この記事の結論
加古川の小さな作り手や店が、ホームページや業務のシステムを外に頼むときは、「自社の名前で探されたときに、何が見つかるか」を先に確かめておくと、依頼先との話が具体的になります。加古川市の統計書を私たちが計算すると、2024年の調査で、市内の工場の製造品出荷額等のうち約76%を、従業者300人以上の9つの事業所が占めています。一方で、従業者30人未満の事業所は市内の工場の約3分の2ありますが、出荷額では約6%です。数字の上では見えにくい会社が多い街だと私たちは考えています。市は、展示会への出展や地場産業の靴下の発信を後押ししていて、空き店舗に出店する人への補助では、ホームページの開設の費用も対象に入っています。どちらの補助も、使う順番を間違えないことが大事です。
加古川の会社は、「自社の名前で探されたとき」から考える
「ホームページを作り直したい」「お店のページを作りたい」と依頼先に話すと、多くの場合、ページの見た目や載せる写真の話から始まります。けれど加古川の小さな作り手や店なら、その前に確かめておきたいことがあります。展示会で名刺を受け取った人や、品のタグを見た人、店の前を通った人が、あとで自社の名前をスマホで検索したときに、何が出てくるかです。
加古川市の統計書と、市の産業振興課の案内を確かめると、加古川には次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 加古川の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 製造品出荷額等の約76%を、従業者300人以上の9つの事業所が占める。30人未満の事業所は数では約3分の2 | 加古川市統計書(経済構造実態調査を市が集計) | 取引先の向こうにいる人にも、自社の名前と仕事が伝わっているか |
| 県内の靴下の製造業者の約7割が市内に集まり、市が「加古川靴下」の認知を広げようとしている | 加古川市「加古川靴下」「加古川靴下応援情報」 | 品や催しで知った人が、作り手の名前までたどれるか |
| 展示会への出展を補助する制度があるが、対象の経費にホームページの制作は入っていない | 加古川市「中小企業魅力発信支援補助金」 | 展示会で会った人が、あとで見るページを用意できているか |
| 駅の近くの空き店舗などに出店する人への補助では、ホームページやインスタグラムの開設・運営の費用も対象。ただし交付が決まる前に発注したものは対象外 | 加古川市「空き店舗等活用支援事業補助金」 | 依頼先と契約する前に、補助の手続きを済ませられるか |
加古川は、大きな工場が数字の大半を占める街
加古川市の統計書(令和7年度版)には、国の経済構造実態調査の調査票の情報を、市が独自に集計した表が載っています。2024年6月1日時点の調査で、従業者4人以上の工場は市内に292か所あり、16,447人が働いています。製造品出荷額等は、合わせて約1兆3,324億円でした。業種では鉄鋼が約8,354億円で最も多く、数字が公表されている業種では、次が電気機械器具、はん用機械器具、食料品の順です(加古川市:令和7年度版加古川市統計書(web版)工業、2026年10月3日確認)。
同じ統計書の従業者の規模別の表から、私たちが割合を計算すると、次のようになります。
| 従業者の規模 | 事業所の数 | 事業所の数の割合 | 出荷額等の割合 |
|---|---|---|---|
| 4人から29人 | 196 | 約67% | 約6% |
| 30人から299人 | 87 | 約30% | 約18% |
| 300人以上 | 9 | 約3% | 約76% |
出荷額の大きさで見ると、加古川は大きな工場の街です。けれど事業所の数で見ると、3分の2は30人に満たない小さな工場です。主な製造品の一覧にも、建設機械の部分品や、鉄鋼品や金属板の賃加工など、ほかの会社の製品の一部を作ったり、加工を引き受けたりする品目が、いくつもの事業所で並んでいます。
工場に限らず、市内の事業所はほとんどが小さな会社やお店です。2021年の経済センサス(活動調査)で、市内の民営の事業所は8,028か所あり、そのうち4,456か所が従業者1人から4人、9人以下まで含めると6,054か所でした。私たちが計算すると、9人以下の事業所が全体の約75%になります(加古川市:令和7年度版加古川市統計書(web版)事業所、2026年10月3日確認)。
大きな取引先の仕事を長く続けている会社ほど、新しい相手に自社のことを説明する機会は少なかったはずです。取引先の担当者は自社を知っていても、その先にいる人や、新しく取引を考える人からは、名前も仕事も見えていないことがあります。私たちは、ここが加古川の小さな会社がWebで最初に埋めるところだと考えています。
靴下や建具のように、品は知られても作り手の名前は知られにくい
加古川市によると、兵庫県は東京、奈良とともに靴下の三大産地とされ、加古川市の周辺は全国有数の取扱高があり、県内で靴下の製造業を営む事業者の約7割が加古川市内に集まっています。明治の初めに、志方町の人が手回しの編み機を持ち帰ったことが始まりとされています(加古川市:加古川靴下、2026年10月3日確認)。上荘町国包の地区では、江戸時代の中ごろから、釘を使わずに木を組んで模様を描く組子などの建具が作られてきました(加古川市:国包建具、2026年10月3日確認)。
市は、加古川靴下を市外での催しに出したり、JR加古川駅の近くにポスターを貼ったりして、ブランドとしての認知を高め、ファンを増やすことを目指すとしています。毎年11月には、靴下のメーカーが集まって直売する「靴下まつり」も開かれています(加古川市:加古川市は「加古川靴下」を応援しています!、2026年10月3日確認)。
