この記事の結論
宝塚の店や会社がWebを外に頼むときは、「日帰りで宝塚に来る人の一日の予定の中に、自社がどう入るか」を先に決めておくと、依頼先との話が具体的になります。兵庫県の統計を宝塚市がまとめた表では、2024年度に宝塚を訪れた人は約998万人で、そのうち約983万人が日帰りでした。一方で、市の商工業振興計画は、人口1人あたりの小売業の販売額が阪神間で最も低く、買い物が西宮や伊丹、梅田の大きな商業地に流れていることを課題に挙げています。人が来る街なのに、来た人のお金が市内の店に届きにくいということだと私たちは考えています。日帰りの人は、来る前に一日の予定を決め、帰った後にもう一度探します。その2つの場面で見つけてもらえる情報をそろえることが、宝塚の店や会社の出発点です。
宝塚の店や会社は、「日帰りで来る人の一日」から考える
「ホームページを作りたい」「もっと検索で見つけてもらいたい」と依頼先に話すと、多くの場合、ページの見た目や載せる写真の話から始まります。けれど宝塚で店や会社を営むなら、その前に決めておきたいことがあります。日帰りで宝塚に来る人が、来る前に何を見て一日の予定を決め、その予定のどこに自社が入るかです。
宝塚市と兵庫県が公表している情報を確かめると、次の4つの事情があります。私たちは、依頼の前にこれを自社に当てはめておくとよいと考えています。
| 宝塚の事情 | 出典 | 依頼の前に整理すること |
|---|---|---|
| 1年に約1,000万人が訪れ、そのほとんどが日帰り | 宝塚市「他都市との比較表」(兵庫県市区町別主要統計指標) | 来る人の一日の予定の、どこに自社が入るか |
| 人口1人あたりの小売業の販売額が阪神間で最も低く、買い物が市外の大きな商業地に流れている | 宝塚市「商工業振興計画」 | 市内に住む人と市外から来る人の、どちらに何を売るか |
| 市は、来る人の滞在時間を延ばすことを観光の重点に置き、事業者にはICTの活用を求めている | 宝塚市「観光振興戦略 後期アクションプラン」 | 帰った後にも自社とつながっていられる入口を用意するか |
| 宝塚らしい品や催し、場所を、市が宝塚ブランドとして選び、発信している | 宝塚市「モノ・コト・バ宝塚」 | 自社の何が「宝塚らしい」のかを、言葉にできるか |
宝塚には1年に約1,000万人が来る。そのほとんどが日帰り
宝塚市が公表している「他都市との比較表」の2026年版(出典は兵庫県統計協会の「兵庫県市区町別主要統計指標」)によると、2024年度に宝塚市を訪れた人は約998万人でした。そのうち日帰りの人は約983万人で、市内に泊まった人は約15万人です。来た人を100人とすると、98人ほどが日帰りで帰っていることになります。同じ表で、尼崎市や伊丹市を訪れた人はそれぞれ約250万人前後で、宝塚はその約4倍です(宝塚市:他都市との比較、2026年10月2日確認)。
市は、宝塚の魅力として、六甲と長尾の山並みの緑と武庫川の流れ、市の北部の農村、参拝の人を集める社寺、古くからの温泉、全国に知られる歌劇や手塚治虫記念館などの文化、市内で作られる名産品を挙げています(宝塚市:モノ・コト・バ宝塚とは、2026年10月2日確認)。公演の時間や記念館を回る順番に合わせて、一日の予定を前もって組んでから来る人が多い街です。
宝塚市は、2021年に「ウェルネスを実現するまち、たからづか」を掲げた観光振興戦略を定め、2026年度から2030年度までの後期アクションプランを作りました。後期の重点の1つは、事業者と組んで観光で使われるお金を伸ばすために、来た人の滞在時間と、宝塚に関わり続ける人を増やすことです。事業者の役割としては、心と体の健康を高める商品やサービスを作ることと、ICTの活用とDXを進めることが書かれ、来る人には長く過ごすことや、もう一度来ることが期待されています(宝塚市:宝塚市観光振興戦略の「後期アクションプラン」、2026年10月2日確認)。
市がわざわざ滞在時間を延ばすことを重点にしているのは、来る人が多くても、目当ての場所だけを回って、その日のうちに帰ってしまう人が多いと見ているからだと私たちは読んでいます。
人が来る街なのに、市内の店で使われるお金は大きくない
