この記事の結論
ホームページを自分で更新する方法は、大きく4つです。
WordPressなどのCMSを自分たちのサーバーで動かす、ネット上の作成サービスで作る、原稿のファイルから書き出す静的なサイトにする、制作会社に頼んで直してもらう。
CMSを比べるときに見るのは機能の数より、誰が文章を直し、誰が仕組みの更新とセキュリティを引き受け、ドメインとデータが誰のものになるかです。
社内で頻繁に書くならCMS、ページが少なく自分たちで手早く作りたいなら作成サービス、エンジニアが関われるなら静的サイト、社内に手を動かす人がいないなら制作会社に頼む形、が目安になります。
検索やAI検索で読まれるかどうかは、仕組みの名前より、中身と、ページの速さや構造化データを整えられるかで差がつく、と私は考えています。
CMSとは、ホームページを専門の知識なしで更新するための仕組み
CMSとは、HTMLを書かなくても、管理画面から文章や写真を入れ替えられるようにする仕組みのことです。
「ホームページを自分で更新したい」という相談は、多くの場合、どのCMSにするかという話から始まります。
ただ、比べる相手はCMSどうしだけではありません。
私は、選び方を次の4つに分けて考えています。
- WordPressなどのCMSを、自社で借りたサーバーで動かす
- ネット上の作成サービス(ブラウザで作って、そのまま公開まで済むサービス)を使う
- 原稿をファイルで書き、書き出しの仕組みでページにする静的なサイト(私たちのサイトはこれです)
- 更新はすべて制作会社に頼み、社内では原稿だけ用意する
同じ「自分で更新できる」でも、文章を直す手間、仕組みを最新に保つ手間、何かあったときの責任の置き場所が、それぞれ違います。
CMS比較表:4つの方法を、引き受けるもので並べる
表は私たちの考えとしてまとめたものです。
同じ方法でも、作り方や契約で変わるところがあります。
| 比べること | WordPress(自社のサーバー) | 作成サービス | 静的サイト+原稿ファイル | 制作会社に頼む |
|---|---|---|---|---|
| 文章を直す人 | 社内の人が管理画面で | 社内の人が編集画面で | 原稿は社内、反映はエンジニア | 制作会社 |
| 向いている更新の頻度 | 週に何度も | 月に何度か | 月に何度か(エンジニアがいれば毎日でも) | 月に1回以下 |
| 仕組みのセキュリティ | 自社か保守の契約先。本体とプラグインの更新が続く | 主にサービスの運営会社 | 管理画面がないぶん、守るものが少ない | 契約次第 |
| 費用の形 | サーバー代と保守の手間(または保守料) | 月額か年額の利用料 | 公開する場所の費用と、エンジニアの手間 | 更新のたびか、月額の契約 |
| 別の仕組みへの移しやすさ | データを書き出せるので移しやすい部類 | サービスによる。書き出せる範囲を先に確かめる | 原稿がファイルで手元にあるので移しやすい | 元のデータを受け取れるか次第 |
| 速さと構造化データ | テーマとプラグイン次第 | サービスが用意した範囲で | 自由に作れるが、作る人の腕次第 | 制作会社次第 |
| ドメインとデータの持ち主 | 自社で契約すれば自社 | 独自のドメインを自社で持てるか、規約を確かめる | 自社 | 名義を確かめないと分からない |
表の中で、私がいちばん見てほしいのは最後の行です。
どの方法を選んでも、ドメインを自社の名義で持っていれば、仕組みは後から替えられます。
名義の確かめ方は、ドメイン移管とはにまとめています。
それぞれの方法で、後から効いてくること
WordPress:書きやすさと引き換えに、更新が続く
社内で何人もが書くなら、WordPressの管理画面はやはり使いやすいものです。
引き継げる制作会社を探しやすいのも強みです。
そのかわり、本体・プラグイン・テーマの更新を当てる人が要ります。
2026年7月にはIPAが本体の脆弱性について注意を呼びかけ、自動更新で版が上がっているかを確かめるよう案内しました。
このあたりはWordPressのデメリットに詳しく書きました。
作成サービス:始めやすいが、出口を先に見ておく
作成サービスは、サーバーを借りる必要がなく、仕組みの更新もサービスの運営会社が受け持ちます。
ページが少なく、自分たちで手早く作りたい会社には合います。
気をつけるのは、やめるときです。
作ったページをそのまま別の仕組みに持ち出せないサービスもあるので、使い始める前に、独自のドメインを使えるか、文章や画像を書き出せるか、解約した後にページとドメインがどうなるかを、利用規約とヘルプで確かめておきます。
料金の改定や機能の終了も、運営会社が決めることです。
静的サイト:守るものは少ないが、直せる人が要る
静的なサイトは、出来上がったHTMLのファイルを置くだけなので、ログインする管理画面がそもそもありません。
狙われる入り口が少なく、表示も速くしやすい作り方です。
弱点ははっきりしていて、書き出しの仕組みを分かる人がいないと、1行も直せません。
問い合わせのフォームのように動く仕組みが要るところは、別に用意します(サーバーを持たずに動かす構成は小さな会社の管理画面を、サーバーを持たずに作る構成)。
制作会社に頼む:社内の手間は小さいが、待ち時間と名義を見る
頼めば直してもらえるので、社内に手を動かす人がいなくても回ります。
引っかかるのは、頼んでから反映までの日数と、契約に入っている作業の範囲、それにドメインやサーバーの名義です。
制作会社と連絡がつかなくなったとき、名義が向こうにあると、サイトを止めないことすら難しくなります(止まり方はホームページが表示されない原因に書きました)。
検索とAI検索への備えは、仕組みでどこまで変わるか
「このCMSはSEOに強い」という言い方を見かけますが、Googleがどれか特定の仕組みを優遇するとは、私の知るかぎり書かれていません。
仕組みで差が出るのは、検索に関わる設定を、自分たちの手で入れられるかどうかです。
一つは構造化データです。
