この記事の結論
ホームページが乗っ取られた、改ざんされたと気づいたら、公開を止める、今の状態を残す、パスワードを変えて直す、関係先と検索エンジンに知らせる、の順で進めます。
直す前に、何に気づいたか、いつか、最近何を変えたかを書き留め、サーバーの中身を丸ごと控えておきます。
自社だけで判断がつかないときの公的な相談先は、企業ならIPAの不正アクセス特別相談窓口、改ざんされたサイトへの対応の依頼はJPCERT/CC、被害の届け出は警察です。
フォームなどから個人情報が漏れたおそれがあるなら、人数に関係なく、個人情報保護委員会への報告が必要になることがあります。
検索結果やブラウザに警告が出ている場合は、全部のページを直してから、Search Console の「セキュリティの
乗っ取り・改ざんかもしれない、と気づくのはどんなとき?
多いのは、自分のサイトを開いたら別のサイトに飛ばされた、検索結果に見覚えのないページや外国語の題が並んでいる、Googleやブラウザに「危険な
取引先から「御社の
WordPress の公式の案内は、検索エンジンに危険なサイトとして載る、サーバー会社にサイトを止められる、ウイルス対策ソフトに警告される、覚えのない利用者が作られている、といったことを、ハッキングをはっきり示す兆しとして挙げています(WordPress.org:FAQ My site was hacked、2026年10月30日確認)。
注意したいのは、自分のパソコンでは普通に見えることがある点です。
検索から来た人やスマホで開いた人にだけ別のページを見せる書き換えもあるので、Googleで site:自社のドメイン と検索して、覚えのないページが登録されていないかも見ます。
「乗っ取り」
| 何が奪われたか | 起きること | 最初の連絡先 |
|---|---|---|
| サイトの中身(改ざん) | ページが書き換えられる、不正なページが足される、別のサイトへ飛ばされる | サーバー会社、作った会社や保守の担当 |
| 管理画面のアカウント | 管理者のパスワードが変えられて入れない、覚えのない管理者が増える | サーバー会社(データベースから |
| ドメインそのもの | ドメインの登録情報やネームサーバーが書き換えられ、まるごと別のサーバーに向けられる | ドメインを管理している事業者 |
ドメインの登録情報が書き換えられる形は、JPドメインを管理するJPRSが「ドメイン名ハイジャック」として
ドメインの状態の見方はホームページが表示されない原因に書いています。
気づいたら、最初に何をする?順番は止める・残す・直す・知らせる
最初にするのは、来た人に被害を広げないことです。
別のサイトへ飛ばされる、不審なファイルを配っている、という状態なら、サーバーの管理画面でサイトを一時的に止めるか、メンテナンスの表示に切り替えます。
次に、直す前の状態を残します。
WordPress の公式の案内は、最初の作業として「記録」を
掃除を始める前に、汚れたままのサイトもいったん丸ごと控えておくよう書いています(出典は
控えておけば、後で専門の会社や窓口に見てもらうときの材料になり、作業で壊したときにも戻れます。
| 順番 | すること | なぜ |
|---|---|---|
| 1. 止める | サイトを一時的に非公開にするか、メンテナンスの表示にする | 来た人が詐欺のサイトに飛ばされたり、不審なファイルを受け取ったりしないため |
| 2. 残す | 気づいた日時・症状・最近の変更を書き、ファイルとデータベースを丸ごと控える | 原因を調べる材料と、作業で壊したときの戻り先になる |
| 3. 入口を閉じる | 管理画面・サーバー・FTP・データベースのパスワードを全部変え、覚えのない管理者を消す | 同じ入口からまた入られないため |
| 4. 直す | 不正なファイルとページを取り除き、本体・テーマ・プラグインを公式のものに入れ直して最新にする | 書き換えられた所を残さないため |
| 5. 知らせる | サーバー会社、作った会社、必要なら公的な窓口・個人情報保護委員会・取引先 | 同じサーバーの被害や、届け出の期限があるため |
| 6. 警告を外す | Search Console で直したことを伝え、審査をリクエストする | 検索結果とブラウザの警告を消すため |
パスワードは、気づいた時点で一度変え、直し終えた後にもう一度変えます。
入り込んだ人が、直す作業の途中で新しいパスワードを盗み見ていることがあるからで、WordPress の公式の案内も、きれいにした後でもう一度変えるよう書いています。
変えるのは WordPress の管理者だけではありません。
サーバーの管理画面、FTP や SFTP、データベース、そして管理画面に入る全員のパスワードです。
入っているパソコンの側がウイルスに感染していて、そこからパスワードが盗まれていることもあるので、作業に使うパソコンのウイルス検査も同じ時期に行います。
WordPressが乗っ取られたとき、自分で直せる?