統計書の靴下の製造業の表では、2024年の従業者4人以上の事業所は10か所、従業者は281人、出荷額等は約34億5,000万円でした。私たちが計算すると、市全体の製造品出荷額等の1%に届きません。それでも市が名前を出して応援しているのは、出荷額の大きさとは別に、加古川の名前を外に伝えられる産業だからだと私たちは読んでいます。
ただ、「加古川靴下」という言葉が広まっても、それを手に取った人が、どこの誰が作ったのかまでたどれるとは限りません。私たちは、靴下や建具に限らず、加古川の作り手は次のことを確かめておくとよいと考えています。
- 品のタグやパッケージ、催しで渡す紙に、自社の名前と、検索して見つかるページの入口が載っているか
- 自社の名前で検索したときに、何を作っている会社か、どこで買えるか、少ない数の注文や名入れなどの相談を受けるかが、最初の画面で分かるか
- 「加古川」と品の名前で探した人に、作っている地区や作り方など、自社ならではのことが文章で伝わるか
取引先から預かった品や、名前を出せない仕事がある会社も多いはずです。その場合も、扱える素材や工程、設備、対応できる数など、出せる範囲を書いておけば、新しく取引を考える人の判断の材料になります。加工の仕事の書き方は、東大阪の町工場が、Webで新しい取引先に見つけてもらうために最初に整えることにまとめていて、加古川の工場でも同じように使えます。
展示会の補助は、ホームページの制作には使えない。だから順番を決めておく
加古川市には、市内の中小企業が販路を広げるために、全国規模の展示会に出展する費用の一部を補助する「中小企業魅力発信支援補助金」があります。2026年10月3日に公式ページで確かめた内容は、次のとおりです(加古川市:加古川市中小企業魅力発信支援補助金)。
- 対象は、市内に主な事業所がある、建設業、製造業、情報通信サービス業の中小企業と、靴下と国包建具の地場産業の団体
- 対象の展示会は、国内で開かれる全国規模で、出展の小間が100以上あり、即売を目的としないもの。交付が決まった日より前に開かれた展示会は対象にならない
- 対象の経費は、出展料、会場の設営の費用、その展示会のために新しく作るパンフレットの印刷費、出展物の運搬費。ホームページの制作は、対象の経費に挙げられていない
- 前の年度にこの補助を受けた事業者は申請できない。2026年度は予算を増やして追加で受け付けていて、予算に達したところで終わる
展示会では、多くの人と名刺を交換します。けれど、その場で取引が決まることは多くありません。会場で話した担当者は、会社に戻ってから、名刺やパンフレットにある社名で検索し、上司や社内に説明するための材料を探します。私たちは、そのときに見つかるページがあるかどうかで、展示会の後の問い合わせが変わると考えています。
補助の対象にホームページが入っていない以上、展示会とWebの準備は、分けて段取りを組む必要があります。次の順番にしておくと、出展の費用を無駄にしにくくなります。
- 出展を決めたら、展示会で見せる品や技術を紹介するページを、自社のホームページの中に先に用意する
- 新しく作るパンフレットには、そのページの入口(URLやQRコード)を載せる
- 展示会の後は、名刺を交換した相手が知りたいこと(対応できる数、試作の相談、問い合わせの窓口)を、そのページに書き足す
取引先の担当者が、問い合わせの前に何を見ているかは、問い合わせが来るホームページ・LPは、何が違うのか。作る前に決めておく5つのことにまとめています。
空き店舗に出店するなら、ホームページは補助の対象に入る。ただし発注の前に手続きを
加古川市には、JR加古川駅の近くの中心市街地、JR東加古川駅の近く、山陽電鉄の別府駅の近くの商業地域にある空き店舗と、市街化調整区域の空き家や空き店舗を借りて、小売業や飲食サービス業などの店を出す人への「空き店舗等活用支援事業補助金」があります。2026年10月3日に公式ページで確かめた内容は、次のとおりです(加古川市:令和8年度空き店舗等活用支援事業補助金について)。
- 対象の経費は、店の賃料、改装の費用、宣伝物の費用の3つ。宣伝物の費用には、チラシやショップカードなどと並んで、ウェブサイト(ホームページやインスタグラムなど)の開設と運営の費用が入っている。求人のための費用は対象外
- 宣伝物の費用と改装の費用は、開業の前で、かつ発注や工事の契約の前に、交付が決まっている必要がある。申請の時点で営業を始めている場合や、交付が決まる前に発注した場合は、対象にならない
- 申請には加古川商工会議所の推薦書が要る。推薦書を受けるには、事業全体の計画を商工会議所に出して、指導員の助言を受ける。月に16日以上営業すること、2年以上続けて営業するつもりがあることなどの条件もある
ここで気をつけたいのは、依頼先との話の順番です。ホームページの見積もりを取ること自体は早めでかまいませんが、正式に発注するのは、補助の交付が決まってからです。私たちは、出店を考え始めたら、次の順番で進めることをおすすめします。
- 商工会議所で事業の計画を相談し、どんな人に、どの時間に来てほしい店なのかを固める
- 依頼先には、補助を使う予定であることと、交付が決まるまで発注できないことを最初に伝え、見積もりをもらう
- 交付が決まってから発注し、開業に合わせて、ホームページとGoogleビジネスプロフィールに、店の名前、場所、営業時間をそろえて載せる
