この記事の結論
SEOやAI検索でいう一次情報とは、自社で実際にやったこと、自分で測った数字、自分の目で確かめた結果のように、その会社が直接持っていて、ほかのサイトを読んでも手に入らない情報のことです。
Googleは、役に立つコンテンツの自己点検で「独自の情報、レポート、研究または分析の結果」と「実体験」を挙げ、生成AI検索向けのガイドでも、体験談は独自の視点になり、既存の内容の要約は言い換えにすぎないと書いています。
中小企業なら、問い合わせの数の推移や、試してうまくいかなかったことのように、毎日の仕事の中にほとんどがあり、日付と取り方を添えて記録しておけば記事に使えます。
反対に、作り話や、許可を得ていないお客様の話は、一次情報として載せられません。
一次情報とは、自社が直接持っている記録のこと
一次情報という言葉は、2つの意味で使われます。
ひとつは、国や公的機関の発表、サービスの提供元の公式の文書のような、情報の元になった出典です。
もうひとつが、自分で見聞きし、やってみて、測ったことです。
この記事で扱うのは、後のほうです。
この2つは、記事の中で役割が違います。
制度や仕組みのように、誰が書いても同じになる事実は、公式の文書を出典にして、確かめた日を添えます。
そのうえで、その会社にしか書けないことを足します。
このサイトの記事で、出典のリンクの横に「2026年10月4日確認」のような日付が付いているのは、前の役割の側です。
ほかのサイトのまとめを読み直して書いたものは、二次情報です。
間違ってはいなくても、同じことはほかのページにも書いてあります。
読む人にとっても、検索エンジンにとっても、そのページを選ぶ理由が生まれにくくなります。
Googleは「独自の情報」と「実体験」を、点検の問いに入れている
Googleは、検索のために作るのではなく人のために作るコンテンツについて、自分で点検するための問いを公開しています。
内容と品質についての最初の問いは、「コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。」です。
別の問いでは、「コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。」とも聞いています(Google 検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成、2025年12月18日更新版を2026年10月4日に確認)。
同じページは、Googleの仕組みが、エクスペリエンス(Experience)、専門性、権威性、信頼性、つまり E-E-A-T の面で優れたコンテンツを見分けようとしていると説明しています。
最初の E が、経験です。
ただし「E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありません」とも書かれていて、4つのうち「信頼性は最も重要なもの」としています。
一次情報を書く目的は、点数を稼ぐことではなく、読む人に信じてもらえる中身にすることだと私は読んでいます。
避けたい例として、「検索トラフィックを獲得できると考えて、実際の経験がないにもかかわらず、ニッチなトピックを扱うことにしましたか。」という問いもあります。
経験のない話題を、検索の数だけを見て書き足していくのは、この問いにそのまま当てはまります。
どう作ったかを見せることも勧められています。
同じページは商品レビューを例に、テストした商品の数や結果、テストの方法を、テストした証拠になる写真などと一緒に見せると、信頼を得られると書いています。
レビューに限らず、何を・どうやって確かめたのかが書いてあることが、一次情報の裏付けになります。
AIの答えでも、ほかで読めない情報が手がかりになる
GoogleがAIによる概要やAIモードについて書いたガイドでは、もっとはっきり書かれています。
「Google の AI システムはさまざまなソースをチェックするため、目立つ独自の視点があると役立ちます。たとえば、体験談は個人的な経験に基づいた独自の視点をもたらしますが、既存コンテンツの要約は、すでに他の場所で手に入れられる情報を言い換えたにすぎません。」続けて、「インターネット上の他のユーザーがすでに言っていることや、生成 AI モデルで簡単に作成できる内容を単に再利用しないでください。」とあります(Google 検索セントラル:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する、2026年9月23日更新版を2026年10月4日に確認)。
