この記事の結論
ホームページが表示されない原因は、ページの作りが壊れたことよりも、サイトの外側にある「更新」と「名義」の切れ目であることが多いです。
具体的には、ドメインの期限切れ、DNSの書き換えの誤り、SSL証明書の更新の失敗、サーバー契約の終了、そして作った会社がアカウントを持ったまま離れることです。
どれも、出るエラーの種類で見当がつき、ドメインはWHOIS、DNSは公開の調べる道具、証明書はブラウザの鍵のマークから、自分で確かめられます。
私たちも2026年9月、wwwなしの自社のアドレスの証明書が、仕組みの上で更新できなくなっていることに、期限まで残り18日の時点で気づきました。
止まってから慌てないために、何がどこにあり、誰の名義で、いつ更新されるかを一覧にしておくことが、いちばん効く備えです。
画面に出る言葉で、どこが止まったかの見当をつける
ホームページが見られなくなったとき、私が最初に確かめるのは、画面に何と出ているかです。
ページが真っ白なのか、警告が出るのか、「サイトにアクセスできません」と出るのかで、疑う場所が変わります。
ブラウザが「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」のように言うときは、名前からサーバーの場所を引く段階、つまりドメインかDNSで止まっています。
「この接続ではプライバシーが保護されません」のような警告なら、サーバーまでは届いていて、証明書に問題があります。
「500」「503」のような数字や、サーバー会社の案内ページが出るなら、サーバーかその契約の側です。
ページは出るのに問い合わせだけが届かないなら、フォームとメールの側を見ます。
もう1つ、wwwありのアドレスと、wwwなしのアドレスの両方で開いてみてください。
片方だけが開かないことは珍しくなく、その理由は後で書きます。
スマホの回線とパソコンの回線で結果が違うときは、DNSの書き換えがまだ行き渡っていない途中かもしれません。
止まり方と、症状・確かめ方・防ぎ方
小さな会社のサイトが止まる場面を、私たちの経験と公開されている決まりから、次の表にまとめました。
細かい手順は、それぞれ詳しく書いた記事に任せています。
| 止まり方 | 症状 | 確かめ方 | 防ぎ方 |
|---|---|---|---|
| ドメインの期限切れ | サイトもメールも同時に使えない | WHOISで有効期限と状態を見る | 名義を自社にし、自動更新の支払い方法も確かめる |
| DNSの書き換えの誤り | アドレスが見つからない、別のサイトが出る | 公開のDNSを調べる道具で、今の値を引く | 変える前に全部の記録を控え、TTLを先に下げる |
| wwwあり・なしの片方だけ | 片方のアドレスだけ開かない、警告が出る | 両方のアドレスで開き、証明書も両方見る | 片方をもう片方へ転送し、両方を同じ場所で管理する |
| 証明書の更新の失敗 | 「接続が保護されません」の警告 | ブラウザの鍵のマークで有効期限を見る | 自動で更新される仕組みに載せ、期限は別に見張る |
| サーバー契約の終了 | 503などのエラーや、サーバー会社の案内ページ | 契約の名義と支払いの状況を見る | 契約と請求の宛先を、自社にしておく |
| 作った会社が離れる | すぐには止まらず、更新の時に止まる | 管理画面に自社で入れるかを試す | アカウントを自社名義で持ち、作業者を招く形にする |
| 移した後のフォーム・メール | ページは出るが、問い合わせが届かない | フォームから自分宛てに送ってみる | 移す前に、送信の仕組みとメールの記録を書き出す |
表の後半は、技術よりも「誰の名義か」の話になります。
ドメインもサーバーも、名義と支払いが自社にあれば、困ったときに自分で管理画面に入って直せます。
ドメインの期限切れは、サイトとメールが一緒に止まる
ドメインが失効すると、そのドメインを使っているものがまとめて使えなくなります。
ホームページだけでなく、info@ のような会社のメールアドレスも同じドメインの上にあるからです。
サイトが見られないことより先に、取引先からの「メールが戻ってくる」という連絡で気づくこともあると思います。
JPドメインを管理するJPRSは、登録の期限を過ぎて意図せず廃止になった場合でも、廃止から20日以内なら登録の回復を申し込めると案内しています。
手続きは契約している事業者に相談し、通常は手数料がかかります。
一定の期間が過ぎると、第三者がそのドメイン名を登録できるようになる、とも書かれています(JPRS:ドメイン名の廃止に関する注意、2026年10月5日確認)。
つまり、気づくのが遅れるほど、取り戻せなくなる道に近づきます。
自動更新にしてあっても安心はできません。
更新の代金を引き落とすクレジットカードの有効期限が切れていた、登録したメールアドレスが辞めた担当者のもので更新の案内を誰も読んでいなかった、という形で止まることがあるからです。
JPドメインならJPRS WHOISでドメイン名を引くと、状態と日付が表示されます。
2026年10月5日に自社のドメインを引くと、状態の欄は「Connected (2027/04/30)」でした。
一度引いてみて、表示された期限と、自社が把握している期限が合っているかを見ておくと安心です。
名義を制作会社から自社へ移す手続きは、ドメイン移管の記事に書いています。
DNSの書き換えは、間違いが行き渡ってから気づく
DNSは、ドメイン名から「サイトはこのサーバー、メールはこのサーバー」と行き先を引くための表です。