加古川市の統計書では、2020年の国勢調査で、市内に住む人のうち約6万800人が、仕事や学校で日中は市外に出ています。昼の人口は夜の人口の90%です(加古川市:令和7年度版加古川市統計書(web版)人口、2026年10月3日確認)。駅の近くの店にとっては、平日の昼より、帰りの電車の中や週末に、スマホで店を探す人が多いかもしれません。営業時間や、帰りに寄れるかどうかが一目で分かるようにしておくことが、駅の近くの店の出発点だと私たちは考えています。地図の検索での見え方はMEO対策とは。来店型のお店でない会社が、Googleマップに出るためにやることが参考になります。
加古川で、依頼先を決める前に使える相談先
加古川には、依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。兵庫県全体の窓口は神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に、関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月3日) |
|---|---|---|
| ものづくりの技術や新しい製品、補助金の申請のことを相談したい | 加古川市:加古川市ものづくり支援センター | 市が専門のディレクターを置き、新しい製品や技術の開発、補助金の申請などの相談に応じる。大学や公的機関と連携して、企業の訪問や技術の相談、講演会や研修会も開いている。2026年度は、東播磨のものづくり企業向けに、AIを使って簡単な仕組みを作る入門の研修なども案内されている |
| 経営や売上のことを、まず身近な窓口で相談したい | 加古川商工会議所:各種相談 | 経営指導員が、資金繰りや税務、売上を伸ばすことなど、経営の相談に応じる。弁護士や税理士などによる無料の専門相談の日があり、特許や商標の相談もある(予約が要る) |
| 展示会に出て、販路を広げたい | 加古川市:加古川市中小企業魅力発信支援補助金 | 上の節のとおり。問い合わせ先は市の産業振興課 |
| 駅の近くなどの空き店舗で、店を開きたい | 加古川市:令和8年度空き店舗等活用支援事業補助金について | 上の節のとおり。申請には商工会議所の推薦書が要る |
| これから市内で創業する | 加古川市:加古川市の創業支援等事業計画について | 加古川商工会議所の個別指導や創業塾など、経営、財務、人材育成、販路開拓の4つを学べる支援を受けると、市に証明書を申請できる。証明書があると、会社を設立するときの登録免許税の軽減などの対象になる |
補助の対象や上限、受付の時期は、年度ごとに変わることがあり、予算に達したところで締め切られることもあります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
依頼先や相談先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「今の仕事の多くは、取引先の製品の一部を作る仕事」「新しく知ってほしいのは、少ない数から相談を受けられること」「来年の展示会で名刺を交換した人に、あとで見てもらうページがほしい」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま依頼先や相談先への説明にも使えます。
依頼先には、どこで自社を知った人に見せたいかと、補助を使うかを最初に伝える
依頼先を選ぶときに確かめたい点は、大阪で、システム開発やホームページ制作を頼むときの選び方にまとめていて、加古川の会社でも同じです。そのうえで加古川の会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- 自社の名前を、どこで知った人に検索してほしいか。展示会か、品のタグか、店の前か、取引先からの紹介か
- 取引先との約束で、名前や写真を出せない仕事はあるか。その代わりに出せるものは何か
- 市の補助を使うつもりがあるか。使うなら、交付が決まるまで発注できないこと
この3つを聞いて、ページの見た目だけでなく、展示会や催しとの段取りや、補助の手続きに合わせた進め方まで話が広がる相手かどうかが、加古川の会社の事情まで考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からホームページ制作、システム開発、AIの活用までを一社で対応しているので、自社の名前で探されたときに見つかるページづくりから、問い合わせの後の業務の仕組みまでを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
加古川市の中小企業魅力発信支援補助金で、ホームページの制作費を払えますか?
空き店舗等活用支援事業補助金で、ホームページの費用を出したいです。先に依頼先と契約してもいいですか?
取引先の製品の一部を作る仕事が中心で、名前を出せる実績がありません。それでもホームページは作れますか?
自社の名前で探されたときの答えが決まれば、作るWebが決まる
加古川の小さな作り手や店がホームページや業務の仕組みを外に頼むときは、大きな工場が数字の大半を占め、小さな会社の名前が外から見えにくいこと、靴下などの品は知られても作り手まではたどりにくいこと、市の補助は展示会と空き店舗への出店でWebの扱いが違い、使う順番が大事なことの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、加古川市ものづくり支援センターや加古川商工会議所、市の産業振興課を頼れます。
まずは、自社の名前をスマホで検索して、最初の画面に何が出てくるかを確かめるところから始めてみてください。
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