同じガイドは、誰でも書ける一般的な知識の例に「初めて住宅を購入する人向けの 7 つのヒント」を、独自性のある例に「検査を免除して費用を節約した理由: 下水道管の内部調査」を挙げています。
後のほうは、題を読むだけで、書いた人が実際に何かをしたことが分かります。
一般的な説明ならAIは自分で文章を作れるので、わざわざ引かれるのは、そのページにしか書いていない事実だと私は考えています。
なお、Googleが一次情報をどうやって見分けているのかは、公式の説明には書かれていません。
とはいえ、一次情報を書けば必ず引用されるわけではありません。
ページが検索に登録され、検索結果に抜粋(スニペット)を出せる状態であることが先です。
その手前の順番はGEO対策とはに、LLMO全体での位置づけはLLMOとはにまとめています。
中小企業が持っている一次情報
一次情報というと、大きな調査や独自のデータを思い浮かべるかもしれません。
実際には、毎日の仕事の中にほとんどがあります。
| 種類 | 例 | 添えると確かめやすくなるもの |
|---|---|---|
| 自社の数字 | 問い合わせの件数の推移、作業にかかった時間、よく出る質問の数 | 取った期間と日付、どの画面や記録から取ったか |
| 仕事の手順 | 相談を受けてから納めるまでの流れ、点検で見る場所の順番 | どこで判断が分かれるか、なぜその順番にしたか |
| 直す前と後 | 説明文、ページの見出し、設定の値 | いつ、何を見て直したか |
| 測ったこと・試したこと | 実際の寸法、表示にかかった時間、2つのやり方を比べた結果 | 試した条件 |
| うまくいかなかったこと | 思った結果が出なかった施策、手戻りになった判断 | 原因と、次にどうしたか |
| 自分で撮った写真 | 作業の途中、道具、現場の様子 | いつ撮ったか。人やお客様の情報が写っていないか |
| 決めたことの理由 | 選んだ道具、やめた施策 | ほかの選択肢と、選ばなかった理由 |
この中で書きにくいのは、うまくいかなかったことだと思います。
それでも、読む人がいちばん知りたいのは、自分が同じ失敗をしないための話であることが多いはずです。
私たちのサイトでは、良くない数字もそのまま載せています。
2026年10月4日に取った数字では、GA4 の「AI アシスタント」から来た訪問は9月6日からの約1か月で1回、Bing Webmaster Tools の AI Performance での直近3か月の引用は0回でした(Bingには10月1日に登録したばかりです。数字はGEO対策とはの表に載せています)。
小さい数字でも、取った日と期間が書いてあれば、読む人は自分の会社と比べられます。
一次情報は、日付つきの記録から集める
記事を書くときに一次情報を思い出そうとしても、細かいことは残っていません。
私たちは、サイトの検索対策でやったことを、社内の実践ログに日付つきで書き足しています。
いつ、何をして、結果の数字がどうだったかを1項目ずつ残し、数字は Search Console、GA4、フォームの記録から写して、推測で埋めないことを決まりにしています。
インデックス登録を頼んだら上限で止まった、という記録も、そのまま残します。
数字は、毎回同じ方法で取らないと比べられません。
10月3日には、Search Console の数字を記事ごと・検索語ごとに、同じ条件で取り出すスクリプトを作りました。
サイトの文章や設定を直したときは、変更の履歴(git)に、直す前と後が残ります。
記事に「直す前と後」を書くときは、この履歴から文面を引いています。
小さな会社なら、ここまでの仕組みは要りません。
仕事が終わった日に表計算のシートへ日付と一言を書き、問い合わせで聞かれたこともその日のうちに書き留めておく。
ページを直す前には元の文面をコピーして残し、写真は撮った日が分かる形で保存しておく。
これだけでも、半年たてば、ほかの会社には書けない記事の材料になります。
書いた一次情報を、公開する前に記録と照らし合わせる
一次情報は、ほかの人が確かめられません。
だからこそ、書いた本人が記録と照らし合わせる必要があります。
10月3日に、このサイトの127本の記事をまとめて点検しました。
そのままでよいと判断したのは36本で、直したほうがよいが71本、書き直しが3本、ほかの記事とまとめるのが7本、検索に出さない候補が10本でした。
