この記事の結論
奈良の中小企業が、Web集客やシステムを外に頼むときは、「お客様がどこにいて、いつ探すのか」を先に確かめておくと、依頼先との話が具体的になります。奈良県では、働く人の27.3%が県外で働いていて、この割合は全国で3番目に高い数字です。観光で訪れる人の約9割は日帰りで、日帰り客の35.0%は大阪府から来ています。同じ奈良県でも、生駒市のように働く人の半分が県外で働く地域と、ほとんどの人が地元で働く南部の地域では、商圏が違います。整理の段階から、国が設置した無料の経営相談所である奈良県よろず支援拠点や、県内の商工会・商工会議所を頼れます。
奈良の会社は、お客様の「場所」と「時間」を数字で確かめてから頼む
「ホームページを新しくしたい」「業務をシステムにしたい」と依頼先に話すと、多くの場合、作るものの話から始まります。けれど奈良の会社の場合、その前に確かめておきたいことがあります。お客様や取引先、採用したい人が、平日の昼にどこにいて、いつ、どこから自社を探すのかです。
奈良県と国の統計を確かめると、奈良には、ほかの地域と比べてはっきり違う数字がいくつかあります。私たちが、依頼の前に見ておくとよいと考えているのは、次の3つです。
| 奈良の数字 | 出典 | 依頼の前に考えること |
|---|---|---|
| 働く人の27.3%が県外で働いている(全国3位) | 令和2年国勢調査(奈良県のまとめ) | お客様や採用したい人は、平日の昼に奈良にいないことがある。いつ、何で探すのか |
| 県外で働く人の割合は、生駒市で51.5%、天川村で0.3% | 同上 | 「奈良県で対応」だけでは足りない。どの市町村の、どの駅の近くまでが自社の商圏か |
| 観光で訪れる人の約9割が日帰り | 令和6年奈良県観光客動態調査 | 観光のお客様に関わるなら、来る前とその日に、何を見て決めるのか |
観光のお客様と関わりのない会社は、3つめを飛ばして読んでください。
働く人の4人に1人以上が県外へ。平日の昼、お客様は奈良にいないことがある
令和2年の国勢調査を奈良県がまとめた資料では、15歳以上の就業者のうち、県外で働く人の割合(県外就業率)は27.3%でした。埼玉県(29.3%)、千葉県(27.4%)に次いで全国3位です。通勤・通学で奈良県から他の都道府県に出ている人は195,323人で、そのうち大阪府へは156,780人です(奈良県:令和2年国勢調査 従業地・通学地集計結果、2026年10月1日確認)。
つまり奈良の会社にとって、お客様や採用したい人の多くは、平日の昼は大阪などで過ごしています。私たちは、ここから次の3つを考えておくとよいと見ています。
- 個人のお客様に向けた会社は、店や事務所が開いている時間に、お客様が近くにいないことがあります。問い合わせや予約を、営業時間の外でも受け付けられるか(フォームやLINEなど)を、依頼の前に決めておきます
- 会社を相手にする会社は、取引先の担当者が、大阪の会社と並べて比べることがあります。何ができるかに加えて、奈良の会社に頼む理由(近さ、対応できる地域、移動の手間など)を、言葉にしておきます
- 人を採用したい会社は、応募する人が、大阪で働くことと比べて考えます。通勤の時間や働き方など、比べるときに知りたいことを、採用のページに書けるか確かめます
同じ奈良でも、北西部と南部で商圏が違う
同じ資料で市町村ごとの県外就業率を見ると、生駒市が51.5%、王寺町が41.7%、三郷町が40.8%で、この3つの市町では働く人の4割以上が県外で働いています。一方で、天川村は0.3%、上北山村は1.3%、川上村は2.1%で、南部では低くなっています(奈良県:令和2年国勢調査 従業地・通学地集計結果)。
大阪に近い北西部では、お客様の生活が大阪と行き来しています。南部では、お客様の多くが地元で暮らし、働いています。同じ「奈良県の会社」でも、どこに向けて発信するかで、ホームページに書くことや、地図の検索で見つけてもらうための準備が変わります。
依頼先と話すときは、次のことを伝えておきます。
- 実際にお客様が来ている市町村と、最寄りの駅や主な道路
- 対応できる地域の範囲と、その範囲を会社概要やGoogleビジネスプロフィールにどう書いているか
- お客様が、地名と一緒にどんな言葉で探していそうか(分かる範囲で)
対応地域の書き方は会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順、地図の検索で見つけてもらう準備はMEO対策とは。来店型のお店でない会社が、Googleマップに出るためにやることにまとめています。
観光のお客様は約9割が日帰り。調べるのは、来る前とその日
奈良県の「令和6年奈良県観光客動態調査」では、2024年に奈良県を訪れた観光客(実人数の推計)は2,876万9千人回で、そのうち日帰り客が2,602万4千人回でした。約9割が、県内に泊まらずに帰っていることになります。1人あたりの観光消費額は、日帰り客が4,405円、県内に泊まる人が33,284円です(奈良県:令和6年奈良県観光客動態調査報告書、2026年10月1日確認)。
同じ調査のアンケートでは、日帰り客の76.4%が関西圏から来ていて、最も多いのが大阪府(35.0%)、次いで奈良県内(20.1%)、兵庫県(9.0%)でした。県内に泊まる人は、関東圏(36.5%)からが最も多く、都道府県では東京都(15.4%)が一番です。
観光のお客様に関わる会社は、日帰りの人と泊まる人で、調べる時期と知りたいことが違う、と私たちは考えています。
| お客様 | いつ調べるか | ページや地図に載せておきたいこと |
|---|---|---|
| 日帰りの人(関西から) | 前日やその日に、移動の途中で | 今日開いているか、駅や駐車場からの行き方、どのくらい時間がかかるか |