管理画面に入れて、書き換えられた所が限られているなら、自分で直せることもあります。
WordPress の公式の案内は、本体の wp-admin と wp-includes は同じ版の公式のファイルで置き換えてよいとし、テーマとプラグインの入った wp-content は慎重に1つずつ確かめるよう書いています。.htaccess、index.php、header.php、footer.php、functions.php は、書き換えられるとすべてのページに影響するので、特に見るファイルとして挙げられています。
管理画面の「再インストール」の
管理者のパスワードが変えられて入れないときは、サーバー会社が用意しているデータベースの管理の道具から、管理者のメールアドレスを自社のものに戻し、パスワードの再設定のメールを受け取る方法があります。
一方で、次のようなときは、自分で掃除を続けるより、専門の会社に頼むほうが早く、安全だと私は考えています。
- どのファイルが書き換えられたのか、見当がつかない
- 一度消したのに、数日でまた書き換えられた
- 問い合わせフォームや会員の情報が、外に送られていたかもしれない
- 同じサーバーに、ほかのサイトやメールも載っている
どこから入られたかが分からないまま表面だけ直すと、同じ入口から何度でも入られます。
入口を見つける調べ(フォレンジック)は、
どこに相談すればいい?公的な窓口と、頼める範囲
自社だけで判断がつかないとき、企業が相談できる公的な窓口は次のとおりです。
どの窓口も、サイトを直す作業そのものを代わりにするところではありません。
| 窓口 | 相談できること | 連絡の方法 |
|---|---|---|
| IPA 不正アクセス特別相談窓口(企業・組織向け) | 被害の可能性の判断、応急の処置の助言、対応する専門の会社の一覧の紹介、ほかの相談先の紹介 | 電話 03-6759-5760 |
| IPA 企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口 | インシデントが起きたときの初動の相談 | メール cs-support@ipa.go.jp |
| JPCERT/CC | 改ざんされたサイトへの対応、不審なファイルを配るサイトへの対応などの依頼 | Webフォームか、決まった様式でメール(原則として |
| 都道府県警察のサイバー犯罪の相談窓口 | 被害の相談・届け出 | 警察庁の全国の窓口からオンラインで、または最寄りの警察署 |
出典:IPA:不正アクセス対策特設サイト(2026年10月26日更新)、
JPCERT/CC は、犯人の特定や取り締まり、個別の製品の使い方の相談は受けない、と書いています。
IPA の特別相談窓口は、聞き取りのうえで、対応する専門の会社の一覧を紹介すると案内しています。
まず IPA に状況を伝え、自社のサイトでどこまで調べるべきかの見当をつけてもらうのが、迷ったときの入り方だと思います。
個人情報が漏れたかもしれないときは、どこに報告する?
問い合わせフォーム、会員の登録、予約などで個人情報を受け取っているサイトなら、その情報が外に送られていなかったかも確かめます。
個人情報保護委員会は、
第三者による不正なアクセスもこれに入ります。
報告は、発覚してから3〜5日以内に速報、60日以内に確報です(不正の
改ざんでフォームの送り先が書き換えられていた、入力ページに不正なコードが足されていた、という場合は、この報告に当たるかどうかを早めに確かめてください。
フォームが個人情報をどこに送っているかは、ホームページとシステムを同じ会社に頼むときの確かめ方でも触れています。
検索結果やブラウザの警告は、どうすれば消える?