サーバーを変えるときやメールのサービスを変えるときに、この表を書き換えます。
止まるのは、たいていこの書き換えのときです。
よくあるのは、ネームサーバー(その表をどこで管理するか)を新しい事業者に切り替えたのに、新しい側に元の記録を移していなかった、という形です。
サイトの記録だけ移して、メールの記録(MX)を移し忘れると、サイトは見られるのにメールだけ届かなくなります。
入力欄にドメイン名が自動で付く管理画面で、ドメイン名まで打ち込んでしまい、名前が二重になることもあります。
DNSの値は、すぐには全員に行き渡りません。
それぞれの記録には、ほかのDNSが覚えておいてよい時間(TTL)が付いていて、その時間が過ぎるまでは古い値を返す場所が残ります。
私たちが自社ドメインの記録を書き換えたときも、同じドメインを受け持つ3台のDNSサーバーのうち1台だけ、新しい値を返すまでに約10分遅れました。
間違えた値も同じように行き渡り、直した値も同じように遅れて届きます。
そのため、書き換える前に今の記録をすべて書き出し、TTLを先に短くしておきます。
手順はサーバーを移すときの確認表に、作業の時刻も含めて書いています。
今の値は、パソコンの dig や nslookup で引けるほか、公開されているDNSを調べる道具でも見られます。
引いた値を、控えておいた値と並べて見るのが、いちばん早い確かめ方です。
wwwなしのアドレスは、CNAMEで向けられないことが多い
www.example.co.jp と example.co.jp は、利用者には同じに見えても、DNSの上では別の名前です。
wwwなしの方は、ドメインのいちばん上(apex、ゾーンの頂点とも呼びます)にあたり、ここには特別な事情があります。
wwwありの名前は、CNAMEという記録で「この名前は、あちらの名前の別名です」と書けます。
クラウドのサービスが用意した名前に向けておけば、サービス側でサーバーの住所が変わっても、こちらは何もしなくて済みます。
私たちの www.bundlyze.co.jp も、配信に使っている Firebase Hosting の名前(bundlyze-hp2.web.app)へのCNAMEです(2026年10月5日に確認)。
ところが、DNSの基本を定めた RFC 1034 は、CNAMEがある名前には、ほかの記録を置かないよう定めています。
一方で、ゾーンのいちばん上には、そのゾーンを受け持つDNSサーバーの一覧(NS)と、管理のための記録(SOA)が必ずあります(RFC 1034 3.6.2節・4.2.1節、2026年10月5日確認)。
この2つの決まりがぶつかるので、多くのDNSの管理画面では、wwwなしの名前にCNAMEを置けません。
置けるように見えるサービスは、裏で行き先のIPアドレスを引いて返す、独自の仕組みを持っています。
たとえば Cloudflare は「CNAME flattening」という名前で、ゾーンのいちばん上でCNAMEを使えるようにする機能を説明しています(Cloudflare:CNAME flattening、2026年10月5日確認)。
そうした機能がないDNSでは、wwwなしの名前はIPアドレスを直接書くA(とAAAA)の記録で向けることになります。
その結果、wwwありはクラウドへ、wwwなしは前から使っているレンタルサーバーへ、と向き先が分かれたまま、何年も気づかれないことがあります。
片方だけが止まるのは、この分かれ目からです。
私たちのwwwなしのアドレスで起きかけたこと
2026年9月8日、wwwなしの bundlyze.co.jp を置いていたレンタルサーバーから、無料の証明書の更新が終わっていない、という知らせが届きました。
有効期限は9月27日の朝6時8分でした。
調べると、更新の操作を何度しても直らない状態でした。
そのサーバーの無料の証明書は、wwwなしとwwwありの2つの名前を1枚に載せる決まりになっていました。
証明書は、載っている名前すべてについて、管理しているのが自分だと示せないと発行されません。
ところが、wwwありの名前はすでにCNAMEで Firebase Hosting に向いていて、レンタルサーバーからは示せませんでした。
前の節の、向き先が分かれた状態そのものです。
もし期限を過ぎていたら、https://bundlyze.co.jp/ で来た人だけが、証明書の警告を見ることになっていました。
wwwありのアドレスは無事なので、自分たちが普段開くページでは気づけません。
しかも、私たちの名刺には、wwwなしのアドレスが刷ってありました。
名刺を見て打ち込んでくれた人ほど、警告の画面に行き着く形です。
直し方として、wwwなしの名前もwwwありと同じ Firebase Hosting に移し、wwwありへ転送する形にしました。
証明書は Firebase Hosting が自動で発行し直すと説明している仕組みです(Firebase:カスタム ドメインを接続する、2026年10月5日確認)。
DNSを書き換えたのは9月14日から15日にかけてで、期限の12日前に切り替えを終えました。
移した理由と手順はSSL証明書の期限切れを防ぐ記事に詳しく書いています。
振り返ると、知らせのメールが届いたのは幸運でした。
届かなかったら、あるいは誰も読まない宛先に届いていたら、期限の朝まで気づかなかったはずです。
証明書の期限は、知らせのメールを待たずに自分で見る
