この記事の結論
愛媛の中小企業がWeb集客やシステムの導入を外部に任せる前には、「社長や家族の頭の中にある仕事の進め方のうち、どれを会社の仕組みとして書き出すか」と「ホームページを、誰に向けて、どんな会社だと伝える場所にするか」の2点を決めておくと、依頼先との話がぶれにくくなります。
愛媛県よろず支援拠点は、県内の相談の傾向として、家業から企業への経営体制の整備や事業承継を挙げています。
県がまとめた2024年経済構造実態調査では、県内の製造業の事業所の44.3%が従業者9人以下で、私たちが計算すると29人以下が約8割でした。
農業と漁業でも、経営体の数が5年で約2割減るなか、会社の形をとる経営体は増えています。
依頼先が決まる前でも、何度でも無料で相談できる愛媛県よろず支援拠点、えひめ産業振興財団の相談窓口、松山商工会議所などの商工団体が使えます。
bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
愛媛の会社は、頼む前に「何を仕組みにするか」と「誰に何を伝えるか」を決めておく
ホームページや業務システムの相談は、「問い合わせを増やしたい」「手作業を減らしたい」から始まるのがふつうです。
愛媛の会社の場合は、その手前で、県内の相談窓口や統計が示している事情を一度見ておくことをおすすめします。
どの仕事から仕組みにするか、サイトで何を伝えるかが、そこから決まってくるからです。
県や公的な窓口の資料を読んで、私たちが依頼の前に押さえておきたいと考えた愛媛の事情は、次の3つです。
| 公的な資料から分かること | 出典 | 頼む前に決めておくこと |
|---|---|---|
| 県内の相談の傾向として、家業から企業への経営体制の整備、事業承継、事業譲渡などが挙げられている | 愛媛県よろず支援拠点「よろず支援拠点とは」 | 社長や家族しか知らない仕事の進め方のうち、どれを書き出して、誰でも回せる形にするか |
| 製造業の事業所の44.3%が従業者9人以下。私たちの計算で、29人以下が約78% | 愛媛県「2024年経済構造実態調査(製造業)の愛媛県分結果の要約」 | 少ない人数で回す前提で、見積もりや受発注、顧客の管理のどこから仕組みにするか |
| 農業も漁業も経営体の数は5年で約2割減ったが、会社の形をとる経営体は増えている | 愛媛県「2025年農林業センサス」「2023年漁業センサス」の結果概要 | 取引先や働く人の候補に、どんな会社かが伝わるサイトになっているか |
小さな事業所が多い愛媛。出荷額は大きな工場と、4つの市に集まる
愛媛県企画統計課がまとめた「2024年経済構造実態調査(製造業)の愛媛県分結果の要約」によると、県内の製造業は2,592事業所、従業者は8万1,639人で、2023年の製造品出荷額等は5兆5,931億円(全国第24位)でした。
事業所の数では、食料品が14.7%と最も多く、繊維、パルプ・紙、生産用機械が続きます。
出荷額等では、非鉄金属が26.2%、石油・石炭が13.5%、パルプ・紙が11.6%、輸送用機械が8.1%です(愛媛県:経済構造実態調査(製造業)2023年調査結果、愛媛県:2024年経済構造実態調査(製造業)の愛媛県分結果の要約(PDF)、2026年10月3日確認)。
なお、この調査は個人経営の事業所を除き、出荷額等の大部分を占める範囲の事業所を対象にしているため、経済センサスなどとは数字が違うと注記されています。
同じ要約の規模別、市町別の数字から、私たちが計算すると次のようになります。
- 従業者9人以下の事業所は1,148で、全体の44.3%。29人以下まで含めると2,024事業所で、約78.1%
- 一方で、29人以下の事業所の出荷額等を合わせると、全体の約7.4%。従業者300人以上の38事業所(約1.5%)が、出荷額等の54.1%を占める
- 出荷額等は、新居浜市、今治市、西条市、四国中央市の4市を合わせると約79.7%。事業所の数が最も多いのは松山市(18.5%)だが、出荷額等では9.6%
ここから私たちが考えるのは、愛媛の製造業の多くは、大きな工場を中心とした取引の中で、少ない人数で仕事を回している、ということです。
人数が少ない会社ほど、見積もりの考え方や取引先ごとの決まりごとが、社長や古くからいる人の頭の中にあります。
その状態で、次の代に引き継ぐときや、新しい取引先を探すときに、困ることが出てきます。
| 書き出しておくこと(私たちの考え) | 例 | 依頼先と話すときに使う場面 |
|---|---|---|
| 社長や家族しか判断できない仕事 | 見積もりの金額の決め方、取引先ごとの納め方の決まり | 誰でも同じように判断できる手順や、システムの入力項目を決めるとき |
| 紙や電話、Excelで回している仕事 | 受注の控え、在庫の数、作業の日報 | どの仕事から仕組みにするか、順番を決めるとき |