Google がハッキングや、来た人に害を与えるおそれのある動きを見つけると、検索結果に警告のラベルが付いたり、ブラウザで警告の画面が出たりします。
Search Console の「セキュリティの
警告を外す手順は、Google が次のように説明しています(Search Console ヘルプ:セキュリティの問題レポート、2026年10月30日確認)。
- レポートに載った問題を、サイトのすべてのページで直す(一部の
ページだけ直しても検索結果は変わらない) - 直したことを確かめる
- レポートの「審査を
リクエスト」から、 問題の説明、直した手順、その結果を書いて送る - 結果の知らせが来るまで、送り直さない
審査は、ほとんどの場合、数日から数週間かかります。
早く送り直すと、結果の知らせが遅れたり、違反を繰り返すサイトとして扱われたりすることがある、とも書かれています。
直す前に Search Console に登録していなかったなら、先に登録してから、このレポートを開きます。
乗っ取られないために、ふだん何をしておく?
ここまでの順番を振り返ると、慌てずに進められるかどうかは、起きる前の準備で決まります。
私が勧めたいのは、次の4つです。
1つ目は、入口の数を減らすことです。
使っていないプラグイン、辞めた人の管理者アカウント、昔の FTP のアカウントを消し、残ったアカウントには長くて使い回していないパスワードと2段階の認証を付けます。
2つ目は、本体・テーマ・プラグインの更新を、誰がいつ当てるかを決めることです。
更新が止まったサイトほど、知られた弱点から入られやすくなります。
WordPress の更新で何が起きるかはWordPressのデメリットと保守の分担に書きました。
3つ目は、バックアップを取るだけでなく、そこから戻せるかを一度試しておくことです。
4つ目は、Search Console に登録し、知らせのメールが会社の誰かに届くようにしておくことです。
警告に最初に気づけるのは、たいていこのメールです。
私たちのサイトは、管理画面を持たない静的なファイルを、git という変更の記録の仕組みで管理して配信しています。
1行でも変えれば、いつ誰が何を変えたかが記録に残るので、配信しているファイルが記録と違っていないかを比べて確かめられます。
WordPress を使う会社にもそのまま勧めるつもりはありませんが、
保守の契約で、改ざんが起きたときの対応がどこまで入っているかは、契約によってまちまちです。
ホームページの保守で制作会社に頼むことを参考に、起きる前に確かめておいてください。
自分でできること、頼んだほうが早いこと
公開を止める、今の状態を書き留める、パスワードを変える、Search Console のレポートを開く、IPA に電話する、まではどの会社でも自分でできます。
どのファイルが書き換えられたかを調べて取り除く作業や、入られた入口を特定する作業は、慣れた人に頼むほうが早く済みます。
管理画面・ドメインの名義や更新日の確かめ方は、ホームページの制作と運用のご相談の中で一緒に確かめられます。
更新と検索・AI検索の対策まで含めて毎月受け持つ形は、HP運用(更
よくある質問
ホームページが乗っ取られたら、最初に何をすればいいですか?
改ざんされたら、どこに相談すればいいですか?
WordPressが乗っ取られて、管理画面に入れません。
パスワードを変えれば、それで直りますか?
個人情報が漏れたかもしれないときは、届け出が必要ですか?
Googleの「ハッキングされている可能性があります」の表示は、いつ消えますか?
ドメインごと乗っ取られることはありますか?
自分で直すか、専門の会社に頼むか、どう決めればいいですか?
乗っ取られないために、いちばん効くことは何ですか?
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この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、公的な窓口とGoogleの案内を確かめたうえで、自社のサイトの管理の仕方を書いています。
まずは、Googleで site:自社のドメイン と検索して、覚えのないページが出ていないかを見てみてください。
ホームページやLPについて、
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