証明書の更新の知らせは、これからも届くとは限りません。
無料の証明書を発行している Let's Encrypt は、期限が近づいたことを知らせるメールを、2025年6月4日でやめると告知しました。
多くの利用者が更新を自動にしていることなどを理由に挙げ、期限を見張るには、ほかの事業者の見張りの仕組みを使うよう案内しています(Let's Encrypt:期限の通知メールの終了、2026年10月5日確認)。
期限は、ブラウザでアドレス欄の左にある鍵のマーク(またはサイト情報のマーク)から、証明書の詳細を開けば見られます。
wwwありとwwwなしの両方で開いて、それぞれの有効期限と、証明書に載っている名前を見てください。
私たちの bundlyze.co.jp の証明書は、10月5日に見ると9月16日に発行し直されていて、12月15日までの期限になっていました。
切り替えの準備で9月14日に発行された証明書とは別のもので、私たちが何もしないうちに替わっていました。
自動で更新される仕組みでも、こうして期限が動いているかを、ときどき外から見ておくつもりです。
サーバー契約と、作った会社の手元にあるアカウント
サーバーの契約が切れたときに止まるのは、多くの場合、支払いが止まった日ではなく、事業者が決めた猶予が過ぎた日です。
そのため、止まった時点では、なぜ止まったのか社内の誰にも分からないことがあります。
契約の名義と請求の宛先が、ホームページを作った会社になっている場合は、なおさらです。
作った会社との付き合いが終わっても、サイトはしばらく動き続けます。
止まるのは、ドメインや証明書、サーバーの次の更新日です。
その日までに、ドメインの管理画面、DNSの管理画面、サーバー、Search Console と Google アナリティクスに、自社のアカウントで入れるかを試しておきます。
入れないものがあれば、それが止まる候補です。
名義を移す順番はドメイン移管の記事に、サイトと一緒に業務システムも引き継ぐ場合はシステムを作った会社と連絡が取れないときに書いています。
移した後に止まりやすいのは、フォームとメール
サーバーやDNSを変えた後、ページが表示されたことで安心してしまいがちです。
ところが、問い合わせフォームの送信は、古いサーバーの仕組みに頼っていたり、送信元を許可するDNSの記録(SPF)が古いままだったりして、ページとは別に止まります。
ページを開くだけでは分からないので、フォームから自分宛てに1通送り、届くかどうか、迷惑メールに入らないかを見ます。
届かないときの直し方は問い合わせフォームのメールが届かないときに書いています。
止まっている間、検索はどうなるか
サーバーが「500」や「503」のようなエラーを返すと、Googleのクローラーは、一時的にサイトを見に来るペースを落とします。
すでに検索に載っているページはしばらく残りますが、エラーが続けば、最終的には検索から外れます。
サーバーが正常に返すようになれば、見に来るペースは少しずつ戻る、とGoogleは説明しています(Google 検索セントラル:HTTP ステータス コードとエラーの扱い、2026年10月5日確認)。
半日で直れば、検索への影響を心配するより、その間に来られなかった人のことを考えるほうが先だと私は思います。
止まった日と直った日は、Search Console のページの登録の状況や、クロールの統計情報でも、後から確かめられます。
止まらないように、名義と期限を1枚にしておく
ここまでの止まり方は、どれも「更新の日」と「誰の名義か」が分かっていれば、前もって手を打てるものでした。
まず、ドメイン、DNS、証明書、サーバー、計測(Search Console・Google アナリティクス・タグマネージャー)について、どこの事業者で、誰の名義で、いつ更新されるかを書き出します。
私たちも、自社のドメインのDNSを切り替える前に、全部の記録を書き出して残しました。
DNSは書き換えると、元の値がどこにも残らないからです。
そのうえで、私が勧めたい備えは次のようなものです。
更新日は、担当者個人ではなく、会社で共有している予定表に入れる。
管理画面のアカウントは自社名義で作り、外の作業者には招待で入ってもらう。
DNSや証明書を触った日は、何をどう変えたかを日付つきで残す。
そして、表示と証明書の期限を、人の記憶ではなく仕組みで見張る。
どれも手間は小さく、止まってから調べ直す時間に比べればずっと軽いと感じています。
更新を誰が担うかの決め方はホームページの更新は誰がするかにも書きました。
よくある質問
ホームページが急に表示されなくなったら、最初に何を見ればいいですか?
ドメインの期限が切れたら、もう取り戻せませんか?
wwwなしのアドレスにCNAMEを設定できないのはなぜですか?
証明書の更新の知らせが来ないなら、問題はないと考えていいですか?
bundlyzeは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談を受けていて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、サーバーやDNS、証明書もふだんの仕事の範囲です。
今日のうちにできることを1つ挙げるなら、自社のドメインをWHOISで引いて、表示された日付を予定表に入れておくことです。
ご相談
サーバーやクラウドの運用について、いまの状況をお聞かせください。
「何から手をつければいいか分からない」という段階からで構いません。返信は担当者が直接お送りします。