この記事の結論
伊丹の中心市街地で店を営む人や、これから店を開く人がWebを外に頼むときは、「イベントやマルシェで一度会った人が、ふつうの日に、何を見て店まで来てくれるか」を先に決めておくと、依頼先との話が具体的になります。伊丹市の中心市街地活性化基本計画は、イベントの効果が開催日以外のふだんのにぎわいにつながっていないことを課題に挙げています。市の報告では、中心市街地で営業する店は1,131店と過去最多を更新した一方、1日あたりの人の流れは、計画の基準にした2019年度の約8割にとどまっています。店が増え、通りを歩く人が戻りきらない中では、イベントの日に会った人に、後から店の情報を確かめてもらえる状態にしておくことが、伊丹のまちなかの店の出発点だと私たちは考えています。これから開業するなら、市の創業の講座と補助の書類を作る段階で、Webの役割も決めておけます。
伊丹のまちなかの店は、「イベントの次の来店」から考える
「店のホームページを作りたい」「SNSや地図で見つけてもらいたい」と依頼先に話すと、多くの場合、ページの見た目や載せる写真の話から始まります。けれど伊丹の中心市街地で店を営む、またはこれから店を開くなら、その前に決めておきたいことがあります。イベントの日に自社を知った人に、イベントのない日にもう一度来てもらうには、何を見せておけばよいかです。
伊丹は、江戸時代に酒造りで栄えた「伊丹郷町」の流れをくむ中心市街地で、マルシェや食べ歩きなど、人が集まるイベントが多い街です。伊丹市と伊丹商工会議所が公表している情報を確かめると、次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 伊丹の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 市の中心市街地の計画は、イベントの効果が開催日以外のにぎわいにつながっていないことと、JR伊丹駅の側に比べて阪急伊丹駅の側に効果が届きにくいことを課題に挙げている | 伊丹市「中心市街地活性化基本計画」 | イベントで会った人に、後日どこで店の情報を見てもらうか |
| 中心市街地で営業する店は過去最多を更新したが、1日あたりの人の流れは基準の年の約8割 | 伊丹市「中心市街地活性化基本計画のフォローアップに関する報告」 | 近くの新しい店と並んだとき、自社を選ぶ理由をどう伝えるか |
| 毎月のマルシェには、ほぼ毎回、新しく出店したい人の申し込みがあり、店を持つきっかけにもなっている | 同上 | マルシェに出ている段階から、店の情報をどこにまとめておくか |
| 市の創業支援補助金は、交付の申請のときに、店の写真やチラシ、ホームページ、SNSなど、営業していることが分かる書類を求めている | 伊丹市「創業支援補助金」 | 開業の前後で、どの順番でWebを用意するか |
伊丹市は、イベントの日のにぎわいを、ふつうの日につなげることを課題にしている
伊丹市は、2022年4月から2027年3月までを期間とする中心市街地活性化基本計画(3期目)を定めていて、2022年3月24日に国の認定を受けています(伊丹市:伊丹市中心市街地活性化基本計画、2026年10月2日確認)。計画の概要版は、中心市街地の課題の1つ目に、これまで魅力的なイベントに取り組んできたものの、その効果が開催日以外も含めたふだんのにぎわいにつながっていないこと、JR伊丹駅の側に比べて阪急伊丹駅の側への効果が乏しいことを挙げています。あわせて、エリアによっては1階の空き店舗が多く、店の並びが途切れていることも課題としています(伊丹市:中心市街地活性化基本計画(概要版))。
計画は、中心市街地を「歴史・文化・芸術」を身近に感じ、何度も訪れたい街にすることを目標の1つにしています。市は、日本遺産『「伊丹諸白」と「灘の生一本」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷』や、「清酒発祥の地 伊丹」の清酒が地理的表示(GI)に指定されたことを発信し、市外から中心市街地へ人を呼ぶ取り組みを続けています(伊丹市:阪神間日本遺産、2026年10月2日確認)。
市が計画の目標に「何度も訪れたい」と書き、イベントの効果がふだんの日に届いていないことを課題にしているのは、一度来た人に、もう一度来てもらうことが難しいと見ているからだと私たちは読んでいます。そうであれば、店のWebも、初めての人に見つけてもらうことと同じくらい、一度会った人に思い出してもらい、もう一度来てもらうことを考えて作るのが自然です。
新しい店は増えている。一方で、通りを歩く人は戻りきっていない
伊丹市が2026年5月にまとめた、2025年度のフォローアップの報告によると、中心市街地で営業する店は1,131店で、前の年より増え、これまでで最も多くなりました。1階の空き店舗は64店で、3年続けて減っています。空き店舗の業種で最も多いのは飲食の36店で、店が入れ替わりながら、新しい店が出てくる街の姿がうかがえます(伊丹市:令和7年度 中心市街地活性化基本計画のフォローアップに関する報告、2026年10月2日確認)。
同じ報告で、中心市街地の4つのエリアに一定の時間とどまった人の延べ人数を1日あたりで見ると、2025年度は13万5,773人でした。新型コロナウイルスの流行後では最も多い一方、計画の基準にした2019年度の16万8,064人の約8割です。市は、基準に届かない理由の1つに、在宅勤務やネットでの買い物が定着したことを挙げています。