| 県内に泊まる人(関東などから) | 数日から数週間前に、ほかと比べながら | 何が体験できるか、予約の方法、ほかの場所とどう組み合わせられるか |
| 県内の人 | 思い立ったときに、近くで探す | 地域の名前で探したときに出てくるか、前と比べて何が新しいか |
日帰りの人は、大阪や県内など、近くから来ています。一度来た人が、もう一度来てくれる関係を作れるかも、考えておく価値があります。
奈良で、依頼先を決める前に使える相談先
奈良には、依頼先を決める前の段階から使える公的な相談先があります。今の段階に合わせて選びます。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月1日) |
|---|---|---|
| 何から手をつけるか、まだ決まっていない | 奈良県よろず支援拠点 | 国が設置した無料の経営相談所で、何度相談しても無料。奈良県地域産業振興センターが運営している。相談の例に「チラシやホームページは、どうやって作ったらいいの?」を挙げている。初回の相談は、原則2人で受ける |
| 平日に時間が取れない | 奈良県よろず支援拠点(相談窓口の案内) | 奈良市柏木町の本部は平日8時30分から17時15分。近鉄奈良駅前のサテライトオフィスは、月曜から土曜の9時から19時。大和高田と橿原には、完全予約制の出張相談所がある。来られない場合は、メールでの相談も受け付けている |
| 人手が足りず、業務のやり方から見直したい | 奈良県よろず支援拠点(生産性向上支援センター) | 業務の見える化、作業の標準化、デジタル活用、省力化のための投資の検討などについて、状況に合わせて助言する |
| 地元で、続けて相談できる相手がほしい | 商工会・商工会議所 | 奈良県内には33の商工会と、4つの商工会議所(奈良・大和高田・生駒・橿原)がある。経営指導員が、窓口や巡回で経営の相談に応じる |
| ITやAIの使い方を、特定の製品に偏らずに聞きたい | 中小企業基盤整備機構:IT経営サポートセンター | 国の機関が運営するオンラインの相談窓口。無料で、1回60分、何度でも使える。特定のITツールや依頼先に偏らない立場で助言する |
県の補助金や支援事業は、奈良県のサイトの「生産性向上支援・デジタル化支援」のページにまとまっています。対象や募集の時期は年度ごとに決まり、募集が終わっているものも載っています。使えそうな制度があれば、申請や依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。国の「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)も、条件が合えば使えます(公式サイト)。
相談先に行く前に、この記事の3つの数字のうち、自社に関係するものに印をつけておくと話が早くなります。「お客様の多くは平日の昼に大阪にいる」「商圏は生駒市と周辺の駅」「観光のお客様は日帰りが中心」のように、自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先への説明にも使えます。
依頼先には、お客様がどこから、いつ探すのかを最初に伝える
依頼先を選ぶときは、地域よりも、自社の業務や集客の話をどこまで聞いてくれるかを重視します。確かめたい点は大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、奈良の会社でも同じです。
そのうえで奈良の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- お客様や取引先、採用したい人が、平日の昼にどこにいて、いつ自社を探すのか
- 実際にお客様が来ている市町村や駅と、対応できる地域の範囲
- 観光のお客様に関わるなら、日帰りの人と泊まる人の、どちらを増やしたいのか
この3つを聞いて、営業時間の外での受付や、対応地域の書き方、観光のお客様に向けたページの中身まで提案が変わる相手かどうかが、奈良の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeは大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、奈良を含む関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、大阪と比べられることを前提にした集客と、営業時間の外でも問い合わせを受けられる仕組みを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
平日に時間が取れなくても、奈良県よろず支援拠点に相談できますか?
奈良の会社でも、大阪の依頼先に頼んでいいですか?
観光のお客様と関わりのない会社にも、この記事の数字は関係がありますか?
お客様の場所と時間が分かれば、頼む中身が決まる
奈良の会社がWeb集客やシステムを外に頼むときは、大阪へ通う人の多さ、北西部と南部の商圏の違い、日帰りが中心の観光という3つの数字を、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、奈良県よろず支援拠点や地元の商工会・商工会議所を頼れます。
神戸・兵庫の会社が使える窓口は、神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に載せています。まずは、自社のお客様が平日の昼にどこにいるかを、1行で書き出すところから始めてみてください。
ご相談
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