宝塚市の商工業振興計画(2021年度から2030年度まで)は、市の商工業の現状として、2016年の小売業の人口1人あたりの年間販売額が64.2万円で阪神間で最も低いこと、駅前の再開発や大きな小売店が多い一方で、買い物が西宮や伊丹、梅田などの大きな商業地に移っていることを挙げています。課題の1つには、市内の買い物の環境をよくし、魅力のある店を増やすことが書かれています(宝塚市:宝塚市商工業振興計画、2026年10月2日確認)。
新しい数字でも、傾向は変わっていません。先ほどの比較表にある2020年の小売業の年間販売額を、同じ年の国勢調査の人口で私たちが計算すると、宝塚市は1人あたり約64万円で、表に並ぶ阪神間の市(尼崎、西宮、芦屋、伊丹、川西)の中で最も小さくなります。
同じ計画は、市内の事業者が新しく考えた商品やサービスについて、特に小さな事業者にとっては最初の販路を開くことが大きな壁になっていると書き、ネットでの販売など、会わずに売る方法を進める事業者を支援するとしています。
1年に約1,000万人が来る一方で、市内の店で使われるお金が人口の割に小さいということは、来る人の多さが、そのまま市内の店の売上になっているわけではないということだと私たちは考えています。宝塚の店や会社にとっては、すでに宝塚まで来ている人に、目当ての場所の行き帰りに自社に寄ってもらうことと、帰った後にも買ってもらうことの2つが、伸びしろになります。
日帰りの人は、来る前に予定を決め、帰った後にもう一度探す
日帰りで来る人は、その日の時間が限られています。公演の開演や終演の時間、記念館を回る時間、帰りの電車の時間の間に、どこで食べるか、何を買って帰るかを、多くは来る前にスマホで決めています。私たちは、次の3つの場面で、自社の情報が見つかるかを先に確かめるとよいと考えています。
| 場面 | 探されること | 載せる場所 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 来る前の数日 | 目当ての場所の近くで、食べる店や買える店。予約ができるか | Googleビジネスプロフィール、ホームページ | 「宝塚」と、品や過ごし方の言葉が一緒に書いてあるか |
| 当日、目当ての場所と場所の間 | 今から入れるか、どれくらい時間がかかるか、駅からの道 | Googleビジネスプロフィール、ホームページ | 営業時間と、混む時間や持ち帰りのことを書いておく |
| 帰った後 | あの日に食べたもの、買ったものを、もう一度手に入れる方法 | ホームページ、ネットでの販売、SNS | 店の名前と品の名前が、検索して同じ店だと分かるようにする |
来る前の検索では、「宝塚」と、品の名前や「お土産」「ランチ」などの言葉を組み合わせて探されることが多いはずです。ホームページやGoogleビジネスプロフィールに、店のある場所を宝塚駅や宝塚南口駅などの駅の名前と一緒に書き、目当ての場所から歩いてどれくらいかを添えておくと、予定の中に入れてもらいやすくなります。
市の北部の西谷地域は、事情が少し違います。市の案内では、西谷の直売所で扱う宝塚ねぎや黒大豆枝豆、北摂栗などは、それぞれ出回る季節が決まっています(宝塚市:西谷夢市場、2026年10月2日確認)。車で来る人は、行けば買えるかを確かめてから出かけるので、季節ごとに何が並ぶかと、その日に開いているかが分かることが、遠くから来てもらう条件になります。
帰った後の場面は、見落とされやすいところです。日帰りの人がもう一度宝塚まで来るのは、早くても次の公演や次の季節です。その間に、ネットで注文できるか、次に行く日を決めるための情報を受け取れるかで、一度の来店で終わるか、続くかが分かれます。店名、住所、電話番号、営業時間は、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNSで書き方をそろえておくと、検索やAIの答えでも取り違えられにくくなります。
なお、宝塚に住む人に近所の店として選んでもらう工夫は、阪神間の住宅都市について書いた西宮の小さな店や会社が、近くに住む人にスマホで比べられて選ばれるために整えることが参考になります。この記事では、市外から来る人のほうに絞っています。
「宝塚らしさ」は、市の選定の考え方を借りて、自社の言葉で書く