市の報告は、新しい店が増えている理由として、市役所と伊丹商工会議所の創業の支援に加えて、2012年から毎月1回開かれている「イタミ朝マルシェ」に、ほぼ毎回、新しく出店したい人の申し込みがあり、店を試す場の役割を担ってきたことを挙げています。マルシェでにぎわいを経験した人が、実際の店を出すに至っていると市は見ています。
店の数が増え、通りを歩く人が戻りきらないということは、ふつうの日に店の前を通る人の中から、偶然の来店を待つだけでは、選ばれる機会が少なくなりやすいということだと私たちは考えています。イベントの日に人が集まる伊丹では、その日に会った人に、後から自社を思い出して、探してもらえるかどうかが差になります。
市全体の事業所を見ても、店を相手にする仕事の比重は小さくありません。伊丹市統計書によると、2021年の経済センサスで市内の事業所5,760か所のうち、卸売業・小売業、飲食サービスなど、生活関連サービス・娯楽業の3つで約4割を占め、全体の約半分は従業者が4人以下の事業所です(伊丹市:伊丹市統計書(令和7年度版)の「事業所」、2026年10月2日確認)。少ない人数で店を回しながら、イベントにも出る店が多いはずです。
イベントで会った人が、後から見るものを先にそろえる
イベントの日に店を知った人は、その場で次の来店を決めることはあまりありません。数日後や数週間後に、「あのとき食べたお店」「マルシェで買ったあの品」を思い出し、店の名前や「伊丹」と品の名前で検索したり、地図で探したり、SNSを開いたりします。私たちは、そのときに次の表の情報が見つかるかを、先に確かめるとよいと考えています。
| 後から確かめられること | 載せる場所 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 店の名前と、イベントで出していた品が同じ店のものだと分かること | Googleビジネスプロフィール、ホームページ、SNS | イベントでの出店名と店の名前が違うなら、両方を書いておく |
| ふつうの日の営業日と営業時間、イベントの日との違い | Googleビジネスプロフィール、ホームページ | イベントの日だけの時間やメニューを、ふだんの情報と混ぜない |
| 店の場所と、JR伊丹駅と阪急伊丹駅のそれぞれからの道 | Googleビジネスプロフィール、ホームページ | 2つの駅のどちらから来ても迷わないように書く |
| イベントで出した品が、店でも買えるか、いつ買えるか | ホームページ、SNS | 店では出していない品なら、そのことをはっきり書く |
| 次に会える日や、新しい品のお知らせを受け取る方法 | LINE公式アカウント、SNS | イベントの場で、登録の入口を渡せるようにしておく |
イベントの場では、店のカードやチラシに、地図やホームページ、LINE公式アカウントへの入口をつけておくと、後から探してもらう手間が減ります。LINE公式アカウントで2回目の来店につなげる入口の作り方は、LINEリッチメニューの設計。問い合わせとリピートにつながる入口の作り方にまとめています。
伊丹には、市外から来る人もいます。市の報告では、伊丹空港と中心市街地を結ぶ市営バスの路線に、2025年度は年間56万280人が乗っていて、日本遺産や清酒を目当てにした誘客の取り組みも続いています。旅行や出張の途中で立ち寄る人は、その日のうちに店を探すことが多いはずです。イベントで会った近くの人に向けた情報と、初めて伊丹に来た人に向けた情報は、同じページの中で両方に答えられるようにしておくと、作り直しが少なくて済みます。
店名、住所、電話番号、営業時間は、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNSで書き方をそろえておくと、検索やAIの答えでも取り違えられにくくなります。
伊丹で店を開くなら、創業の講座と補助の書類の中で、Webの役割を決めておく
これから伊丹で店を開く人には、市と商工会議所などが連携した創業の支援があります。2026年10月2日に公式ページと市の案内で確かめた内容は、次のとおりです。
特定創業支援等事業(講座と相談を受けると、市が証明書を出す)
- 市立産業振興センターの講座(集客PR講座、ICT関連講座、女性創業塾など)、伊丹商工会議所のワンストップ相談窓口と創業塾、日本政策金融公庫や市内の信用金庫の相談窓口を、1か月以上にわたって4回以上受けると、市が証明書を出す
- 受けた講座や相談は、経営、人材育成、販路開拓、財務の4つの分野について、市に報告する流れになっている
- 証明書があると、会社を設立するときの登録免許税の軽減や、創業の融資の利率の引き下げなどの対象になる
(伊丹市:特定創業支援等事業を受けたことの証明書について、伊丹市:伊丹市 創業支援制度ガイド、2026年10月2日確認)
創業支援補助金(市内で初めて創業した人が対象)
- 特定創業支援等事業の証明書を受けていることが条件で、事業計画は伊丹商工会議所で内容の確認を受ける
- 対象の経費は、店や事務所の賃料、土地や建物の購入費、市内の事業者が施工した内外装の工事費、一定の金額以上の設備や備品の購入費。ホームページの制作費は、対象の経費の一覧に入っていない
- 交付の申請のときには、店の写真、チラシ、ホームページ、SNSなど、営業していることが分かる書類を出す
- 申請が多く、予算の上限に達している場合があるので、検討するときは先に市に相談するよう案内されている
(伊丹市:創業支援補助金、伊丹市:創業支援補助金事業のご案内、2026年10月2日確認)
