この記事の結論
画像や動画を作るAIに日本語を書かせると、文字が崩れたり、存在しない漢字が混ざったりします。私たちが2026年9月に試した動画の生成でも、日本語を映像の中に入れると、読める形にはなりませんでした。確実なのは、AIには文字のない絵だけを作らせ、文字はデザインの道具で後から重ねる方法です。この形にしておくと、文字の修正も、サイズ違いの書き出しも、何度でもやり直せます。
AIは、日本語の文字が苦手
画像や動画を作るAIは、この数年で驚くほど上手になりました。写真のような質感の絵を、数十秒で何枚も作れます。
ところが、絵の中に日本語の文字を入れさせると、多くの場合うまくいきません。
- ひらがなやカタカナの形が、微妙に崩れる
- 漢字が、それらしく見えるだけの存在しない字になる
- 指定した文と、違う文字が入る
英語の短い単語なら比較的きれいに出ることもありますが、日本語の見出しや、キャンペーンの文言を入れた広告を、そのまま使える品質で作るのは、まだ難しいのが実情です。
私たちが試して分かったこと
私たちは2026年9月に、SNS用の短い動画を動画生成のAIでまとめて作りました。そのとき、日本語の文字を映像の中に入れる指示も試しましたが、読める形で出てきたものはありませんでした。
そこで方針を変え、映像は文字のない形で完結させ、伝えたい言葉はSNSの投稿文や、後から重ねる文字で伝えるようにしました。画像でも同じ考え方です。
崩さないための基本:絵と文字を分ける
作り方の基本は、「絵はAI、文字は人(デザインの道具)」と役割を分けることです。
- AIには、文字のない絵だけを作らせる。 指示の最後に「文字、数字、ロゴ、看板を入れない」と書きます
- 文字を置く余白を、先に決めておく。 「画面の上3分の1は、何もない明るい空間にする」のように、絵の段階で空けておきます
- 文字は、デザインの道具で重ねる。 決まった書体と大きさで、上から文字を置きます
- サイズ違いは、文字の配置だけ変えて書き出す。 正方形、縦長、横長など、広告に必要な形ごとに書き出します
こうしておくと、文言を直したくなったとき、絵を作り直す必要がありません。文字だけを差し替えて、すぐに書き出し直せます。

AIへの指示で、気をつけること
- 文字を入れない、と明記する。 何も書かないと、AIが気を利かせて看板や紙に文字のような模様を入れることがあります。「文字のような模様も入れない」まで書くと確実です
- 人物を入れるかどうかを決める。 実在しない人物の顔は、広告で使うと誤解を招くことがあります。人物が必要なら、自社で撮った写真を使うほうが安全です
- 色は、自社の色を数字で伝える。 「青っぽく」ではなく、
#0040FFのように色の値を伝えると、ぶれが減ります - 他社の作品や、実在のブランドに似せない。 AIで作った画像を使うときに著作権の侵害になるかは、AIを使わない場合と同じく、既存の作品と似ているか、それをもとにしたかで判断される、と文化庁が整理しています(文化庁:AIと著作権について、2026-10-02 確認)。「〇〇風に」と特定の作品や作家を指定する指示は避けます
- 1枚ずつ作って、確かめる。 一度に大量に作るより、1枚作って条件を確かめ、指示を直してから数を増やすほうが、結果的に早く終わります
文字を重ねる側は、「型」を作っておく
文字を重ねる作業は、毎回ゼロから作ると時間がかかり、見た目もばらばらになります。そこで、文字の位置、大きさ、書体、色を決めた「型」をいくつか作っておきます。
私たちは、広告とSNS用の見本の型を200点、ブラウザで開ける形式(HTML)で作りました。色の指定を5つ差し替えるだけで、配置を崩さずに別の色の組み合わせに移せるように作っています。型があると、絵を差し替えて文言を入れるだけで、揃った見た目の投稿が短い時間で作れます。
型を作るときは、次の点を決めておきます。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 見出しの長さ | 2行まで。それ以上は投稿文に回す |
| 文字の置き場所 | 上下どちらか。絵の主役と重ならない位置 |
| 書体 | 使用の許諾が確かなもの(Google Fontsなど) |
| 色 | 自社の色を3〜5色に絞る |
| 余白 | 画面の端から一定の距離をあける |
書体の使用許諾は、見落としやすい点です。パソコンに入っている書体でも、書き出した画像を広告に使ってよいか、ほかの人に配ってよいかは、書体ごとに条件が違います。私たちも、パソコン付属の書体で作った型を、許諾の確かな Google Fonts の書体に置き換えました。
画面の中の文字は、少ないほうがいい
文字を崩さずに入れられるようになると、つい多く入れたくなります。ところが、広告やSNSの画像は、スマホの画面で一瞬しか見られません。
- 見出しは、2行まで
- 価格やキャンペーンの細かい条件は、投稿文やリンク先で伝える
- 箇条書きや、たくさんのバッジは並べない
画面の中は、目を止めてもらうための絵と、ひと言の見出しに絞る。詳しいことは、その先で伝える。この分担にすると、作る手間も減り、見た目も洗練されます。
動画でも、同じ分担が使えます。映像の向き不向きは、動画生成AIで、SNS用の短い動画を作るときの向き不向きにまとめています。投稿や広告の素材づくりから運用までの進め方は、SNS運用と画像・動画の制作のサービスで紹介しています。
よくある質問
英語の文字なら、AIに直接入れさせても大丈夫ですか?
AIで作った画像を、広告に使ってもいいですか?
動画でも同じ考え方ですか?
AIに任せるのは絵まで。言葉は人が置く
AIは、絵を作る速さでは人をはるかに上回ります。一方で、日本語の文字を正しく入れることは、まだ苦手です。絵はAI、言葉は人。この分担を守るだけで、崩れた文字の広告を出してしまう失敗はなくなります。
まずは、次に作る画像の指示に「文字、数字、ロゴを入れない」と書き足すところから始めてみてください。
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