宝塚市は、宝塚らしい価値のある「モノ(物)」「コト(事)」「バ(場)」を募って、宝塚ブランド「モノ・コト・バ宝塚」として選び、市の内外に発信しています。モノは宝塚から全国へ発信したい商品や製品、雑貨、農産品、コトは市外の人にも知ってほしい催しや文化団体の活動、バは自然や風景、建物、街並み、憩いの場などです(宝塚市:モノ・コト・バ宝塚、2026年10月2日確認)。
市の案内では、選定は、市が頼んだ懇話会の委員が推薦書を読み、推薦された人への聞き取りをしたうえで意見をまとめ、市が決める流れです。選ばれると、決められたルールに沿って選定マークを広告などに付けられるほか、市の広報物やウェブサイトで発信され、市内外の催しや物産展で優先して展示や販売ができるとされています。選定は回ごとに募集されるので、募集の有無と条件は公式ページで最新の内容を確かめてください(宝塚市:モノ・コト・バ宝塚選定について、2026年10月2日確認)。
商工業振興計画は、選ばれた品や場所を組み合わせて物語として伝え、冊子やWebで、テーマやエリアごとに個店の魅力を発信していくとしています。私たちは、選定を受けるかどうかにかかわらず、この考え方は自社のホームページにもそのまま使えると考えています。たとえば次のようなことを、自社の言葉で書いておくことです。
- 品の材料や作り方の、どこが宝塚とつながっているか(西谷の野菜を使っている、宝塚で焼いている、など)
- 宝塚に来た日の、どの時間に、どう楽しめるか(公演の前に食べられる、持ち帰って家で楽しめる、など)
- 近くにある、ほかの宝塚らしい場所と、どう組み合わせて回れるか
「宝塚」という地名は、すでに多くの人に知られています。地名だけでなく、宝塚の何とつながっているのかまで書いてあると、来る人が予定を組むときにも、検索やAIが答えを作るときにも、自社のことが正しく伝わります。
宝塚で店を開くなら、出店と創業の支援の中でWebの役割を決めておく
これから宝塚で店を開く人には、市と宝塚商工会議所の支援があります。2026年10月2日に公式ページで確かめた内容は、次のとおりです。
新規出店改装チャレンジ応援補助金(市内に新しく店を出す事業者の改装工事の一部を補助)
- 対象は、小売業や飲食店など、主に一般の消費者を相手にする店で、営業時間や営業日の条件がある。中心市街地、清荒神の参道沿い、北部の西谷地域は、重点のエリアとして扱われている
- 事業計画書は、宝塚商工会議所で内容を磨いてから市に出す。審査では、事業の具体性と実現性、顧客のニーズ、事業の続けやすさと地域への広がり、事業の独自性と新しさが見られる
- 対象の経費は外装や内装、看板などの工事で、ホームページの制作は対象の工事の一覧に入っていない。一方で、工事の後の報告では、店のチラシやホームページの写しなど、店を開いたことが分かる資料を出すことになっている
(宝塚市:宝塚市新規出店改装チャレンジ応援補助金、2026年10月2日確認)
西谷地域での店の開設(農家レストランや地域の産物を売る店など)
- 西谷地域は、建物を新しく建てることが原則としてできない区域だが、市の要綱で定めた条件を満たす農家レストラン、地域の食材を使うレストラン、地域の産物を売る店、農業の体験の場などは、開くことができる
- 地域の食材を使うレストランでは、北部地域でとれた食材を、量か金額で5割以上使うことなどが条件になっている。自治会や近所の人の同意を得ることも求められる
(宝塚市:西谷地域での農家レストランや物販店舗などの開設、2026年10月2日確認)
特定創業支援等事業(講座や相談を受けると、市が認定書を出す)
- 宝塚商工会議所の創業セミナー、商工会議所による1か月以上で4回以上の個別の経営指導、関西広域連合のeラーニングのどれかを受けると、市に認定書を申請できる
- 認定書があると、会社を設立するときの登録免許税の軽減や、創業の保証の特例、創業の融資の利率の引き下げなどの対象になる
(宝塚市:特定創業支援等事業による各種支援制度、2026年10月2日確認)
出店の補助の審査で「顧客のニーズ」と「独自性」が見られるのは、事業計画の段階で、誰が来て、なぜ自社を選ぶのかを説明できることが求められているということです。私たちは、事業計画を作るときに、日帰りで来る人と市内に住む人のどちらに来てほしいのか、来る前にどこで自社を知ってもらうのかも、あわせて書いておくことをおすすめします。そうしておくと、開業に合わせて用意するホームページやGoogleビジネスプロフィールの中身が、事業計画とずれません。