Googleは、構造化データをページの情報を標準化したデータ形式と説明し、サイトの設定が許すかぎりJSON-LDという書き方を勧めています。
HTMLを直接さわれないCMSでも、検索エンジン向けの設定画面や、構造化データを入れられるプラグインがある場合がある、とも書いています(Google 検索セントラル:構造化データの概要、2026年10月5日確認)。
作成サービスでは、サービスが用意した項目の範囲でしか入れられないことがあります。
もう一つはページの速さです。
GoogleはCore Web Vitalsの目安として、LCPは2.5秒以内、INPは200ミリ秒未満、CLSは0.1未満を挙げ、ランキングを決めるときに考慮する要素の一つだとしています(Google 検索セントラル:Core Web Vitals、2026年10月5日確認)。
どの仕組みでも速いサイトは作れますが、プラグインや飾りを足しても速さを保てるかは、測り直す人がいるかで決まります。
AI検索のために、特別な仕組みを選ぶ必要はありません。
Googleは、検索の生成AI機能はコアとなる検索ランキングと品質システムに根ざしているのでSEOのベストプラクティスは引き続き有効で、表示されるために機械可読のファイルやマークアップを新たに作る必要はない、と書いています(Google 検索セントラル:Google 検索における生成 AI 機能への最適化のための Google ガイド、2026年10月5日確認)。
呼び名の違いはLLMO・AIO・GEO・AEOの違いに書きました。
CMSを選ぶ段階で効いてくるのは、会社の説明やサービスの中身を、自分たちで書き直し続けられるかどうかのほうです。
仕組みを替えるときに手間がかかるのは、URLが変わるとき
CMSを乗り換えると、ページのアドレス(URL)の形が変わることがよくあります。
Googleは、URLが変わる移転では、元のURLと新しいURLの対応表を作り、技術的に可能ならサーバー側の恒久的なリダイレクト(301など)を使い、それを一般的には1年以上、できるだけ長く残すよう書いています。
移転中は検索での順位が一時的に変わることがあり、それは通常のことだ、とも書いています(Google 検索セントラル:サイトを移転する方法、2026年10月5日確認)。
なので、選ぶ段階で「後から出られるか」を見ておくと、乗り換えの手間が変わります。
URLの形を自分たちで決められるか。
文章と画像をまとめて書き出せるか。
転送の設定を自分たちで入れられるか。
作り直すかどうかの判断そのものはホームページのリニューアルは必要かに、サーバーを移すときの確認はホームページのサーバーを移すとき確かめることに書いています。
私たちのサイトは、原稿ファイルから書き出す静的サイト
このサイトは、表の3つ目の作り方です。
コラムは1本が1枚のMarkdown(見出しや表を記号で書くテキストの書式)のファイルで、これを書き出しの仕組みに通すと、記事のページ、構造化データ、記事の一覧がまとめて出来上がります。
書き出しのときには、日本語が語の途中で折り返されないよう、BudouXという道具で文節の区切りを入れています(その理由と直し方は日本語が単語の途中で改行される原因)。
出来上がったファイルは、GitHubに変更を載せると自動でFirebase Hostingに公開される仕組みで、これを組んだのは2026年7月22日です。
コラムを公開し始めたのは2026年9月29日で、最初の30本をまとめて出しました。
この作り方を選んでよかったと思うのは、変更の履歴がすべて残ることです。
いつ、どの文を変えたかを、後から追えます。
サイトに管理画面のログインがないので、そこを狙われることもありません。
守る相手は、GitHubやFirebaseのアカウントのほうに移ります。
困るところもはっきりしています。
誤字を1文字直すだけでも、原稿を直し、書き出し、スマホとパソコンの両方で表示を確かめ、変更を載せる、という手順を通ります。
2026年10月4日からは、公開の前に、主な事実と出典、題と説明文を1枚の確認表にまとめて私が照らし合わせる手順も足しました。
社内に書き出しの仕組みを分かる人がいなければ、この作り方は勧めません。
私たちの場合は、私がエンジニアで、仕組みも手順も自分で組んで直せるから成り立っています。
どれにするかは、社内に「書く人」と「直す人」がいるかで決める
仕組みを比べる前に、私が最初に確かめたいのは次のことです。
社内で、文章を書いて載せたい人は誰か。
その人は、週に何本書くのか、年に何回か直すだけなのか。
仕組みの更新や、何か起きたときの対応を、社内か外注先の誰が持つのか。
答えが出れば、表のどの列が合うかは、おおむね決まります。
実際には間を取る形もあり、たとえば仕組みは制作会社が持ち、お知らせだけ社内で書く、という分け方もあります。
決めた分担は、ホームページの更新は誰が・どの頻度でのように、変わったときに誰が直すかまで書いておくと、数年後に困りません。
よくある質問
中小企業のホームページには、どのCMSがいいですか?
作成サービスで作ったサイトは、後から別の仕組みに移せますか?
CMSを替えると、検索の順位は下がりますか?
静的サイトでも、お知らせを自分で更新できますか?
bundlyzeは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談を受けていて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、このサイトを原稿ファイルから書き出す仕組みと、公開までの手順を受け持っています。
迷ったら、まず社内で「今年、ホームページの文章を書く人は誰か」を一人決めてから、仕組みを比べてみてください。
ご相談
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「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。