市の補助でホームページの制作費は払えませんが、営業していることを示す書類としては、ホームページやSNSが挙げられています。私たちは、開業の時点で、店の名前、場所、営業日、扱うものが分かる情報を、少なくとも1か所に出しておくことをおすすめします。これから使うつもりなら、次の順番で進めると、Webの準備が後回しになりにくくなります。
- 産業振興センターの集客の講座や、商工会議所の相談を受けながら、来てほしい人と、イベントで会う人を書き出す
- 事業計画を作るときに、集客の方法として、イベントと、ふつうの日の来店をどうつなぐかも書いておく
- 開業に合わせて、Googleビジネスプロフィールと、店の情報をまとめたページかSNSを用意する
- 開業の後、イベントに出るときに、後から探してもらう入口(カードやLINE公式アカウント)を渡す
補助の対象や割合、上限、対象になる創業の日は、年度ごとに決まります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
伊丹で、依頼先を決める前に使える相談先
伊丹には、依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。兵庫県全体の窓口は神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に、関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月2日) |
|---|---|---|
| これから店を開く、または開いて間もない | 伊丹商工会議所:創業支援・相談 | 経営指導員が、開業の資金、国や県や市の支援策、事業計画書や資金繰り表の作り方などの相談を受ける。相談は電話か予約フォームでの事前予約制 |
| 店を続けながら、売上や販路のことを相談したい | 伊丹商工会議所:経営支援・相談 | 経営指導員による販路開拓の助言や補助金の情報提供のほか、兵庫県よろず支援拠点の個別相談も定期的に開かれている |
| 集客やITの講座を受けたい、創業の仲間と知り合いたい | 伊丹市立産業振興センター | 創業の支援の講座や創業者の交流会、補助金の案内などを行っている。講座の一部は特定創業支援等事業に含まれる |
| 中心市街地で店を出す場所を探している | 伊丹市:伊丹市中心市街地空き店舗情報バンク | 不動産事業者が扱う中心市街地の空き店舗や空き事務所の情報を、市のホームページで公開している。市は仲介や契約には関わらない |
| 市の支援制度をまとめて知りたい | 伊丹市:市内事業者向け支援まとめ | 経営相談、融資、人材、設備投資、商店街、創業の支援が、市と国や県の窓口ごとに一覧になっている |
依頼先や相談先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「月に1回のマルシェに出ていて、そこで会った人に店にも来てほしい」「店は阪急伊丹駅の側にあり、ふつうの日は昼だけ開けている」「来年の春に開業して、市の創業の補助を使うつもり」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま事業計画書や依頼先への説明にも使えます。
依頼先には、イベントで会う人と、ふつうの日に来てほしい人と、開業の時期を最初に伝える
伊丹の店や、これから店を開く人なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- どのイベントやマルシェに、どれくらいの間隔で出ているか。そこで会う人は、近くに住む人か、市外から来た人か
- ふつうの日に来てほしいのは誰か。店の場所と、営業する曜日や時間
- いつ開業するか、または開業してどれくらいか。市の創業の支援を使うつもりか
この3つを聞いて、ページの作り方だけでなく、イベントの場で渡す入口や、Googleビジネスプロフィールでの見え方、開業の時期に合わせた順番まで話が広がる相手かどうかが、イベントの日とふつうの日をつなぐ流れを一緒に考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、システム開発、AIの活用、採用ページの制作までを一社で対応しているので、イベントで会った人に後から見つけてもらうところから、ふつうの日の来店につなげるまでの流れを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
伊丹市の創業支援補助金で、ホームページの制作費を払えますか?
マルシェやイベントにしか出ていない段階でも、ホームページは必要ですか?
伊丹の中心市街地で店を出したいとき、まずどこに相談すればいいですか?
一度会った人に、もう一度来てもらう流れが決まれば、作るWebが決まる
伊丹の中心市街地で店を営む、またはこれから店を開くときは、市の計画がイベントの効果をふつうの日につなげることを課題にしていること、新しい店が増える一方で通りを歩く人が戻りきっていないこと、創業の支援ではホームページやSNSが営業の様子を示す材料にもなることの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、伊丹商工会議所や市立産業振興センターの相談を頼れます。
まずは、イベントで会った人に、次はいつ、どこで、何を見て店に来てほしいかを、一文で書き出すところから始めてみてください。
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