補助の対象や上限、募集の時期は、年度や回ごとに決まります。申し込みや依頼先との契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
宝塚で、依頼先を決める前に使える相談先
宝塚には、依頼先を決める前の段階から使える相談先があります。兵庫県全体の窓口は神戸・兵庫で、Web集客やシステムを頼むときの選び方と、使える公的な相談先に、関西の地域ごとの窓口は大阪・兵庫・関西で、Webやシステムを頼む前に相談できる公的な窓口。地域別のまとめにまとめています。
| 今の段階 | 相談先 | 確かめたこと(2026年10月2日) |
|---|---|---|
| 販路やネットでの販売、ITのことを相談したい | 宝塚商工会議所:サポートメニュー | 経営革新、資金繰り、販路開拓、IT化とネットでの販売、創業などについて、経営指導員が個別に相談を受ける。専門家に相談できる窓口や、女性のための起業相談もある |
| これから創業する | 宝塚市:特定創業支援等事業による各種支援制度 | 市の商工勤労課に創業の相談窓口があり、商工会議所のワンストップ相談窓口や創業セミナーと連携している |
| 自社の品や催しを、宝塚ブランドとして発信したい | 宝塚市:モノ・コト・バ宝塚 | 選定の考え方と、選ばれた品や場所の一覧、市の公式SNSでの発信が確かめられる。問い合わせ先は市の商工勤労課 |
| 西谷地域で店を開きたい | 宝塚市:西谷地域での農家レストランや物販店舗などの開設 | 店の種類ごとの条件と、担当の課、手続きの流れが確かめられる |
依頼先や相談先に会う前に、自社について次の3行を書いておくと、話が早くなります。「来てほしいのは、公演を見に日帰りで来る人で、開演の前に食べられる店として選ばれたい」「店は宝塚駅から歩いて数分で、持ち帰りの品もある」「帰った後にもネットで買ってもらえるようにしたい」のように、この記事の事情を自社に当てはめた一文にしておくと、そのまま事業計画書や依頼先への説明にも使えます。
依頼先には、来る人の一日と、その中の自社の場所を最初に伝える
宝塚の店や会社なら、最初の打ち合わせで、次の3つを伝えてみてください。
- 来てほしいのは、市外から日帰りで来る人か、市内に住む人か。市外から来る人なら、何を目当てに、どの時間帯に来る人か
- その人の一日の中で、自社はどこに入るか。目当ての場所の前か後か、駅からの道か、帰りの買い物か
- 帰った後にも、ネットでの販売やお知らせでつながりたいか。季節で品が変わるか
この3つを聞いて、ページの見た目だけでなく、来る前に見られる場所、当日の情報の出し方、帰った後の入口まで話が広がる相手かどうかが、宝塚に来る人の一日に合わせて一緒に考えてくれる依頼先かどうかの目安になります。
bundlyzeでは、大阪(グラングリーン大阪)を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、全国からオンラインでもご相談いただけます。SEO・LLMOの対策からWeb広告、ホームページ制作、システム開発、AIの活用、採用ページの制作までを一社で対応しているので、来る前に見つけてもらうところから、帰った後にネットで買ってもらうところまでを、分けずに一緒に考えられます。
よくある質問
宝塚市の新規出店改装チャレンジ応援補助金で、ホームページの制作費を払えますか?
宝塚に来る人の多くが日帰りなら、ネットでの販売まで用意したほうがいいですか?
「モノ・コト・バ宝塚」に選ばれていないと、宝塚らしさを打ち出せませんか?
来る人の一日の中で、自社の場所が決まれば、作るWebが決まる
宝塚で店や会社を営むときは、1年に約1,000万人が来て、そのほとんどが日帰りであること、来る人は多いのに市内の店で使われるお金が人口の割に小さいこと、市が滞在時間を延ばすことと宝塚ブランドの発信に力を入れていることの3つを、自社に当てはめてから依頼先と話すと、提案が具体的になります。整理に迷ったら、宝塚商工会議所や市の商工勤労課の相談を頼れます。
まずは、日帰りで来る人が、一日のどの時間に、何を目当てに自社に寄ってくれたらうれしいかを、一文で書き出すところから始めてみてください。
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