| 会社の外に、まだ書いていないこと | 加工できる材料や量、対応できる地域、品質の管理のしかた | 新しい取引先に見つけてもらうためのサイトの中身を決めるとき |
ものづくりの会社がWebで何を伝えるかは、東大阪の町工場が、Webで新しい取引先に見つけてもらうために最初に整えることにも書いています。
手作業が限界かどうかを見分ける目安は、Excelでの業務管理が限界になったときの、7つのサインにまとめています。
農業も漁業も、家族経営から会社の形へ
製造業だけでなく、農業と漁業でも同じ動きが見えます。
愛媛県の「2025年農林業センサス」の結果概要では、県内の農業経営体は1万7,392で、5年前より20.0%減りました。
一方で、法人化している農業経営体のうち会社法人は360で、5年前より16.1%増えています。
気象や市況、作業の記録などのデータを活用した農業を行っている経営体は、全体の34.7%でした(愛媛県:農林業センサス、2025年農林業センサス 愛媛県調査結果の概要(PDF)、2026年10月3日確認)。
漁業も同じです。
「2023年漁業センサス」の結果概要では、県内の海面漁業の経営体は2,736で、前回の2018年調査より20.6%減りました。
個人の経営体が減る一方で、会社は166経営体と、前回より13.7%増えています。
市町別では宇和島市が771経営体で最も多く、今治市、松山市、愛南町が続きます(愛媛県:2023年漁業センサス愛媛県結果概要、結果概要(PDF)、2026年10月3日確認)。
会社の形になると、人を雇い、取引先と契約を結び、売上や作業の記録を残す場面が増えます。
家族の中で口頭で済んでいたやりとりを、誰が見ても分かる形にする必要が出てくる、と私たちは考えています。
ホームページも、直接買ってくれるお客様に加えて、取引先や働く人の候補が、どんな会社かを確かめに来る場所になります。
| 読む人 | 相手が確かめたいこと(私たちの考え) | サイトに書いておくこと |
|---|---|---|
| 取引先や仕入れの担当者 | 何を、どのくらいの量、いつ頃から出せるか | 扱う品目や加工の範囲、出荷できる時期、問い合わせの受け方 |
| 直接買ってくれるお客様 | どこで、どう育てたり獲ったりしたものか | 産地や作り方の説明、注文と発送の流れ、季節で変わる情報 |
| 働く人の候補 | どんな仕事を、どんな体制でしているか | 会社としての仕事の流れ、働き方の条件、任される範囲 |
会社の説明が、検索やAIの答えで正しく伝わる書き方は、会社概要を、AIに正しく伝わる形に書く手順にまとめています。
愛媛で、依頼先を決める前に使える相談先
愛媛県内の公的な窓口を、困っていることの種類ごとに並べました。
| こんなときに | 窓口 | 公式ページで確かめた内容(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| Web集客やIT、事業の進め方を、何から始めるか相談したい | 愛媛県よろず支援拠点 | 経済産業省が全国に設置した経営相談窓口で、相談と支援は何度でも無料。電話やメールでの相談も受けている。常設の拠点は松山市久米窪田町のテクノプラザ愛媛別館内。行政手続きや融資、助成金の申請手続きといった実務の代行は行っていないと書かれている |
| 松山まで行かずに、近くで相談したい | 愛媛県よろず支援拠点:相談場所 | 四国中央、今治、松山、大洲、八幡浜、宇和島の各商工会議所や、西予市役所、西条市の支援センターなどで、毎月決まった日にサテライト相談を開いている。要予約で、1回60分程度 |
| 人手が足りず、現場の仕事の回し方から見直したい | 愛媛県よろず支援拠点:生産性向上支援センター | 国が全国のよろず支援拠点の中に置く窓口で、専門家が現場に入って伴走する。業務の見える化や作業の標準化、デジタル活用、省力化投資の検討などを支援する。対象として、飲食、宿泊、小売、製造、運輸、建設など9つの業種が挙げられている |
| 専門家に会社に来てもらい、ITや集客の助言を受けたい | えひめ産業振興財団:経営相談、ビジネス・サポート・オフィス | 県内の企業の経営相談を受ける財団の窓口。個別相談は無料で、事前に電話で予約する。専門家派遣では、約120名の専門家から紹介され、派遣のジャンルにマーケティング、業務効率化、ITが含まれている |
| 近くの商工会議所や商工会で、ITを使った経営の相談をしたい | えひめ産業振興財団:チームえびす | 正式にはえひめビジネスサポートネットワークで、専門家派遣などで中小企業を支える。相談は無料で、ITを活用した経営力強化も支援の対象に挙げている。県内各地の支援拠点の所在地と連絡先が載っている |
| 松山市内で、中小企業診断士などに相談したい | 松山商工会議所:経営相談コーナー、専門相談 | 中小企業診断士などの専門家が、販路の開拓や経営戦略の相談を受ける。事前予約制で1回1時間。専門相談は、小規模事業者なら1企業2回まで無料と書かれている |
