ホームページは「お客様や取引先に見つけてもらい、問い合わせてもらう」ためのもの、業務の仕組みは「問い合わせや注文を受けたあとの仕事を楽にする」ためのものです。目的が違うので、頼む相手や、使える補助、決める順番も違ってきます。
市の補助は、ホームページと業務ソフトで扱いが分かれる
岸和田市は、市内の中小企業者等に向けて「がんばる岸和田」企業経営支援補助金を設けています。このうち「デジタル化促進」の区分は、生産性向上や業務効率向上に役立つデジタル化の費用の一部を補助するものです(岸和田市:「がんばる岸和田」企業経営支援補助金(デジタル化促進)、2026年9月14日掲載、2026年10月3日確認)。市のページで確かめたことは、次のとおりです。
- 導入例として、業種共通で「予約・予約管理システム」「顧客管理ソフト」「在庫管理ソフト」が、バックオフィスでは会計ソフトや出勤管理ソフト、卸売・小売業ではPOSシステム、製造業では生産・品質管理システムなどが挙がっている
- 既製のソフトの購入や利用の費用、既製のソフトを自社向けに直すための委託開発費、導入に伴う初期設定やデータ移行の費用などが対象になる
- 一方で、ソフトの委託開発費のうち、コーポレートサイト(会社のホームページ)の構築・実装・更新の費用と、販売機能や決済機能の構築・実装・更新の費用は、導入例に挙げたものを除いて対象外とされている
- 必ず事業に着手する前に申請する必要があり、申込・発注・契約・支払いなどの後では対象にならない。見積書をもらうことは着手に含まれない
- 確かめた時点(2026年10月3日)では申請の受付期間中で、予算の上限に達し次第終了すると書かれている
つまり、市のこの補助を使うことを考えるなら、「会社のホームページを作り直す」依頼と「予約や顧客管理のソフトを入れる」依頼は、最初から分けて見積もりを取っておく必要があると私たちは考えています。1つの見積もりにまとめてしまうと、どこまでが対象になるのかを、申請の前に市と確かめにくくなるからです。どの費用が対象になるかは、申請の前に市の産業政策課に必ず確かめてください。
同じ補助金の「販路拡大」の区分では、製品や商品を紹介する動画の制作費用が対象経費に挙がっていて、ホームページやSNSなどで広く公開する、合計60秒以上の動画に限るとされています(岸和田市:「がんばる岸和田」企業経営支援補助金(販路拡大)、2026年10月3日確認)。こちらも事業に着手する前の申請が必要です。
業務の仕組みを頼むときに、依頼先に何を伝えればよいかは要件定義とは。システム開発を頼む前に、発注する側が準備することに、見積もりを受け取ったときに確かめることは業務システムの見積もりの読み方。金額を比べる前に確かめることにまとめています。
地域の産品や、まちとのつながりは、ホームページで伝える
業務の仕組みと分けたうえで、ホームページには、お客様や取引先が自社を選ぶ理由を書きます。岸和田の会社なら、地域とのつながりもその一つになります。
市の事業者アンケートで、今後の事業展開に活かしたい岸和田の地域資源を聞いた問いでは、「特にない」が60.8%と最も多く、次いで「だんじり」が11.3%、「水なす・彩誉(にんじん)などの農産物」が8.1%、「しらす・ワタリガニ等の海産物」が5.2%でした(新・産業ビジョン岸和田本編PDF、2026年10月3日確認)。市がオープンデータで公表している岸和田だんじり祭の9月祭礼(岸和田地区・春木地区)の観客数は、2025年は宵宮と本宮を合わせて37万人でした(岸和田市:岸和田だんじり祭 9月祭礼(岸和田地区・春木地区)観客数の推移、2026年10月3日確認)。
祭りや名産品を無理に結びつける必要はありません。けれど、「岸和田の〇〇町で、〇〇年から金属加工をしている」「岸和田でとれた〇〇を使っている」のように、どこで何をしている会社かを本文の文字で書いておくと、地名をつけて検索したり、AIに聞いたりした人にも伝わりやすくなると私たちは考えています。書き方は会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
市は、岸和田で生産・製造・加工された食品や工業製品のうち、基準を満たすものを「岸和田ブランド」として認定していて、2026年3月19日掲載のページでは24品目・24事業者が認定されています。新規の募集は2年に1度で、次は第13回(令和9年度)の予定とされていますが、認定についての相談は募集の時期に関わらず、市の産業政策課と岸和田商工会議所で随時受け付けています(岸和田市:岸和田ブランド認定品に関する相談を随時受け付けています、2026年10月3日確認)。
岸和田で、依頼先を決める前に使える相談先