それを受けて、体験は実際にやったことだけを、実践ログや変更の履歴、実際のファイルで確かめられる範囲で書く、と決まりにしました。
同じ10月3日から、記事ごとに確認表を作り始め、10月4日からは、それを公開の条件にしました。
記事の下書きと点検にはAIも使っています。
だからこそ、数字と体験は記録と照らし合わせ、人が確かめてから公開します。
題と説明文、主な事実と出典、自社の体験として書いた部分、構造化データ、画像の代替テキストを1枚にまとめ、人が確かめてから公開します。
Googleも、特にコンテンツを自動で作る場合は、titleや説明文、構造化データ、画像の代替テキストまで含めて正確さを優先するよう書いています(Google 検索セントラル:ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス、2025年12月31日更新版を2026年10月4日に確認)。
記事を書き直すときに記録と照らし合わせて、自社の記事の間違いが見つかったこともあります。
GA4でAIからの流入を確かめる記事は、問い合わせの完了を数える設定を、キーイベントの印を付けるところまで10月1日に済ませたと読める書き方になっていました。
10月1日に計測のタグを公開したのは事実ですが、10月4日に GA4 の設定を確かめると、問い合わせ完了のイベントはまだ1件も届いておらず、キーイベントの印も付いていませんでした。
本文は、その実際の状態に書き直しています(GA4でAIからの流入を確認する方法)。
自社のことなら分かっているつもりでも、記録を見ないで書くと、こういうずれが起きます。
作り話と他社の事例は、一次情報ではない
作り話は、一次情報ではありません。
体験談がないからといって、それらしい話を作ったり、架空のお客様の声を載せたりすれば、Googleが最も重要だとしている信頼性を自分で崩すことになります。
それが成果や品質の話なら、法律の問題にもなりえます。
景品表示法は、商品やサービスの品質などを「実際のものよりも著しく優良であると示す」表示を、優良誤認表示として禁止しています(消費者庁:優良誤認とは、2026年10月4日確認)。
お客様の情報も、許可なく書きません。
社名や写真はもちろん、業種や地域から相手が分かってしまう書き方も同じです。
お客様との契約で、仕事の中身を外に出さないと約束していることもあります。
私たちは、お客様の名前や、お客様がいることが分かる書き方を記事に入れないと決めています。
この記事の例が自社のサイトの話だけなのは、そのためです。
他社の事例を、自社の体験のように書くのも作り話と同じです。
読んだ話は、どれだけ詳しくても二次情報です。
そのうえ、他社の記事を出典も示さずに書き換えて載せることは、Googleのスパムに関するポリシーが、不正なスクレイピングの例として挙げている行為に当たります。
ポリシーは、他のサイトのコンテンツを、元のソースを引用もせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載することや、語句を類義語に置き換えるなど若干の修正を加えて転載することを挙げています(Google 検索セントラル:スパムに関するポリシー、2026年9月2日更新版を2026年10月4日に確認)。
もう一つ、写真や画面の画像には、思わぬ情報が写ります。
人の顔、お客様の名前が入った書類、管理画面の個人情報などです。
自分で撮ったものでも、載せる前に、写っているものを1つずつ見ます。
よくある質問
一次情報と二次情報の違いは何ですか?
一次情報がないと、検索の順位は上がりませんか?
小さな会社でも、一次情報は書けますか?
お客様の事例を一次情報として載せてもいいですか?
一次情報の数字が小さくても、載せていいですか?
一次情報を書くときに、私がいちばん気を付けているのは、分からないことを分からないと書くことです。
書き直しが効いたかを判断できる数字がまだないなら、そう書いておきます。
bundlyzeは、大阪市北区のグラングリーン大阪を拠点に、大阪・兵庫を中心とした関西の会社からのご相談に対応していて、打ち合わせはWeb会議でも対面でもできます。
全国からオンラインでもご相談いただけます。
この記事を書いた津嘉山は、業務システム開発とAWSを専門とするエンジニアで、このサイトの記事に載せる自社の数字と記録は、実践ログと変更の履歴で確かめられるものだけにしています。
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