| 次の代への引き継ぎや、事業を譲ることを相談したい | 愛媛県事業承継・引継ぎ支援センター | 四国経済産業局の委託で、えひめ産業振興財団が設置する公的な相談窓口。相談料は無料で、秘密は守られると書かれている |
県の補助金には、使える経費や条件が細かく決まっているものがあります。
たとえば、県内の中小企業のDXを後押しする「愛媛県DXはじめの一歩補助金」は、確かめた時点(2026年10月3日)では追加公募を受付中でした。
対象は国のDX認定を取得済みか申請済みの事業者で、追加公募では、システム構築費や外注費、クラウドサービスの利用料は補助の対象外とされています(愛媛県:DXはじめの一歩補助金の追加公募、2026年10月3日確認)。
また、県が進めるデジタル実装の取り組みで成果が出た、ものづくりと海事の分野の事例を取り入れる「トライアングルエヒメ横展開補助金」も、確かめた時点(2026年10月3日)では受付中でした。
こちらは、その取り組みに採択された事業者と組むことが条件です(愛媛県:トライアングルエヒメ横展開補助金(ものづくり・海事)、2026年10月3日確認)。
制度を使うつもりなら、依頼先と契約を結ぶ前に、担当課の公式ページで、何が対象になるかを含めて最新の条件を確かめておきます。
窓口や依頼先と話す日までに、「社長や家族、古くからいる人しかできない仕事はどれか」と「自社のサイトを、取引先、お客様、働く人の候補のうち、誰に一番読んでもらいたいか」をメモに書いておきます。
たとえば「見積もりの金額は社長が経験で決めている」「受注の控えは紙のノートに書いている」「サイトは何年も前に作ったまま、扱う品目が今と違う」といった書き方で十分です。
同じメモは、愛媛県よろず支援拠点やえひめ産業振興財団での相談にも、依頼先との最初の打ち合わせにも使えます。
依頼先には、引き継ぎたい仕事と、伝えたい相手を最初に伝える
依頼先を選ぶときの物差しは、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方に書いたものが、愛媛の会社でもそのまま使えます。
頼む前に書き出しておきたいことは、要件定義とは。
システム開発を頼む前に、発注する側が準備することに、出来合いのサービスで済ませるか作るかの判断はSaaSか、オーダーメイドか。
業務システム選びで迷ったときの判断基準に書いています。
そのうえで、候補の会社との最初の打ち合わせでは、この記事の事情に沿って、次のことを話してみてください。
- 社長や家族しか判断できない仕事のうち、どれを書き出して、誰でも回せる形にしたいか
- ホームページを、取引先、お客様、働く人の候補のうち、誰に向けて作るか。その相手は県内か、県外か
- 今回の範囲をどこまでにするか。サイトと業務の仕組みのどちらから整え、何を社内に残すか
サイトの見た目より先に、今の仕事の進め方や、誰が何を判断しているかを聞いてくる相手なら、家業から会社への移り変わりを踏まえて考えてくれていると判断できます。
bundlyzeでは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
この記事を書いている技術責任者の津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアです。
SEO・LLMOの対策からホームページ制作、業務システムの開発、AIの活用までを一社で対応しているので、どんな会社かを伝えるサイトと、社長の頭の中にある仕事を書き出して仕組みにする作業を、分けずに一緒に考えられます。
愛媛の会社とはWeb会議を中心に進め、対面での打ち合わせは日程を相談して決めます。
顔を合わせて相談したいことは、県内の窓口とあわせてお使いください。
よくある質問
愛媛の会社が、大阪の会社にホームページやシステムを頼んでも大丈夫ですか?
愛媛県よろず支援拠点には、松山まで行かないと相談できませんか?
県のDXの補助金で、業務システムの開発を頼めますか?
何を仕組みにし、誰に伝えるかが決まれば、頼む中身が決まる
愛媛の会社が外部に頼む前にできることは、思ったより多くあります。
小さな事業所が多く、家業から企業への体制づくりが課題に挙がる県だという前提で、社長や家族しか判断できない仕事を書き出し、どれから仕組みにするかを決めておく。
製造業でも、農業や漁業でも会社の形が増えている前提で、ホームページを誰に向けて、どんな会社だと伝える場所にするかを決めておく。
この2つがそろうと、依頼先に頼む範囲と、社内に残す仕事がはっきりします。
途中で迷ったら、愛媛県よろず支援拠点や、えひめ産業振興財団、松山商工会議所などに持ち込めます。
最初の一歩は、この1週間に社長や家族が判断した仕事を、紙に書き出してみることです。
ご相談
Webからの集客について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。