岸和田には、依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| 売上や集客、情報発信の方向を、まず専門家と整理したい | 岸和田市ビジネスワンストップ伴走支援センター(岸和田商工会議所ビジネスセンター):センター概要 | 岸和田市内の事業者や起業を考える人のための公的な相談拠点で、成果が出るまで無料で何度でも相談できる。1回60分の予約制で、場所は岸和田商工会議所の3階。販路拡大やPR・情報発信の相談を受けていて、ITアドバイザーもいる。近隣の市外の事業者も相談できるが、市内の事業者が優先 |
| 経営や補助金の申請、事業計画を相談したい | 岸和田商工会議所:経営・創業相談 | 経営指導員が、創業や営業、マーケティングなど経営の相談を受けている。弁護士や税理士などの無料の専門相談の日も設けている。会員企業には、大阪商工会議所と連携した無料の専門家派遣がある(原則、大阪府内) |
| 予約や顧客管理、在庫管理などのソフトを入れたい | 岸和田市:「がんばる岸和田」企業経営支援補助金(デジタル化促進) | 申請の受付期間中。事業に着手する前の申請が必要で、相談と申請は市役所の産業政策課で受け付けている。会社のホームページの構築は対象外 |
| 製品を紹介する動画を作り、ホームページやSNSで公開したい | 岸和田市:「がんばる岸和田」企業経営支援補助金(販路拡大) | 申請の受付期間中。合計60秒以上で、広く公開する製品紹介の動画の制作費用が対象経費に挙がっている |
| 岸和田で作った産品を、市の認定品として知ってもらいたい | 岸和田市:岸和田ブランド認定品に関する相談 | 認定の相談は随時受け付けている。次の新規募集は第13回(令和9年度)の予定 |
補助の対象や上限、申請の時期は、年度ごとに変わることがあります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
依頼先や相談先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「従業員は3人で、注文の半分は電話とファクスで受けている」「見積もりは手書きの控えで、過去の見積もりを探すのに時間がかかる」「ホームページは数年前に作ったきりで、何をしている会社かが伝わっていない」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、ホームページと業務の仕組みのどちらから頼むかを、相談先と一緒に決めやすくなります。
依頼先には、紙と電話で回している仕事と、ホームページの目的を分けて伝える
依頼先を選ぶときに確かめたい点は、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、岸和田の会社でも同じです。そのうえで岸和田の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- 紙や電話、手書きのメモで回している仕事のうち、最初に変えたい一つと、その理由
- ホームページで、誰に見つけてもらい、何を問い合わせてほしいか
- 市の補助を使うことを考えているか。考えているなら、ホームページと業務の仕組みの見積もりを分けてほしいこと
この3つを聞いて、ホームページの見た目だけでなく、問い合わせのあとの仕事の流れや、補助の対象を踏まえた見積もりの分け方まで提案が変わる相手かどうかが、岸和田の小さな会社の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、SEO・LLMOの対策からホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、お客様に見つけてもらうためのホームページと、問い合わせや注文を受けたあとの業務の仕組みを、分けて整理したうえで一緒に考えられます。この記事を書いている技術責任者の津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアです。
よくある質問
岸和田市の補助金で、ホームページの制作費を払えますか?
うちは人数が少なく、デジタル化する業務がほとんどありません。それでも何かできますか?
ホームページの作り直しと、予約や顧客管理の仕組みは、同じ会社に頼むべきですか?
最初の一つが決まれば、頼む中身が決まる
岸和田の小さな会社がホームページや業務の仕組みを外に頼むときは、従業者4人以下の事業所が6割近いこと、市のアンケートでDXの課題に「分からない」と「対象の業務が少ない」が並んだこと、市の補助がホームページと業務ソフトで扱いを分けていることの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、市の相談所や岸和田商工会議所を頼れます。
まずは、紙や電話、手書きのメモで回している仕事を書き出し、いちばん時間を取られているものに印をつけるところから始めてみてください。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。